表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルジ往戦記  作者: roak
214/300

第214話 祝福

砂浜に降り立ったアルジたち。

エミカはカルスをしまった。

砂浜を見回してガシマは考える。


ガシマ「これはどういうことだ?」

アルジ&エミカ&オンダク「………」


そこには大量の死骸が散乱。

どれもヒレダヌキのもの。

それらはいずれも腹部を食われていた。


エミカ「…捕食者がいる。この島に」

オンダク「そういうことだな」

ガシマ「逃げてきたってわけか」

アルジ「逃げてきた…?」

ガシマ「昨日、ドノカ町にいた魔獣だ。

 この島から逃げてきたんだろ。

 この島にいる…あいつらの天敵から…」

アルジ「………」

オンダク「町を襲うためじゃない。

 昨日の魔獣どもは…逃れるため島を出た。

 泳いで近くの陸地に向かった。そして…」

ガシマ「ドノカ町に行き着いた」

アルジ「そういうことか!」

ガシマ「多分な」

オンダク「となると、こいつらを食ったのは…

 ガムヤラトラゾウか?」

ガシマ「どうだろうな。

 エミカ、魔獣の気配はどうだ?」

エミカ「そんなに多くはないと思う。

 だけど…昨日よりもずっと強い。

 1体1体の魔獣が持つ魔力は」

オンダク「そうか。注意して進むとしよう」

ガシマ「半日もあればぐるっと回れる島だ。

 1体1体確実に潰していこう」


そのときだった。

微かな物音が聞こえる。

林の中に身を潜めていた魔獣。

それが動き出そうとしていた。

島にやってきたアルジたちを狙って。

最初に反応して動いたのはアルジ。

見つけ出して走り出す。

林の中へ駆け込んで剣で斬りかかる。

牙をむき、襲いかかろうとするその魔獣に。

力強く剣を振り下ろす。

頭を縦に深く斬る。

ドサリと大きな音を立てて倒れる魔獣。


アルジ「…でかいな」


◇ オオアオギツネAに8276のダメージ。

◇ オオアオギツネAを倒した。

深い青色の体毛。

三角形のとがった耳。

円錐状の突き出た鼻。

放射状に伸びた硬いヒゲ。

耳元まで釣り上がった目。

そして、長い四肢の細身の巨体。

魔獣の名前は、オオアオギツネ。

エミカがアルジの元へ。


エミカ「この魔獣…魔力が高い」

アルジ「あと何頭いる?この島に」

エミカ「10頭くらいはいる」

アルジ「そうか」

エミカ「ついさっきまで近くにいなかった。

 気配を感じ取ってここへやって来たんだ。

 素早く…音も立てずに…」

アルジ「気配か…」

エミカ「私たちの立てる音とか体温とか…

 あるいは…私たちの魔波を感じ取った…」

アルジ「敵の力もかなりのものってわけだ」

エミカ「ああ。油断できない。

 気がついたら囲まれてる…

 そんなこともあるかもしれない」

アルジ「そうだな」


アルジは声を張る。

砂浜に立っているガシマとオンダクに。


アルジ「早く行こうぜ!実験跡はあっちだろ!」


ガシマとオンダクは密かに言葉を交わす。

アルジたちの方へ歩きながら。


オンダク「さっきのあいつの攻撃、見たか?」

ガシマ「ああ。一切の恐れもためらいもない。

 未知の魔獣に突っ込んでいきやがった。

 …オレにも分かった。魔獣がそこにいると。

 だが、すぐには動けなかった。そして…

 オレが動く前に…あいつが動いた。

 しかも、一撃で倒してみせた…」

オンダク「見事なものだ。反応も度胸も技術も」

ガシマ「合格か、不合格か。

 どうやらそんな審査…

 やってる場合じゃねえようだ…」

オンダク「そのようだな。

 後ろで見ていると…持っていかれるな。

 今回の獲物、全部あいつらに倒される」

ガシマ「はははは…。そいつは最悪だ。

 大前隊として…なめられるわけにはいかねえ。

 こいつは…出し惜しみしてる場合じゃねえ。

 あれを見せてやるとするか…」

オンダク「そうだな。やるしかないだろう」


うなずき合う2人。


アルジ「何話してたんだ?なんか作戦か?」

ガシマ「大したことじゃねえ。行くぞ!!」


アルジたちは進む。

砂浜から島の中心に向かって。

林の中を歩いていく。

実験跡の凹みに向かって。

草むらを踏み分けて進む。


アルジ「道だ!」


観光客のため、かつて整備された歩道。

アルジたちはその上を歩く。

いくらか草が生えてはいる。

だが、かなり歩きやすい。

エミカが立ち止まる。


エミカ「来る」

アルジ「…いた。あれか」

エミカ「左の方からも」


全部で5頭。

オオアオギツネがやってくる。

草木の陰に身を潜め、忍び寄ってくる。

強力な魔波を発しながら。

そのとき。


アルジ&エミカ「……!」


後ろで放たれた鋭い魔波。

アルジとエミカは驚いた。

ガシマの斧が熱い炎に包まれている。

オンダクの槍が硬い岩に覆われている。

魔術技の準備が整った。

そして、向かっていく。

アルジとエミカを追い越して。

ガシマが先頭のオオアオギツネに斬りかかる。


ガシマ「はあっ!!」


大火炎車が決まる。

◇ オオアオギツネBに9497のダメージ。

◇ オオアオギツネBを倒した。

今度はオンダクが攻撃する。


オンダク「おらっ!!!


