第214話 祝福
砂浜に降り立ったアルジたち。
エミカはカルスをしまった。
砂浜を見回してガシマは考える。
ガシマ「これはどういうことだ?」
アルジ&エミカ&オンダク「………」
そこには大量の死骸が散乱。
どれもヒレダヌキのもの。
それらはいずれも腹部を食われていた。
エミカ「…捕食者がいる。この島に」
オンダク「そういうことだな」
ガシマ「逃げてきたってわけか」
アルジ「逃げてきた…?」
ガシマ「昨日、ドノカ町にいた魔獣だ。
この島から逃げてきたんだろ。
この島にいる…あいつらの天敵から…」
アルジ「………」
オンダク「町を襲うためじゃない。
昨日の魔獣どもは…逃れるため島を出た。
泳いで近くの陸地に向かった。そして…」
ガシマ「ドノカ町に行き着いた」
アルジ「そういうことか!」
ガシマ「多分な」
オンダク「となると、こいつらを食ったのは…
ガムヤラトラゾウか?」
ガシマ「どうだろうな。
エミカ、魔獣の気配はどうだ?」
エミカ「そんなに多くはないと思う。
だけど…昨日よりもずっと強い。
1体1体の魔獣が持つ魔力は」
オンダク「そうか。注意して進むとしよう」
ガシマ「半日もあればぐるっと回れる島だ。
1体1体確実に潰していこう」
そのときだった。
微かな物音が聞こえる。
林の中に身を潜めていた魔獣。
それが動き出そうとしていた。
島にやってきたアルジたちを狙って。
最初に反応して動いたのはアルジ。
見つけ出して走り出す。
林の中へ駆け込んで剣で斬りかかる。
牙をむき、襲いかかろうとするその魔獣に。
力強く剣を振り下ろす。
頭を縦に深く斬る。
ドサリと大きな音を立てて倒れる魔獣。
アルジ「…でかいな」
◇ オオアオギツネAに8276のダメージ。
◇ オオアオギツネAを倒した。
深い青色の体毛。
三角形のとがった耳。
円錐状の突き出た鼻。
放射状に伸びた硬いヒゲ。
耳元まで釣り上がった目。
そして、長い四肢の細身の巨体。
魔獣の名前は、オオアオギツネ。
エミカがアルジの元へ。
エミカ「この魔獣…魔力が高い」
アルジ「あと何頭いる?この島に」
エミカ「10頭くらいはいる」
アルジ「そうか」
エミカ「ついさっきまで近くにいなかった。
気配を感じ取ってここへやって来たんだ。
素早く…音も立てずに…」
アルジ「気配か…」
エミカ「私たちの立てる音とか体温とか…
あるいは…私たちの魔波を感じ取った…」
アルジ「敵の力もかなりのものってわけだ」
エミカ「ああ。油断できない。
気がついたら囲まれてる…
そんなこともあるかもしれない」
アルジ「そうだな」
アルジは声を張る。
砂浜に立っているガシマとオンダクに。
アルジ「早く行こうぜ!実験跡はあっちだろ!」
ガシマとオンダクは密かに言葉を交わす。
アルジたちの方へ歩きながら。
オンダク「さっきのあいつの攻撃、見たか?」
ガシマ「ああ。一切の恐れもためらいもない。
未知の魔獣に突っ込んでいきやがった。
…オレにも分かった。魔獣がそこにいると。
だが、すぐには動けなかった。そして…
オレが動く前に…あいつが動いた。
しかも、一撃で倒してみせた…」
オンダク「見事なものだ。反応も度胸も技術も」
ガシマ「合格か、不合格か。
どうやらそんな審査…
やってる場合じゃねえようだ…」
オンダク「そのようだな。
後ろで見ていると…持っていかれるな。
今回の獲物、全部あいつらに倒される」
ガシマ「はははは…。そいつは最悪だ。
大前隊として…なめられるわけにはいかねえ。
こいつは…出し惜しみしてる場合じゃねえ。
あれを見せてやるとするか…」
オンダク「そうだな。やるしかないだろう」
うなずき合う2人。
アルジ「何話してたんだ?なんか作戦か?」
ガシマ「大したことじゃねえ。行くぞ!!」
アルジたちは進む。
砂浜から島の中心に向かって。
林の中を歩いていく。
実験跡の凹みに向かって。
草むらを踏み分けて進む。
アルジ「道だ!」
観光客のため、かつて整備された歩道。
アルジたちはその上を歩く。
いくらか草が生えてはいる。
だが、かなり歩きやすい。
エミカが立ち止まる。
エミカ「来る」
アルジ「…いた。あれか」
エミカ「左の方からも」
全部で5頭。
オオアオギツネがやってくる。
草木の陰に身を潜め、忍び寄ってくる。
強力な魔波を発しながら。
そのとき。
アルジ&エミカ「……!」
後ろで放たれた鋭い魔波。
アルジとエミカは驚いた。
ガシマの斧が熱い炎に包まれている。
オンダクの槍が硬い岩に覆われている。
魔術技の準備が整った。
そして、向かっていく。
アルジとエミカを追い越して。
ガシマが先頭のオオアオギツネに斬りかかる。
ガシマ「はあっ!!」
大火炎車が決まる。
◇ オオアオギツネBに9497のダメージ。
◇ オオアオギツネBを倒した。
今度はオンダクが攻撃する。
オンダク「おらっ!!!
