第294話 同等
凍りつく2体の番人。
エミカの王氷が命中した。
◇ 赤の番人に4636のダメージ。
◇ 青の番人に2981のダメージ。
それを見て、走り出す。
アルジが、シノミワが、メイニナが。
番人たちのところへ。
エミカ(…ここだ!)
次に王雷を繰り出す。
アルジたちに当たらないように。
番人たちの頭へ落とす。
特大の雷を。
◇ 赤の番人に11928のダメージ。
◇ 青の番人に8283のダメージ。
番人たちはしびれて動けない。
アルジが剣を振る。
刃が届く。
赤の番人を斬っていく。
アルジ「うおおおおお!!!行くぜ!!!!」
剛刃波状斬撃を見舞う。
流れるような動きで斬りつけていく。
◇ 赤の番人に1129のダメージ。
◇ 赤の番人に2938のダメージ。
◇ 赤の番人に1928のダメージ。
◇ 赤の番人に2838のダメージ。
◇ 赤の番人に3942のダメージ。
◇ 赤の番人に1293のダメージ。
◇ 赤の番人に2394のダメージ。
◇ 赤の番人に2538のダメージ。
◇ 赤の番人に1550のダメージ。
アルジ(…なんだ!?手応えがない…!
斬ってんのに…すぐに傷が塞がって…
どうなってやがる!!
これが…秘術の力なのか!!?)
一方。
青の番人は包まれる。
メイニナが素早く広げた大きな布に。
すぐさま彼女は注ぎ込む。
青の力と白の力を、その布に。
青白く布が光り出す。
メイニナの秘術、青包が決まった。
青の番人の体から一気に力が抜けていく。
シノミワ(よくできました…)
シノミワが番人の背後に回り込み、針を刺す。
勢いよく引っ張って、その皮膚に糸を通す。
黒く、細く、長い、その糸を。
それから、すかさず力を注ぐ。
注ぐのは、赤の力。
生命活動を暴走させる強力な赤の力。
シノミワは赤滅を使った。
青の番人「ぐううむおおおぐうむおぐうむぐむぐ
ぐむおおおおむぐむぐむおおおぐうむぐうむぐ
ぐううもお!!!」
倒れこみ、激しく体をくねらせ、とまる。
◇ 青の番人を倒した。
残るは赤の番人。
アルジが剣を振り上げる。
斬って、斬って、斬っていく。
剣が光をまとう。
番人を斬りつけるたびその光は激しさを増す。
◇ 赤の番人に3847のダメージ。
◇ 赤の番人に4758のダメージ。
◇ 赤の番人に6984のダメージ。
◇ 赤の番人に10238のダメージ。
◇ 赤の番人に13475のダメージ。
◇ 赤の番人に21934のダメージ。
◇ 赤の番人に25938のダメージ。
◇ 赤の番人に30948のダメージ。
◇ 赤の番人に42586のダメージ。
◇ 赤の番人に50594のダメージ。
◇ 赤の番人に55510のダメージ。
エミカの魔術の効果はすでに消えていた。
王氷も、王雷も。
だが、赤の番人は動けない。
アルジの圧倒的攻撃を浴びて。
◇ 赤の番人に60772のダメージ。
アルジ「どうだっ!!!」
そこへメイニナがやってくる。
素早く布を広げて、赤の番人を包む。
青の番人にしたように。
注ぐのは、青の力と白の力。
青包により脱力させる。
そして。
シノミワ(…これでおしまい)
シノミワが番人の背後に回る。
その背中に針を刺し、糸を通し、力を込める。
使う秘術は、赤滅。
赤の番人「もうももももももうもろもろもうもも
もももうもろろもうううもうも!!!!」
倒れて、のたうち回る。
やがてぴたりととまり、静かになる。
◇ 赤の番人を倒した。
◇ アルジたちは戦いに勝利した。
◇ アルジはレベルが上がった。(レベル34→35)
◇ エミカはレベルが上がった。(レベル32→33)
◇ シノミワはレベルが上がった。(レベル41→42)
◇ メイニナはレベルが上がった。(レベル33→34)
わずかな時間で勝負は決した。
エミカは歩いていく。
アルジたちの方へ。
アルジ「大丈夫か?」
エミカ「ああ」
アルジ「よくやったぜ。王氷も王雷も」
エミカ「アルジも…」
アルジ「へっ…あんなもんだろ」
シノミワ「エミカさん」
エミカ「…はい」
シノミワ「見事な魔術でした」
エミカ「ありがとうございます。
シノミワさんの秘術もお見事でした」
シノミワ「いいえ…」
勝利したにもかかわらず、シノミワの表情は固い。
エミカは少し首を傾げた。
エミカ「…?」
シノミワ(さっきの王雷で…
この子は魔力を使い果たしたはず…。
でも…どうして…?