岩撃槍が命中する。

◇ オオアオギツネCに8851のダメージ。

◇ オオアオギツネCを倒した。

さらに彼らは前進し、魔術技を繰り出した。


ガシマ「行けえ!!!!」


横に並んだ2頭を燃え盛る斧の刃で斬る。

傷口から炎の熱が伝わり、広がっていく。

体の奥へ、さらに奥へ。

その熱は体の臓器に致命的な損傷を与える。

◇ オオアオギツネDに9725のダメージ。

◇ オオアオギツネEに9100のダメージ。

◇ オオアオギツネD、Eを倒した。

5頭のうちの最後の1頭。

オンダクが岩撃槍で仕留める。


オンダク「食らえ!!」


突き出した槍の先端。

そこから飛び出す巨大な岩の刃。

魔獣の体を大きく深く引き裂いて突き飛ばす。

◇ オオアオギツネFに9948のダメージ。

◇ オオアオギツネFを倒した。

アルジとエミカの方を見て彼らは言う。


ガシマ「どうだ?」

オンダク「これが大前隊、三頭の実力だ」

アルジ&エミカ「………」

エミカ「すごい…」

アルジ(ミシダムの吹雪の舞もすごかった。

 カクノオウの雷神剣も恐ろしかった。

 でも、2人の技の完成度は…次元が違う!

 魔術と技が一体となって…

 威力を跳ね上げている!

 ここまで技を磨くのにどんな訓練をしたんだ。

 オレも…あんなふうに技を…!)


再びアルジたちは歩き出す。

島の中心に向かって。

オオアオギツネが集まってくる。

ぞろぞろと。

前方から。

後方からも。


エミカ「前に8頭…」

ガシマ「後ろにも8頭…」

アルジ「オレは前の連中をやる」

エミカ「私も」

ガシマ「ならオレたちは…」

オンダク「後ろだな」


武器を手にそれぞれ動き出す。


アルジ「うおお!!行くぜ!!剛刃波状斬撃!!」


◇ オオアオギツネGに9927のダメージ。

◇ オオアオギツネHに9846のダメージ。

◇ オオアオギツネIに9531のダメージ。

◇ オオアオギツネG〜Iを倒した。


エミカ(アルジ…

 さっきの魔術技に刺激を受けたみたいだ。

 明らかに調子が上がった。

 それなら、私も!)


エミカは王氷を繰り出した。

◇ オオアオギツネJに8281のダメージ。

◇ オオアオギツネKに8566のダメージ。

◇ オオアオギツネLに8796のダメージ。

◇ オオアオギツネMに8804のダメージ。

◇ オオアオギツネNに8582のダメージ。

◇ オオアオギツネJ〜Nを倒した。


ガシマ(強い…!!こいつら!!本当に強い!!

 これならオオトノラコアを倒せるわけだ!!

 昨日の魔獣もあれだけ倒せたわけだ!!)

オンダク(これまでの任務で…

 ともに戦っていて…

 これほど心強い仲間がいただろうか…?)

ガシマ(こいつらなら任せられる。

 頼りにできる!

 どんなに強い敵が出てきたとしても…

 こいつらならきっと倒してくれる…!

 そう思わせる!この感じは…まるで…!)

オンダク(…あの2人だ。

 …今までにたった2人。いた!

 限界まで鍛えたはずが…

 嫌でも戦力の差を思い知る…!

 この感覚…この感覚はそうだ…!

 まるであいつらがここにいるかのようだ!)


後方の8頭が近づいてくる。

ガシマとオンダクも攻撃を繰り出す。

大火炎車が敵を裂いて焦がす。

岩撃槍が敵を突き破る。


ガシマ「はあ!!」


◇ オオアオギツネOに9937のダメージ。

◇ オオアオギツネPに9894のダメージ。

◇ オオアオギツネO、Pを倒した。

大きく振り抜き、斬りつけた。


オンダク「せい!!!」


◇ オオアオギツネQに9137のダメージ。

◇ オオアオギツネQを倒した。

狙いを定め、構えて、突く。


オンダク「でえい!!!!」


◇ オオアオギツネRに8758のダメージ。

◇ オオアオギツネRを倒した。

駆けるガシマ。

鋭い牙、爪の攻撃をかわす。

燃え上がる斧を大きく横に振り、一気に倒す。


ガシマ「らあ!!!」


◇ オオアオギツネSに9157のダメージ。

◇ オオアオギツネPに8863のダメージ。

◇ オオアオギツネS、Pを倒した。

さらに、オンダクが動く。


オンダク「ぬん!!!!!」


◇ オオアオギツネQに8431のダメージ。

◇ オオアオギツネQを倒した。

最後の1頭。

ガシマが斧に炎を宿らせて襲いかかる。

だが。


ガシマ「ぐおっ!!!」

オンダク「ガシマ!!!!」

アルジ「!!!」


ガシマは腹をかまれた。

激しく揺すられ、振り落とされる。

地面に叩きつけられた。

◇ ガシマに1639のダメージ。(HP2178→539)

頭に受けた衝撃で気を失いかける。

すぐに立ち上がれない。


ガシマ「くっ…そ…!!!!」

エミカ(ここからじゃ…だめだ!

