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アルジ往戦記  作者: roak
33/300

第33話 一瞬

ヤマエノモグラモンとの戦いが始まった。

リネは杖の両端を左右の手でそれぞれつかむ。


リネ(お願い!)


杖を頭上に掲げる。

天に向かって両腕を高く伸ばした。

その姿を見てエミカとミリはすぐに察する。


エミカ「アルジ!!後ろに下がれ!!」

アルジ「え!?」

リネ(これで倒れてちょうだい!!)


それは一瞬のこと。

リネの体の周りで雷光が起きる。

バチバチと音を立てて。

そして、落とされる。

目を焼くような光。

耳を裂くような音。

王雷。

最強の攻撃魔術。

出すために使う魔力はどれほどか。

それは、ほぼすべて。

術者が持っているほぼすべての魔力。

目の前の敵を倒さなければならない。

どうしても。

覚悟したときにだけ使う。

王雷は、そんな勝負の魔術。

ヤマエノモグラモンに直撃する。


ヤマエノモグラモン「ギャ!!!!」


◇ ヤマエノモグラモンに2046のダメージ。

ヤマエノモグラモンは痺れて動けない。

ビクビク震えながらリネをにらみつける。


リネ(倒れない…!?王雷でも…!!)


魔力をほとんど使ったリネ。

膝をつき、肩を落とす。


エミカ「そんな…!王雷でも…!」

ミリ「ウソ…!!」

アルジ「今だ!!行くぜ!!

 ここで一気に決めるんだ!!」


敵の動きが止まった。

その瞬間をアルジは逃さない。

勇気の剣で斬りかかる。


アルジ「剛刃波状斬撃!!!!!」


しかし、硬い鱗にその攻撃は阻まれる。

辺りに響くのは、カン、カンという音。

肉まで刃が届かない。

◇ ヤマエノモグラモンに6のダメージ。


アルジ「クソ!硬い!!」

ミリ「アルジ!どいて!私が凍らせる!!」


杖を振って冷気を浴びせる。


ミリ(行け!!)


ミリの魔術がヤマエノモグラモンを攻める。

◇ ヤマエノモグラモンに506のダメージ。

だが、凍らせることまではできない。

王雷による痺れがなくなる。

ヤマエノモグラモンは動き出す。

長い4本の腕が高速で振り回される。

その爪にミリは捕まってしまう。


ミリ「わっ!あっ!!…助けて!!!!」


服が爪に引っかかったまま振り回される。

そして、別の腕の爪でミリの体を引っかく。


ミリ「いたっ!!痛い!!痛いよ!!」


どうにか体をよじって致命傷は免れた。

◇ ミリに32のダメージ。(HP144 → 112)


アルジ「てめえええ!!!!」


アルジは再び斬りかかる。

だが、強靭な脚で蹴り飛ばされた。


アルジ「ぐおおおっ!!」


◇ アルジに81のダメージ。(HP280→199)

エミカが火球を撃ち込む。

しかし、鱗に守られる。

肉を焼くことができない。

◇ ヤマエノモグラモンに31のダメージ。


エミカ(一体どうしたら…!!火砲も!火樹も!

 使えば…ミリが巻き添えになる…!)

リネ「ミリ!ミリ!いやああ!この化け物!!

 クソ!!ボケ!!死ね!!!」


リネは平静さを失って怒りに任せて叫ぶ。


ミリ「嫌だ!放してよ!!嫌だ!!!」


2本の腕でがっしり捕まれ、振り回されるミリ。

ヤマエノモグラモンはミリの体にかみついた。


ミリ「ぐうっ…!!」


ミリの腹が激しく傷つけられる。

そのまま彼女は気絶した。

◇ ミリに110のダメージ。(HP112→2)

長い4本の腕で獲物を弄ぶ。

ヤマエノモグラモンの習性。

昔の人々はホリホリカミカミと呼んだ。

アルジは立ち上がる。

助走をつけて斬りかかる。


アルジ「許さねえ!!絶対許さねえ!!!」


近づき、剣を振り上げたその瞬間。

ヤマエノモグラモンが素早く腕を振る。

鋭い爪がアルジを襲う。


アルジ「はっ…!!!?」


アルジの左腕が斬り飛ばされた。

◇ アルジに106のダメージ。(HP199→93)