岩撃槍が命中する。
◇ オオアオギツネCに8851のダメージ。
◇ オオアオギツネCを倒した。
さらに彼らは前進し、魔術技を繰り出した。
ガシマ「行けえ!!!!」
横に並んだ2頭を燃え盛る斧の刃で斬る。
傷口から炎の熱が伝わり、広がっていく。
体の奥へ、さらに奥へ。
その熱は体の臓器に致命的な損傷を与える。
◇ オオアオギツネDに9725のダメージ。
◇ オオアオギツネEに9100のダメージ。
◇ オオアオギツネD、Eを倒した。
5頭のうちの最後の1頭。
オンダクが岩撃槍で仕留める。
オンダク「食らえ!!」
突き出した槍の先端。
そこから飛び出す巨大な岩の刃。
魔獣の体を大きく深く引き裂いて突き飛ばす。
◇ オオアオギツネFに9948のダメージ。
◇ オオアオギツネFを倒した。
アルジとエミカの方を見て彼らは言う。
ガシマ「どうだ?」
オンダク「これが大前隊、三頭の実力だ」
アルジ&エミカ「………」
エミカ「すごい…」
アルジ(ミシダムの吹雪の舞もすごかった。
カクノオウの雷神剣も恐ろしかった。
でも、2人の技の完成度は…次元が違う!
魔術と技が一体となって…
威力を跳ね上げている!
ここまで技を磨くのにどんな訓練をしたんだ。
オレも…あんなふうに技を…!)
再びアルジたちは歩き出す。
島の中心に向かって。
オオアオギツネが集まってくる。
ぞろぞろと。
前方から。
後方からも。
エミカ「前に8頭…」
ガシマ「後ろにも8頭…」
アルジ「オレは前の連中をやる」
エミカ「私も」
ガシマ「ならオレたちは…」
オンダク「後ろだな」
武器を手にそれぞれ動き出す。
アルジ「うおお!!行くぜ!!剛刃波状斬撃!!」
◇ オオアオギツネGに9927のダメージ。
◇ オオアオギツネHに9846のダメージ。
◇ オオアオギツネIに9531のダメージ。
◇ オオアオギツネG〜Iを倒した。
エミカ(アルジ…
さっきの魔術技に刺激を受けたみたいだ。
明らかに調子が上がった。
それなら、私も!)
エミカは王氷を繰り出した。
◇ オオアオギツネJに8281のダメージ。
◇ オオアオギツネKに8566のダメージ。
◇ オオアオギツネLに8796のダメージ。
◇ オオアオギツネMに8804のダメージ。
◇ オオアオギツネNに8582のダメージ。
◇ オオアオギツネJ〜Nを倒した。
ガシマ(強い…!!こいつら!!本当に強い!!
これならオオトノラコアを倒せるわけだ!!
昨日の魔獣もあれだけ倒せたわけだ!!)
オンダク(これまでの任務で…
ともに戦っていて…
これほど心強い仲間がいただろうか…?)
ガシマ(こいつらなら任せられる。
頼りにできる!
どんなに強い敵が出てきたとしても…
こいつらならきっと倒してくれる…!
そう思わせる!この感じは…まるで…!)
オンダク(…あの2人だ。
…今までにたった2人。いた!
限界まで鍛えたはずが…
嫌でも戦力の差を思い知る…!
この感覚…この感覚はそうだ…!
まるであいつらがここにいるかのようだ!)
後方の8頭が近づいてくる。
ガシマとオンダクも攻撃を繰り出す。
大火炎車が敵を裂いて焦がす。
岩撃槍が敵を突き破る。
ガシマ「はあ!!」
◇ オオアオギツネOに9937のダメージ。
◇ オオアオギツネPに9894のダメージ。
◇ オオアオギツネO、Pを倒した。
大きく振り抜き、斬りつけた。
オンダク「せい!!!」
◇ オオアオギツネQに9137のダメージ。
◇ オオアオギツネQを倒した。
狙いを定め、構えて、突く。
オンダク「でえい!!!!」
◇ オオアオギツネRに8758のダメージ。
◇ オオアオギツネRを倒した。
駆けるガシマ。
鋭い牙、爪の攻撃をかわす。
燃え上がる斧を大きく横に振り、一気に倒す。
ガシマ「らあ!!!」
◇ オオアオギツネSに9157のダメージ。
◇ オオアオギツネPに8863のダメージ。
◇ オオアオギツネS、Pを倒した。
さらに、オンダクが動く。
オンダク「ぬん!!!!!」
◇ オオアオギツネQに8431のダメージ。
◇ オオアオギツネQを倒した。
最後の1頭。
ガシマが斧に炎を宿らせて襲いかかる。
だが。
ガシマ「ぐおっ!!!」
オンダク「ガシマ!!!!」
アルジ「!!!」
ガシマは腹をかまれた。
激しく揺すられ、振り落とされる。
地面に叩きつけられた。
◇ ガシマに1639のダメージ。(HP2178→539)
頭に受けた衝撃で気を失いかける。
すぐに立ち上がれない。
ガシマ「くっ…そ…!!!!」
エミカ(ここからじゃ…だめだ!
