第267話 兵士
アルジたちは話し合う。
東の祠の縦穴を登りながら。
アルジ「ラグアはもう…
巨方庭を攻略したのか?」
アヅミナ「そうかもね」
エオクシ「ここにはいねえかもな」
アルジ「ここにはいない?」
エミカ「…秘術空間に行った?」
エオクシ「そういうこった」
アルジ「秘術空間か…。ロニが言ってたな」
エオクシ「やつら一隊より強えって話だからな。
竜の守護兵なんか楽に倒せるだろ。
白も黒もな」
アヅミナ「ロニの仲間だから攻略法も知ってる。
すでに古王の祭壇に着いてるかも」
エミカ「そうだな…。
だけど、やっぱり分からない。
創造の杖は私たちが取り返したのに。
3つの星の秘宝を捧げなきゃ…
魔真体は復活しないはずなのに。
ラグアはどうして古王の祭壇に行ったのか」
アルジ「待ち構えてるんじゃないのか?
オレたちを…」
アヅミナ「いつ来るのかも分からないのに?
あたしたちを待ってる間の食料は?
それに、創造の杖を…
あたしたちが持ってくる保証はない。
秘術空間がどんな場所か知らないけど、
何日も留まるのは無理があると思う」
アルジ「それは確かにそうだけど…」
エオクシ「今ここで考えてたってしょうがねえ。
本人に会って直接聞きゃあいい」
アルジ「そうだな」
祠の出口はもうすぐ。
アヅミナが落ち着いた口調で言う。
アヅミナ「ラグアたちと話す時間なんてない」
アルジ&エオクシ「………」
アヅミナ「一隊よりもずっと強いんでしょ。
こっちが仕掛ける前に仕掛けられたら危ない。
会ったらすぐに戦う。
即座に天火と獄火で攻撃する。これしかない」
エミカ「私もそう思う」
エオクシ「…それもそうだな。
話す余裕なんてねえ。
問答無用で倒しにいくぜ。
頼んだぜ。2人とも」
アルジ(…エミカもアヅミナさんも本気だ。
天火と獄火が命中したら確かに一撃で終わる。
でも…本当にそうか?それで終わるのか?)
祠から外へ出る。
空はまだ明るい。
ラアムとナアムに乗る。
青い光が地を這ってアルジたちを導く。
光の筋は西の砦に向かって伸びていた。
進み始めて間もなく。
アルジ「お…なんだ?」
エミカ「魔獣か」
いくつも横たわる大きな獣の死骸。
コダイオオカミのものだった。
ラアムとナアムは避けながら進む。
アヅミナ「これ全部ラグアたちの仕業か」
エオクシ「いい技だ。綺麗に倒してやがる」
アヅミナ「感心してる場合?」
エオクシ「感心じゃねえ。警戒だ」
先を行くラアムが止まる。
ほぼ同時にナアムも止まる。
アヅミナ「エミカちゃん」
エミカ「ああ」
2人は感じ取った。
前方に複数の魔波を。
もう少し進めば巨方庭の中心部。
そんな場所にいた。
アヅミナ「魔獣ではない」
エミカ「この感じは人…」
エオクシ「こっからじゃ姿は見えねえな」
アルジ「魔波も感じない」
エミカ「すごく弱い魔波だから。
大した魔術師じゃないと思う」
アヅミナ「ラグアの手下の戦士かな」
さらにラアムとナアムで進む。
アヅミナが気づく。
アヅミナ「敵もやっと感知した。
あたしたちのことを」
エミカ「分かれた。右と左に」
アヅミナ「どうする?」
エミカ「右に行こう」
アヅミナ「あたしは左に行く」
アルジたちはラアムとナアムから降りた。
2つの魔生体を素早くしまう。
エミカとアヅミナは歩き出す。
右と左。
それぞれ林の中を進んでいく。
アルジ「オレたちも行くぜ」
エオクシ「いや、ここでいい」
アルジ「なんでだ?」
エオクシ「この見通しの悪い林の中だ。
下手に動けば2人の魔術に当たっちまう」
アルジ「ああ、確かに」
エオクシ「さっきの天火は尋常じゃねえ。
あんなので焼かれて死ぬのはごめんだな」
アルジ「そうだな!」
エオクシ「ここは2人に任せるぜ」
アルジ「おう」
エミカが魔力を高める。
人影を見つけた瞬間、撃つ。
杖の先から王氷を。
潜んでいた兵士たちを極上の冷気が包む。
◇ ラグア軍団兵士Aに14506のダメージ。
◇ ラグア軍団兵士Bに13692のダメージ。
◇ ラグア軍団兵士Cに13787のダメージ。
◇ ラグア軍団兵士Dに14268のダメージ。
◇ ラグア軍団兵士A〜Dを倒した。
彼らは立ったままガチガチに凍りついた。
アヅミナも魔力を高める。
アヅミナ(毎回毎回、すごいの見せてくれるね。
あたしだって…負けてられない!)