剣を手にした右腕は無事。

そのまま臆せず斬りにいく。

ヤマエノモグラモンの胴体を。


アルジ「円月斬り!!!」


◇ ヤマエノモグラモンに28のダメージ。

円月斬りに驚いたヤマエノモグラモン。

つかんでいたミリの体を投げ出す。

彼女の体は深い茂みに落とされた。

歯を食いしばり、様子を見ていたエミカ。

我を忘れて火の魔術を出す。


エミカ(今だ!!!燃えろ!!!)


大地から立ち上る極太の炎。

火樹を放つ。


エミカ「許さない!許さない!!」


炎はどんどん勢いを増す。

◇ ヤマエノモグラモンに628のダメージ。


エミカ「わあっ!!!!」

リネ(…いけない!!

 あのままではエミカのフタが!!

 外れてしまう!!)


リネはエミカの元へ走る。

杖でみぞおちに一撃を加えた。


エミカ「うっ!!!」


エミカはその場に倒れ込み、気を失う。

◇ エミカに47のダメージ。(HP253→206)

火樹で焼かれたヤマエノモグラモン。

動きが一気に鈍くなる。

だが、その凶暴性は失われていない。


リネ「!!!」


そのとき、リネは気づく。

アルジの深い怒りの感情に。

左腕を失っても決して退こうとしない。

むしろ彼は闘争心を高めていた。

そして、勇気の剣が光り出す。


リネ(光った…!剣が…本当に…!)

アルジ「リネ、雷の魔術はまだ使えるか?」

リネ「ええ…!でも…」


リネの雷の魔術は4段階。

強い順に王雷、雷柱、雷砲、雷弾。

今の彼女は雷弾を撃つのが精一杯。


アルジ「一瞬でいい。一瞬でいいから…

 …あいつの動きを止めてくれないか」

リネ「…!」

アルジ「今度こそ…斬る…!!!」

リネ「!!!」


リネは残りの魔力をかき集める。

全身から絞り出すように。

正真正銘、最後の1発。

杖の先に集中させ、雷弾に変えた。


リネ(…やってやろうじゃない!!)



◇◇ ステータス ◇◇

◇ アルジ ◇

◇ レベル 10

◇ HP   93/423

◇ 攻撃

 29★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★

◇ 防御  14★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 12★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力  12★★★★★★★★★★★★

◇ 装備  勇気の剣、銀獣の鎧

◇ 技   円月斬り、剛刃波状斬撃


◇ エミカ ◇

◇ レベル 9

◇ HP   206/341

◇ 攻撃  8★★★★★★★★

◇ 防御  12★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 9★★★★★★★★★

◇ 魔力  17★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 装備  魔樹の杖、深紅の魔道衣

◇ 魔術  火球、火砲、火樹


◇ ミリ ◇

◇ レベル 7

◇ HP   2/237

◇ 攻撃  4★★★★

◇ 防御  7★★★★★★★

◇ 素早さ 8★★★★★★★

◇ 魔力

  18★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 装備  魔石の杖、紺碧の魔道衣

◇ 魔術  氷弾、氷柱、氷乱


◇ リネ ◇

◇ レベル 23

◇ HP   678/678

◇ 攻撃   6★★★★★★

◇ 防御  16★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 11★★★★★★★★★★★

◇ 魔力

  26★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★

◇ 装備  天界石の杖、創造の杖、聖星清衣せいせいせいい

◇ 魔術  雷弾、雷砲、雷柱、王雷

      岩弾、岩砲、岩壁、王岩

      光玉、治療魔術、再生魔術、蘇生魔術


◇ 持ち物 ◇

◇ 治療薬 25、魔力回復薬 16


◇◇ 敵ステータス ◇◇

◇ ヤマエノモグラモン ◇

◇ レベル 24

◇ HP   3636

◇ 攻撃

  20★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 防御

  38★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ

 19★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力

  31★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★

◇ 技   ホリホリカミカミ

◇ 魔術  岩弾、岩砲

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