王火も王氷も危なくて使えない!)
そこへさらなる牙の攻撃。
オオアオギツネはガシマの頭にかみつく。
オンダクが走って槍を突き出そうとする。
だが、間に合わない。
オンダク「クソッ!!!」
そのときだった。
オンダクの横を駆け抜ける1つの影。
風を巻き起こし、ガシマの元へ。
オンダク「!!?」
アルジだった。
勇気の剣が光を放つ。
その刃は激しい雷光をまとっていた。
アルジ「食らえっ!!!」
そのまま振り下ろす。
雷撃が、斬撃がオオアオギツネの腹を裂いた。
オオアオギツネ「ぐぉぉおおん…!!!!」
◇ オオアオギツネRに12095のダメージ。
◇ オオアオギツネRを倒した。
◇ アルジたちは戦いに勝利した。
エミカ「アルジ…!!」
アルジはガシマの腕をつかみ、引っ張り上げた。
ガシマは大きくよろめきながら立ち上がる。
オンダク「………」
アルジ「大丈夫か?」
ガシマ「ああ…すまん…」
アルジ「エミカ!!手当を頼む!!」
エミカは駆けつけて再生魔術を使った。
◇ ガシマはHPが全回復した。(HP539→2178)
ガシマ「…助かるぜ。ありがとう。エミカ」
エミカ「気にするな。いくらでも治すから。
それよりも…アルジ…」
アルジ「おう。できたぜ」
オンダク「実戦だとマシになる…か」
エミカ「………」
アルジ「…?」
オンダク「昨日のエミカの言葉だ。
カルスの上で言ってただろ」
ガシマ「…間違っちゃいなかったな」
アルジ「そうだろ。
エミカの言葉に間違いはないんだぜ」
エミカ「アルジ…」
アルジ「敵の数は間違えるけどな」
エミカはアルジの背中を強めに叩く。
驚くアルジ。
アルジ「…うおっ!?」
エミカ「魔術技の習得、おめでとう」
アルジ「手荒い祝福だな」
◇ アルジは雷刃剣を習得した。
そして、アルジたち4人はたどり着く。
縁環島の中心部。
遥か昔、軍事実験が行われた場所に。
◇◇ ステータス ◇◇
◇ アルジ ◇
◇ レベル 30
◇ HP 3603/3603
◇ 攻撃
47★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★
◇ 防御
38★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
45★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★
◇ 魔力 13★★★★★★★★★★★★
◇ 装備 勇気の剣、雅繊維戦衣
◇ 技 円月斬り、剛刃波状斬撃、朔月斬り、
雷刃剣
◇ 魔術 雷動
◇ エミカ ◇
◇ レベル 26
◇ HP 2234/2234
◇ 攻撃 10★★★★★★★★★★
◇ 防御
30★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
30★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★
◇ 魔力
46★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★
◇ 装備 天界石の杖、濃色魔術衣
◇ 魔術 火球、火砲、火樹、火海、王火
氷弾、氷柱、氷乱、氷渦、王氷
雷弾、雷砲、雷柱、王雷
岩弾、岩砲、岩壁、王岩
光玉、治療魔術、再生魔術
◇ ガシマ ◇
◇ レベル 33
◇ HP 2178/2178
◇ 攻撃
36★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 防御
27★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★
◇ 素早さ
30★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★
◇ 魔力 10★★★★★★★★★★
◇ 装備 練磨の大斧、金剛武道着
◇ 技 激旋回斬、大火炎車
◇ 魔術 火弾、火砲
◇ オンダク ◇
◇ レベル 35
◇ HP 2841/2841
◇ 攻撃
28★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★
◇ 防御
39★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
19★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力 9★★★★★★★★★
◇ 装備 竜牙の長槍、超重装甲
◇ 技 竜牙貫通撃、岩撃槍
◇ 魔術 岩弾、岩壁
◇ 持ち物 ◇
◇ 治療魔術薬 10、魔力回復薬 15
◇◇ 敵ステータス ◇◇
◇ オオアオギツネ ◇
◇ レベル 31
◇ HP 6868
◇ 攻撃
26★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★
◇ 防御
28★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★
◇ 素早さ
22★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★
◇ 魔力
25★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★
◇ 技 強牙撃
◇ 魔術 火弾、火砲、火牙