アヅミナの杖からも冷気が飛び出す。
◇ ラグア軍団兵士Eに11944のダメージ。
◇ ラグア軍団兵士Fに12016のダメージ。
◇ ラグア軍団兵士Gに12300のダメージ。
◇ ラグア軍団兵士Hに12198のダメージ。
◇ ラグア軍団兵士E〜Hを倒した。
さらに4体、凍った人の像ができ上がる。
アヅミナ「…もういないみたいね」
近くに魔波を感じなくなった。
王氷の影響で辺りの空気は冷え切っていた。
エミカ「…くしゅん!」
エミカがくしゃみをしたとき。
草むらから2つの影が飛び出した。
近くに兵士が隠れていた。
エミカ「…!!」
すぐさま杖を構え魔術を出そうとする。
だが、兵士はエミカにその時間を与えない。
間合いを詰めて剣を振る。
それは非常に洗練された動き。
エミカ「うわっ!」
アヅミナ「エミカちゃん…!」
振り下ろされた剣は、エミカの肩を深く斬る。
◇ エミカは1488のダメージ。(HP2714→1226)
彼女は大きくよろめき、転倒。
さらに兵士たちは襲いかかる。
2人がかりで剣を振り下ろす。
アルジ「エミカ!!!」
アルジが叫んだとき。
エオクシはすでに駆けていた。
林の中を突風のように進む。
木の根を蹴って跳ぶ。
高く、遠く、跳び上がる。
そして、壮刃剣を竜巻のように振り回す。
2人の兵士の胴体を瞬く間に斬り飛ばす。
◇ ラグア軍団兵士Iに21097のダメージ。
◇ ラグア軍団兵士Jに19566のダメージ。
◇ ラグア軍団兵士I、Jを倒した。
エミカ「ありがとう…」
エオクシ「…魔力の感知に頼ってっからだ。
たまには目を凝らして耳を澄ませろ。
魔力を持たねえやつだっているからな」
エミカ(ここにも1人いるしな)
エオクシ「なんか言いてえみてえだな」
エミカ「…なんでもない」
エオクシ「立てるか?」
エミカ「ああ、大丈夫」
エミカは再生魔術を自分に使う。
まばゆい光に包まれて傷が治る。
◇ エミカはHPが全回復した。(HP1226→3027)
アヅミナ「…!!」
木の上から大きな影。
アヅミナはひらりとかわす。
降ってきたのは、1人の兵士。
剣を手にアヅミナに襲いかかる。
そのとき。
アルジ「食らえ!!」
ラグア軍団兵士K「!!?」
今度はアルジが駆けて剣を振る。
雷刃剣が命中した。
ラグア軍団兵士K「ぎゃあぁあぁあ!!!」
兵士は叫んで倒れて気絶した。
◇ ラグア軍団兵士Kに1097のダメージ。
アヅミナ(傷が浅い…。
ほとんど感電させただけ…まさか…)
アルジ「おし、うまくいったぜ!!」
アヅミナ「ありがとう」
アルジ「アヅミナさん、1つ頼んでもいいか?」
アヅミナ「いいよ」
アルジ「………」
アヅミナ「何をすればいいか。もう分かってる」
エミカ&エオクシ「………」
エミカとエオクシもやってくる。
倒れた兵士を見てエオクシは言う。
エオクシ「アルジ、もしや…」
アルジ「ああ」
エミカ「やるのか」
アヅミナ「そうだね。
少し…時間を使っても試す価値はある」
気絶した兵士の手足を縛る。
それから、エミカの治療魔術で目覚めさせた。
ラグア軍団兵士K「…ぐ…う…」
アヅミナ「あなたは誰?何しにここへ?」
ラグア軍団兵士K「………」
エオクシ「おい、答えやがれ!」
ラグア軍団兵士K「………」
アヅミナ「話す気なしか。予想はしてたけど残念」
エオクシ「確実な方法で頼むぜ」
アヅミナ「任せて」
アヅミナの手のひらに暗球が現れて浮かぶ。
ラグア軍団兵士K「!!」
アルジ&エミカ「………」
腕を伸ばし、その球を兵士の額にそっと当てる。
アヅミナ「全部話してもらうから」
ラグア軍団兵士K「精神操作かー!やめろ!!」
その声に反応した5人の兵士たち。
遠く離れた草むらから姿を現す。
エオクシ「まだ隠れてやがったか」
アルジ「あいつら…!」
アルジとエオクシが走って攻める。
エオクシが壮刃剣で斬っていく。
◇ ラグア軍団兵士Lに22344のダメージ。
◇ ラグア軍団兵士Mに22569のダメージ。
◇ ラグア軍団兵士Nに23837のダメージ。
◇ ラグア軍団兵士L〜Nを倒した。
アルジが勇気の剣で裂いていく。
◇ ラグア軍団兵士Oに17985のダメージ。
◇ ラグア軍団兵士Pに18329のダメージ。
◇ ラグア軍団兵士O、Pを倒した。
そして、アヅミナのところへ戻る。
精神操作を近くで見守る。
エミカ「…どう?」
アヅミナ「もうそろそろ」
兵士の顔つきが急に穏やかになった。
その変化をアヅミナは見逃さない。
アヅミナ「かかった」
アルジ「!!」
早速アヅミナが問いかける。
アヅミナ「あなたたちの狙いは何?」
兵士は答える。
ラグア軍団兵士K「目覚めさせる…」
アヅミナ「………」