 王火も王氷も危なくて使えない!)


そこへさらなる牙の攻撃。

オオアオギツネはガシマの頭にかみつく。

オンダクが走って槍を突き出そうとする。

だが、間に合わない。


オンダク「クソッ!!!」


そのときだった。

オンダクの横を駆け抜ける1つの影。

風を巻き起こし、ガシマの元へ。


オンダク「!!?」


アルジだった。

勇気の剣が光を放つ。

その刃は激しい雷光をまとっていた。


アルジ「食らえっ!!!」


そのまま振り下ろす。

雷撃が、斬撃がオオアオギツネの腹を裂いた。


オオアオギツネ「ぐぉぉおおん…!!!!」


◇ オオアオギツネRに12095のダメージ。

◇ オオアオギツネRを倒した。

◇ アルジたちは戦いに勝利した。


エミカ「アルジ…!!」


アルジはガシマの腕をつかみ、引っ張り上げた。

ガシマは大きくよろめきながら立ち上がる。


オンダク「………」

アルジ「大丈夫か?」

ガシマ「ああ…すまん…」

アルジ「エミカ!!手当を頼む!!」


エミカは駆けつけて再生魔術を使った。

◇ ガシマはHPが全回復した。(HP539→2178)


ガシマ「…助かるぜ。ありがとう。エミカ」

エミカ「気にするな。いくらでも治すから。

 それよりも…アルジ…」

アルジ「おう。できたぜ」

オンダク「実戦だとマシになる…か」

エミカ「………」

アルジ「…?」

オンダク「昨日のエミカの言葉だ。

 カルスの上で言ってただろ」

ガシマ「…間違っちゃいなかったな」

アルジ「そうだろ。

 エミカの言葉に間違いはないんだぜ」

エミカ「アルジ…」

アルジ「敵の数は間違えるけどな」


エミカはアルジの背中を強めに叩く。

驚くアルジ。


アルジ「…うおっ!?」

エミカ「魔術技の習得、おめでとう」

アルジ「手荒い祝福だな」


◇ アルジは雷刃剣らいじんけんを習得した。

そして、アルジたち4人はたどり着く。

縁環島の中心部。

遥か昔、軍事実験が行われた場所に。



◇◇ ステータス ◇◇

◇ アルジ ◇

◇ レベル 30

◇ HP   3603/3603

◇ 攻撃

 47★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★

◇ 防御

 38★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ

 45★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★

◇ 魔力  13★★★★★★★★★★★★

◇ 装備  勇気の剣、雅繊維戦衣がせんいせんい

◇ 技   円月斬り、剛刃波状斬撃、朔月斬り、

      雷刃剣

◇ 魔術  雷動


◇ エミカ ◇

◇ レベル 26

◇ HP   2234/2234

◇ 攻撃  10★★★★★★★★★★

◇ 防御

  30★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★

◇ 素早さ

  30★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★

◇ 魔力

  46★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★

◇ 装備  天界石の杖、濃色魔術衣

◇ 魔術  火球、火砲、火樹、火海、王火

      氷弾、氷柱、氷乱、氷渦、王氷

      雷弾、雷砲、雷柱、王雷

      岩弾、岩砲、岩壁、王岩

      光玉、治療魔術、再生魔術


◇ ガシマ ◇

◇ レベル  33

◇ HP   2178/2178

◇ 攻撃

 36★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 防御

 27★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★

◇ 素早さ

 30★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★

◇ 魔力  10★★★★★★★★★★

◇ 装備  練磨の大斧、金剛武道着

◇ 技   激旋回斬、大火炎車

◇ 魔術  火弾、火砲


◇ オンダク ◇

◇ レベル 35

◇ HP   2841/2841

◇ 攻撃

  28★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★

◇ 防御

  39★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ

  19★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力  9★★★★★★★★★

◇ 装備  竜牙の長槍、超重装甲

◇ 技   竜牙貫通撃、岩撃槍

◇ 魔術  岩弾、岩壁


◇ 持ち物 ◇

◇ 治療魔術薬 10、魔力回復薬 15


◇◇ 敵ステータス ◇◇

◇ オオアオギツネ ◇

◇ レベル 31

◇ HP   6868

◇ 攻撃

 26★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★

◇ 防御

 28★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★

◇ 素早さ

 22★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★

◇ 魔力

 25★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★

◇ 技   強牙撃

◇ 魔術  火弾、火砲、火牙

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