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アルジ往戦記  作者: roak
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第20話 恋人

エミカは温泉に向かう。

アルジはミリに案内されて安息の間へ。

長い廊下をまっすぐ歩く。

途中で右に、左に、曲がる。

さらに廊下は続く。

いくつかの部屋の前を通り過ぎた。

ミリは立ち止まる。


挿絵(By みてみん)


ミリ「あんたの部屋はここ」

アルジ「おう、案内ありがとな」


部屋の戸を開ける。


アルジ「広い…!」


ふかふかの布団。

大きな座卓。

座卓の上には団子と茶。

鎧を脱ぎ、布団の上に寝転がる。

腹が鳴って起き上がる。

団子を食べて茶を飲んだ。

深緑色をしたその団子。

薬草が練り込まれていた。

茶も薬草を煎じたもの。


アルジ(…どっちも独特な苦味がある。

 でも、そんなに嫌いじゃないぜ…。

 むしろ慣れると癖になるかも)


再び布団の上に寝転がる。


アルジ(広くて静かで落ち着く部屋だ。

 安息の間…名前のとおりってわけだ)


しばらくすると部屋の外からエミカの声。


エミカ「上がったぞ」

アルジ「分かった」


アルジは部屋から出る。

エミカが立っていた。

彼女は離れの方向を指差す。


エミカ「温泉はあっちの方だ」


指差す先には、突き当たりの壁。


アルジ「…?」

エミカ「この廊下を曲がって…」

アルジ「…この館は広過ぎる。

 どうやって行けばいいか分からないぜ」

エミカ「………」

アルジ「案内してくれないか?」

エミカ「ああ…分かった」


エミカが離れまで案内した。

温泉は立派なものだった。

広くて温かくてくつろげた。

それはまるで旅館の風呂。


アルジ(こんな風呂があるのか…)


風呂を出て服を着る。

安息の間へ戻る。

だが、特にすることはない。


アルジ「どうするか…」


腹が鳴る。

団子はもうなかった。


アルジ(飯を食いたい…。

 エミカはどこにいるんだろう?)


アルジは部屋を出る。

廊下を歩いていると声が聞こえてきた。

部屋の中で言い争う声。

立ち止まって耳をそばだてる。

リネとエミカの声だった。


リネ「分かってる!!分かってるの!!

 そんなことは私だって…!

 私だって分かってるの!!」


ひどく感情的になっている様子だった。


エミカ「先生!!なら!どうして…!」

リネ「少し…!考えさせてちょうだい!!」

エミカ「先生…」

リネ「出ていって!!今は!出ていって!!

 私を1人にさせて!!」

エミカ「はい…」


部屋から出てくるエミカ。

アルジと目が合う。


エミカ「!!」

アルジ「何か…あったのか?」

エミカ「………」


首を横に振り、廊下を歩き出すエミカ。

彼女についていくアルジ。

長い廊下を2人で歩く。

無言のまま。

しばらくしてエミカは振り向く。

小声でアルジに打ち明けた。


エミカ「さっき、話してたんだ。

 先生に…マスタスのことを…」

アルジ「ああ」

エミカ「カクノオウの話もしたんだ。

 変態魔術で操られていたことも。

 そしたら、どんどん感情的になって…」

アルジ「そうだったのか」

エミカ「マスタスと先生は…」

アルジ「………」

エミカ「昔、恋人同士だったんだ」

アルジ「そうなのか」

エミカ「先生も分かってる。頭では」

アルジ「何を分かってるんだ?」

エミカ「決着をつけなければならないこと。

 マスタスを止めなければならないこと。

 先生も分かってるんだ。頭では」

アルジ「頭では…か」

エミカ「頭で分かっていても…

 今は心が追いつかない。

 そんな状態なんだと思う」

アルジ「心が…か」

エミカ「そうだ」

アルジ「未練があるってことか…?

 まだ…マスタスに…」

エミカ「ないと言ってる。先生は。

 はっきりと。でも…」

アルジ「…あるのか」

エミカ「………」


ミリがやってくる。


ミリ「エミカ、先生が呼んでる」

エミカ「ああ、分かった」

ミリ「ごめんね、お話の邪魔して」

エミカ「邪魔じゃない」

アルジ「……」

ミリ「あんたのことも呼んでたから」

アルジ「オレはおまけか」

ミリ「広間に来てね。

 なんかピリピリしてたからさ。

 早めに行った方がいいよ」

エミカ「分かった」


応接間へ行くと、リネが椅子に座っていた。

先ほどの叫び声から一転。

とても落ち着いている様子。


リネ「アルジさん、温泉はいかがでしたか?」

アルジ「ああ、最高だった」

リネ「そうですか。それはよかったです!

 お腹が空いていることでしょう。

 ノソノ屋を予約しておきました」

エミカ「!」

リネ「2人でお好きなものをお食べなさい」

アルジ「ノソノ屋…?」

エミカ「ノソノ屋は高級料理屋だ。

 滅多に行けるお店じゃない」

アルジ「そうなのか…!」

リネ「店主と昔からの知り合いなのです。

 食事代の心配はいりません。

 どうぞお好きなものを」

アルジ「い…いいのか…?」

リネ「ええ」

エミカ「ありがとうございます!」

アルジ「ありがとう!」

リネ「カクノオウとの戦い…。

 本当にお疲れ様でした。

 私からの労いです」

ミリ(いいな…)

エミカ「あの、先生は来ないのですか?」

リネ「ええ、私はちょっと用事があります。

 2人で楽しんできなさい」

エミカ「そうですか」

アルジ「行こうぜ」


アルジとエミカはノソノ屋へ向かう。

外へ出ると日は大きく傾いていた。

アルジたちが去ったあとの広間でリネは言う。


リネ「私たちも準備をしなければなりません」

ミリ「はい」

リネ「旅立ちの準備を…」

ミリ「分かりました」

リネ「これ以上増長させるわけにはいかない。

 北土の魔術師たちを…。マスタスを…。

 倒しましょう。アルジさん、エミカとともに」

ミリ「…はい!」



◆ ノソノ屋 ◆

上品な店構え。

美しい庭もある。

このような料理屋で食事をすること。

それは、アルジにとって初めてのこと。


アルジ「ここがノソノ屋…」

エミカ「素晴らしい料理が出てくる店だ」

アルジ「…来たことあるのか?」

エミカ「5回来たことがある」

アルジ「!!5回も来てんのか…!」



◇◇ ステータス ◇◇

◇ アルジ ◇

◇ レベル 8

◇ HP   347/347

◇ 攻撃  12★★★★★★★★★★★★

◇ 防御  6★★★★★★

◇ 素早さ 8★★★★★★★★

◇ 魔力  2★★

◇ 装備  勇気の剣、革の鎧

◇ 技   円月斬り、剛刃波状斬撃


◇ エミカ ◇

◇ レベル 6

◇ HP   192/192

◇ 攻撃  3★★★

◇ 防御  3★★★

◇ 素早さ 7★★★★★★★

◇ 魔力  9★★★★★★★★★

◇ 装備  術師の杖、術師の服

◇ 魔術  火球、火砲


◇ 持ち物 ◇

◇ 治療薬 8

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