ラグア軍団兵士K「魔真体を…目覚めさせる…。
破壊の矛と…安定の玉で…目覚めさせる…。
魔真体を目覚めさせる…。
目覚めたら…おしまいだ…。そして…始まる。
新たな時代が…ラグア様の新王国が…
始ま…ぬぐ!!!!?」
アヅミナ「え…」
ラグア軍団兵士K「まぐ…まぐまぐ…まぐま…
ぐまぐま…ぐままぐまぐぐまぐまぐまぐまぐ
まぐまぐまぐまぐまぐまぐまぐ…らわぁ!!!」
兵士は動かなくなった。
それから、がっくりと息絶えた。
エオクシ「死んだのか?」
アヅミナ「死んだ」
エオクシ「こいつはまるで…」
アヅミナ「…シノ姫の秘術」
アルジ&エミカ「………」
アヅミナ「そんなことより…」
エミカ「さっき…目覚めさせるって…!」
アルジ「そうだよな!
目覚めさせるって言ってたよな」
アヅミナ「破壊の矛と…安定の玉で…
目覚めさせる…創造の杖は…?
創造の杖はなくてもいいの?」
アルジ&エミカ&エオクシ「………」
アヅミナ「思い違い。大きな思い違い。
3つの星の秘宝がそろわなければ…
魔真体は目覚めない。
それは間違いだったってこと?
2つでも行けるってこと?
あたしたちは、大きな思い違いをしていた…?
魔真体と星の秘宝の仕組みについて…」
エオクシ「仕組みだとか…
細えことはよく分からねえ。
分かるつもりもねえが、とにかく終わらせるぜ。
巨方庭を攻略して!ラグアをぶっ倒して!!」
アルジ「ああ!」
エミカ「先を急ごう!」
アヅミナ(考えてなかった。その可能性は。
最悪の場合…ラグアたちだけじゃない。
魔真体とも戦うってこと?
いえ…もっと最悪なのは…!)
アルジたちはラアムとナアムに乗る。
そして、巨方庭の林を駆けていく。
西の砦に向かって。
◇◇ ステータス ◇◇
◇ アルジ ◇
◇ レベル 33
◇ HP 4234/4234
◇ 攻撃
52★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★
◇ 防御
49★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★
◇ 素早さ
47★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★
◇ 魔力 15★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 装備 勇気の剣、闘主の鎧
◇ 技 円月斬り、剛刃波状斬撃、
壮刃破竜斬撃、雷刃剣
◇ 魔術 雷動
◇ エミカ ◇
◇ レベル 31
◇ HP 3027/3027
◇ 攻撃 11★★★★★★★★★★★
◇ 防御
31★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
42★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★
◇ 魔力
55★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 装備 天界石の杖、濃色魔術衣
◇ 魔術 火弾、火球、火砲、火樹、火海、王火
氷弾、氷柱、氷乱、氷渦、王氷
雷弾、雷砲、雷柱、王雷
岩弾、岩砲、岩壁、王岩
光玉、治療魔術、再生魔術
天火
◇ エオクシ ◇
◇ レベル 41
◇ HP 4488/4781
◇ 攻撃
58★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 防御
48★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★
◇ 素早さ
54★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力
◇ 装備 壮刃剣、戦究防護衣
◇ 技 天裂剣、地破剣、天地双竜剣
◇ アヅミナ ◇
◇ レベル 39
◇ HP 509/509
◇ 攻撃 1★
◇ 防御 2★★
◇ 素早さ
49★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★
◇ 魔力
54★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★
◇ 装備 大法力の魔杖、漆黒の術衣
◇ 魔術
火弾、火矢、火球、火砲、火羅、火嵐、王火
氷弾、氷矢、氷球、氷刃、氷柱、氷舞、王氷
暗球、精神操作、五感鈍化、魔病感染、
酷死魔術
獄火
◇ 持ち物 ◇
◇ 治療魔術薬 10、魔力回復薬 50、活汁 8
◇ 創造の杖




