第182話 花弁
エオクシたちは見つける。
地面の上を流れる赤い光の筋を。
エオクシ「これだな」
カタムラ「近くで見ると…
これまた不思議な光です。
光る塗料が垂らされたような…。
こんなものは見たことがありません。
この赤い光からも秘力を感じますから、
秘術の仕業なのは間違いないのですが」
光の筋は岩山を下り林の中へ伸びていた。
アヅミナ「これじゃカルスからだと見えないね」
カタムラ「そうですね」
マユノ「となると、林の中を歩くわけですね」
カエノ「林の中を歩く…。
避けては通れないようですね」
マユノ「…心して進みましょう」
カエノ&サヤノ「はい…!」
アヅミナ(緊張しちゃって)
岩山を下り、林の中を歩くエオクシたち。
赤い光の筋に沿って進む。
光の筋は木の根をくぐり、岩を越える。
なおも伸びる。
先頭はエオクシ。
カタムラがその後ろを歩く。
光術三姉妹が彼に続く。
最後尾はアヅミナ。
林の中は暗かった。
勢いよく歩くエオクシ。
彼は時折立ち止まって振り返る。
カタムラたちが追いつくのを待つ。
追いついてきたら、また歩き出す。
ちらちらと周囲を見ながら歩くカタムラ。
身を寄せ合って歩く光術三姉妹。
彼女たちから少し離れて歩くアヅミナ。
アヅミナ(いる。前にも、右にも、左にも。
魔獣がたくさんいる。
縄張りに入られて殺気立ってる。
いつ襲ってきてもおかしくない)
カタムラは息を飲む。
巨方庭に生息する樹木や草花に。
カタムラ(見たことのない草木ばかり。
おそらくはどれも太古に生きていたもの。
今はもう絶滅したものたち。
巨方庭では生き残っているのか。
外の影響を受けず、保たれているのだ。
これもまた秘術の力によるものなのか…)
エオクシ「お出ましだぜ」
カタムラ「…!」
剣を構えて立ち止まるエオクシ。
前方には大型の魔獣。
4頭のコダイオオカミが現れた。
その体は規格外に大きい。
長身のカタムラが見上げるような体高。
黒く硬い体毛に覆われている。
白く鋭い牙をむく。
低いうなり声は空気をビリビリと震わせて響く。
大きな丸い目を見開く。
とがった耳をピンと立て、威嚇する。
襲いかかってくる前にエオクシが動き出す。
先頭の1頭に狙いを定めて。
脚を斬る。
◇ コダイオオカミAに2908のダメージ。
腹を裂く。
◇ コダイオオカミAに5223のダメージ。
頭を割る。
◇ コダイオオカミAに11701のダメージ。
瞬く間に処理して見せた。
ほえる時間も与えない。
そんな速さで。
◇ コダイオオカミAを倒した。
エオクシ「大したことねえな」
激流のような斬撃を見て残り3頭はひるむ。
エオクシが前に進む。
後退りする2頭。
1頭はその場に踏みとどまる。
それに狙いを定めてエオクシは斬りかかる。
駆け出して天裂剣を見舞った。
頭部を下から斬り上げる。
◇ コダイオオカミBに7978のダメージ。
さらに勢いよく踏み込む。
胸部に刃を突き立てる。
◇ コダイオオカミBに10054のダメージ。
◇ コダイオオカミBを倒した。
倒れたコダイオオカミを踏み越える。
エオクシは進む。
剣を振り上げると残りの2頭は逃げ出した。
◇ エオクシたちは戦いに勝利した。
エオクシ「…悪いがここは譲れねえ。
オレたちも大事な任務で来てっからな…」
カタムラ「もはやどっちが猛獣か分かりませんね」
エオクシ「なんか言ったか!?」
カタムラ「いや、見事な技だったと…」
さらに林の中を歩き続ける。
赤い光の筋は途絶えない。
起伏に富んだ林の地面。
蛇行しながら光の筋は伸びている。
エオクシたちを巨方庭の西側へ導いていく。
マユノ「!!」
カタムラ「これはこれは…」
カエノ&サヤノ「……!」
アヅミナ「今度は少し大所帯みたい」
6人はコダイオオカミに囲まれていた。
周りを見れば、目につくだけで10頭ほど。
前にも横にも後ろにもいる。
エオクシの表情がにわかに険しくなる。
低いうなり声に包まれる。
エオクシ「アヅミナ、手伝ってくれ」
アヅミナ「了解」
先制攻撃を仕掛けたのは、アヅミナ。
杖を振って王氷を繰り出した。
強い冷気が放たれて渦を巻く。
◇ コダイオオカミAに7721のダメージ。
◇ コダイオオカミBに7903のダメージ。
◇ コダイオオカミCに7866のダメージ。
◇ コダイオオカミDに7524のダメージ。
◇ コダイオオカミEに7890のダメージ。
◇ コダイオオカミFに7223のダメージ。
◇ コダイオオカミGに7807のダメージ。
◇ コダイオオカミHに7809のダメージ。
◇ コダイオオカミIに7735のダメージ。
◇ コダイオオカミJに7672のダメージ。
◇ コダイオオカミKに7056のダメージ。
◇ コダイオオカミLに7519のダメージ。
◇ コダイオオカミMに7888のダメージ。
◇ コダイオオカミNに7127のダメージ。
◇ コダイオオカミOに7261のダメージ。
コダイオオカミたちは凍えて伏せる。
カエノ(強い…。マユノの王氷よりも数段上…)
マユノ(どうやって…ここまで…)
サヤノ(負けてられない…。私も…!)