ほんのわずかに…感じる…。
彼女の体から…魔力を感じる…。
自然回復した?いいえ…早過ぎる…。
いくらなんでもこんなに早くは…。
なら、どうして…?それは…分からない…。
それに…どうして…?一体…どうして…?
この魔力…この魔力の感じ…)
エミカ「どうかしましたか?シノミワさん」
シノミワ「…いいえ」
メイニナ「大変お疲れ様でした」
4人は集まり、向き合う。
メイニナがアルジに言う。
メイニナ「素晴らしいです」
アルジ「…?」
メイニナ「そのような剣と技…初めて見ました。
すごい…本当に…すごいです…」
メイニナは目を輝かせている。
アルジは少し照れた。
アルジ「そうかな」
メイニナ「はい!」
エミカ「………」
メイニナ「さっきの技…赤と黒の力が…
とても…激しくて…それに白の力まで…!
アルジ「白の力もあるのか」
シノミワ「………」
メイニナ「はい、そうですよ。
白の力…断ち切る力です。
番人の再生能力を完全に断ち切って…
しかも、秘力の流れまで切断して…
動きを封じた…。素晴らしいです!
どうやったら…一体どうやったら…
そんな力が生まれるのでしょうか!?」
メイニナは興奮していた。
目を見開き、声を張り、知ろうとする。
アルジの剣の秘密について。
アルジ「オレもよく分からないんだ。
なんであんな技が使えるのか」
メイニナ「…そうなんですか?」
アルジ「ああ、それにこの力は…」
メイニナ「はい」
アルジ「生命力を…」
メイニナ「生命力…?」
アルジ「ああ」
メイニナ「生命力が…どうかしたんですか?
アルジ「いや…」
メイニナ「とにかく…その剣…すごいですよ。
本当に…。さっきの力をもっと出せたら…
きっと魔真体だって…」
アルジ「倒せるかもな」
メイニナ「はい!」
アルジ「………」
メイニナ「なんだか浮かない顔ですね。
アルジさん」
エミカ&シノミワ「………」
メイニナ「あれ…?どうしたんですか…?
シノミワさんも…エミカさんも…」
アルジ「メイニナさん」
メイニナ「はい」
アルジ「この剣…」
メイニナ「はい」
剣の秘密を打ち明けようとしたとき。
防衛隊員「お前たち…」
防衛隊員が近づいてきた。
アルジたちは彼を見る。
防衛隊員「なあ…教えてくれ」
アルジ&エミカ&シノミワ&メイニナ「………」
防衛隊員「オレには…分からない」
言いながら力なく首を横に振る。
防衛隊員「魔真体ってやつを…誰が倒すんだ?
討伐隊が来る。3日後に。それは分かった。
だが…一体誰が来て、
その…魔真体って化け物を倒すんだ?
お前たち以外の…誰が戦うって言うんだ?
大陸を滅ぼしかねない化け物なんだろ?
そんな化け物を一体どこの誰が倒せるんだ?
お前たち以外の…誰が倒すって言うんだ?」
アルジ&エミカ&シノミワ&メイニナ「………」
防衛隊員は大きな声で言う。
防衛隊員「驚いた。オレは心底驚いた。
無理だと思っていた。やられると思っていた。
犠牲者が増えるだけ。そう思っていた。
だが、お前たちは勝った…」
エミカの方を見て話す。
防衛隊員「なあ、なんなんだ?あの魔術は。
ものすごい吹雪で!それから雷が落ちて!
あいつら!凍って!しびれて!
動けなくなって!!
オレはざまあ見ろと思った!!ははは!!」
エミカ「………」
シノミワとメイニナの方へ顔を向ける。
防衛隊員「なあ!!なんなんだ!?
あんたらは何をしたんだ?
いきなり布をかぶせて!!
後ろに回って何をしたんだ!!?
急に暴れたかと思ったら!ぶっ倒れて!!
何をしたんだ!?毒を食らわせたのか!?
呪いでもかけたのか!? 分からん!!