カタムラ「寒い…!とても寒いです!!」
次にエオクシが動く。
林の中を駆け回り、斬っていく。
コダイオオカミの息の根を止める。
1頭、また1頭、急所を狙い、斬っていく。
◇ コダイオオカミAに12221のダメージ。
◇ コダイオオカミBに12998のダメージ。
◇ コダイオオカミCに11589のダメージ。
◇ コダイオオカミDに12004のダメージ。
◇ コダイオオカミEに12057のダメージ。
◇ コダイオオカミFに12900のダメージ。
◇ コダイオオカミGに12833のダメージ。
◇ コダイオオカミHに12760のダメージ。
◇ コダイオオカミIに11097のダメージ。
◇ コダイオオカミJに10971のダメージ。
◇ コダイオオカミKに11553のダメージ。
◇ コダイオオカミLに12987のダメージ。
◇ コダイオオカミMに11902のダメージ。
◇ コダイオオカミNに10998のダメージ。
◇ コダイオオカミOに11095のダメージ。
◇ コダイオオカミA〜Oを倒した。
◇ エオクシたちは戦いに勝利した。
最後の1頭を斬り終えたとき。
新たに4頭のコダイオオカミが現れる。
エオクシ「こりねえな…」
アヅミナが王氷を放とうと魔力を高めたとき。
サヤノが彼女の前に出る。
サヤノ「アヅミナさん、
下がっていてください。
あの4頭は…私がやります」
アヅミナ「どうぞ」
マユノ&カエノ「…!」
杖を握りしめるサヤノ。
やれるものならやってみて。
そう言いたげなアヅミナの顔。
サヤノの競争心を駆り立てる。
アヅミナ(昨日、泣いてたのが嘘みたい。
あなたはすっかり戦う術師の顔になった)
さらに近づく4頭。
いつ襲いかかってきてもおかしくない。
カエノ「サヤノ!」
サヤノ「心配いりません。必ず倒します」
マユノ(強い意志…。
今までにないサヤノの強い意志。
魔力が急激に高まっていく…)
エオクシは遠目で見ていた。
エオクシ「見せてもらうとするか」
サヤノ(私にできるだろうか)
サヤノの杖から強大な魔力。
その魔力の塊は巨大な岩に化けた。
コダイオオカミの頭上で。
そして、勢いよく落とされる。
◇ コダイオオカミAに4991のダメージ。
◇ コダイオオカミBに4348のダメージ。
◇ コダイオオカミCに4577のダメージ。
◇ コダイオオカミDに4662のダメージ。
押しつぶされて倒れ込むコダイオオカミたち。
マユノ(王岩…!)