なんであいつらは倒れたんだ!!!?」
シノミワ&メイニナ「………」
そして、最後にアルジの元へ。
目の前に立ち、話しかける。
防衛隊員「…教えてくれ。あんたは…何者だ?」
アルジ「さっきも言っただろ」
防衛隊員「………」
アルジ「オレはナキ村の剣士、アルジだ」
防衛隊員「あんな技は見たことがない…」
アルジ「………」
防衛隊員「大前隊か?
最近…一隊に上がったのか?」
アルジ「大前隊には入ってない」
防衛隊員「…嘘だろ」
アルジ「嘘じゃないぜ」
防衛隊員「オレは…
さっきのお前の技に恐怖すら覚えた…」
アルジ「………」
防衛隊員「仲間たちが殺されたとき…
オレは絶望した。
やつの攻撃を目の当たりにして。
人間を超えたあの速さに!あの強さに!
オレは心の底から震え上がった…!」
アルジ「そっか」
防衛隊員「さっきのお前の技は…同等に見えた。
化け物の速さと強さに全然負けていなかった。
あの破壊力…なんなんだ?」
アルジ「練習の成果…ってところかな」
防衛隊員「…お前は本当に人間なのか?」
アルジ「何言ってんだ。人間だぜ」
防衛隊員「………」
アルジ「見れば分かるだろ」
防衛隊員「すまない…」
アルジ(さっきの戦いで…
勇気の剣はいつも以上に光ってた…。
力がすごく湧いてきて…ザクザク斬れて…。
あと少しで…自分を制御できなくなるような…
もしかすると…オレは…
完全覚醒しそうだったのかもな…)
シノミワ「…!!!」
そのとき。
シノミワが顔をゆがませ、うずくまる。
シノミワ「フウウウウ…!」
アルジ&エミカ&メイニナ「!!?」
アルジがしゃがみこみ、問いかける。
アルジ「おい!どうした!?シノミワさん!!」
シノミワ「ウウウウウウウウ…!!」
エミカ「シノミワさん!!」
メイニナ「これは…!!」
防衛隊員「おい…どうした?どうしたんだ?」
メイニナ「これは…いけない…!」
シノミワの体に赤と黒の斑点がいくつも浮かぶ。
◇◇ ステータス ◇◇
◇ アルジ ◇
◇ レベル 35
◇ HP 4787/5005
◇ 攻撃
60★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 防御
57★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
56★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力
20★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 装備 勇気の剣、闘主の鎧
◇ 技 円月斬り、剛刃波状斬撃、
壮刃破竜斬撃、雷刃剣
◇ 魔術 雷動
◇ エミカ ◇
◇ レベル 32
◇ HP 3388/3577
◇ 攻撃 12★★★★★★★★★★★★
◇ 防御
32★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
48★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★
◇ 魔力
60★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 装備 天界石の杖、濃色魔術衣
◇ 魔術 火弾、火球、火砲、火樹、火海、王火
氷弾、氷柱、氷乱、氷渦、王氷
雷弾、雷砲、雷柱、王雷
岩弾、岩砲、岩壁、王岩
光玉、治療魔術、再生魔術
天火
◇ シノミワ ◇
◇ レベル 42
◇ HP 822/908
◇ 攻撃 4★★★★
◇ 防御
18★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
19★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力
19★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 秘力
42★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★
◇ 装備
秘術道具(幻印、例札、思針、心糸)、高護貴帯
◇ 魔術 火弾、火砲、火刃
◇ 秘術 赤画、赤封、赤除、赤洪、赤滅
青画、青封、青跡、青結、青葬
白紋、白掃、白限、白威、白廃
黒紋、黒弦、黒貫、黒壊、黒破
◇ メイニナ ◇
◇ レベル 34
◇ HP 1947/2006
◇ 攻撃 7★★★★★★★
◇ 防御 16★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
30★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★
◇ 魔力
30★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★
◇ 秘力
45★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★
◇ 装備 秘術道具(感紙、覚布)、風雅装衣
◇ 魔術 雷弾、雷砲、雷波、雷突、雷進、王雷
光玉、治療魔術、再生魔術、蘇生魔術
◇ 秘術 赤折、赤拡、赤絡、赤結、赤包
青折、青縮、青絡、青結、青包
白曲、白重、白束
黒曲、黒貫、黒巻
◇ 持ち物 ◇
◇ 治療魔術薬 10、魔力回復薬 30、活汁 4
◇ 創造の杖、安定の玉