カエノ(サヤノが…)
サヤノ「これじゃ足りない?なら、もう1度!」
立ち上がろうとするコダイオオカミたち。
そこへ王岩を再び落とす。
さっきより大きな岩を。
より速く。
◇ コダイオオカミAに8707のダメージ。
◇ コダイオオカミBに8655のダメージ。
◇ コダイオオカミCに8484のダメージ。
◇ コダイオオカミDに8219のダメージ。
◇ コダイオオカミA〜Dを倒した。
◇ エオクシたちは戦いに勝利した。
◇ サヤノはレベルが上がった。(レベル35→36)
◇ サヤノは王岩を習得した。
サヤノ「できた…」
アヅミナ「ほらね、化けた」
サヤノ「…アヅミナさん」
マユノ&カエノ「………」
岩が消え去ったあと。
サヤノは見つける。
そこに白く美しい花が咲いているのを。
サヤノ「あれは…」
近寄り、しゃがみ込み、花弁をそっとなでる。
マユノとカエノがサヤノのそばへ行く。
アヅミナも。
サヤノは立ち上がって3人の方を見て言う。
サヤノ「そういえば、忘れてしまいましたね」
マユノ「何?」
サヤノ「サジカナのお花です。
ソネヤさんが言ってた」
カエノ「庭に咲いたって花か」
サヤノ「はい。見せてもらうの忘れてました」
アヅミナ「任務が終わったら見せてもらおう」
マユノ&カエノ「………」
サヤノ「…はい」
アヅミナ「その花も…」
サヤノ「…これですか?」
アヅミナ「焼いてしまいたくなかった。
せっかく綺麗に咲いているのに。
あっちにも、そっちにも。…ね」
マユノ&カエノ&サヤノ「………」
アヅミナ「だから王氷にした」
マユノ&カエノ&サヤノ「………」
アヅミナ「それに王火で倒さなくても、
最後はエオクシが斬ってくれる。
あなたたちもこき使ってあげて。
あの人剣を振るの好きだから。
きっと喜んでくれる」
エオクシがカタムラを連れてやってくる。
エオクシ「聞こえてんぞ」
アヅミナ「………」
サヤノ「ふふ…」
マユノ「エオクシも…」
エオクシ「なんだ?」
マユノ「任務が終わったら、
一緒にお花を見ませんか?
ソネヤさんの庭のサジカナを」
エオクシ「ああ、オレはいいや。
花とかオレはいい」
アヅミナ「全然似合わないしね」
エオクシ「おめえな…
って、まあ、なんだ。見てこいよ。
見てえなら。オレは待っててやる。
カタムラさんは…」
カタムラ「私も遠慮しておきます」
エオクシ「だとよ。
4人で好きなだけ見てこいよ。
起動装置さえ壊しちまえば、
急ぐこともねえんだからな」
マユノ「…そうですか。
なら、そうさせてもらいましょう」
エオクシたち6人は再び林を歩き始める。
赤い光の筋をたどって。
やがて奥の方に見えてくる。
物々しい形の建造物が。
◇◇ ステータス ◇◇
◇ エオクシ ◇
◇ レベル 37
◇ HP 3692/3692
◇ 攻撃
49★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★
◇ 防御
44★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★
◇ 素早さ
46★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★
◇ 魔力
◇ 装備 壮刃剣、戦究防護衣
◇ 技 天裂剣、地破剣
◇ アヅミナ ◇
◇ レベル 35
◇ HP 404/404
◇ 攻撃 1★
◇ 防御 2★★
◇ 素早さ
40★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力
47★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★
◇ 装備 大法力の魔杖、漆黒の術衣
◇ 魔術
火弾、火矢、火球、火砲、火羅、火嵐、王火
氷弾、氷矢、氷球、氷刃、氷柱、氷舞、王氷
暗球、精神操作、五感鈍化、魔病感染、
酷死魔術
◇ マユノ ◇
◇ レベル 36
◇ HP 1176/1181
◇ 攻撃 4★★★★
◇ 防御
18★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
31★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★
◇ 魔力
42★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★
◇ 装備 蒼天想の魔杖、来陽の魔道衣
◇ 魔術 氷弾、氷柱、氷裂、氷波、王氷
光玉、治療魔術、再生魔術、蘇生魔術
◇ カエノ ◇
◇ レベル 35
◇ HP 1084/1103
◇ 攻撃 3★★★
◇ 防御
20★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
28★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★
◇ 魔力
44★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★
◇ 装備 超放気の魔杖、連星の魔道衣
◇ 魔術 雷弾、雷砲、雷破、雷花、王雷
氷弾、氷矢
光玉、治療魔術、再生魔術、蘇生魔術
◇ サヤノ ◇
◇ レベル 36
◇ HP 953/961
◇ 攻撃 1★
◇ 防御 11★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
34★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力
43★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★
◇ 装備 清化印の魔杖、光心の魔道衣
◇ 魔術 岩弾、岩砲、王岩
雷弾、雷槍
光玉、治療魔術、再生魔術、蘇生魔術
◇ カタムラ ◇
◇ レベル 16
◇ HP 766/766
◇ 攻撃 7★★★★★★★
◇ 防御 9★★★★★★★★★
◇ 素早さ
17★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力 14★★★★★★★★★★★★★★
◇ 秘力 3★★★
◇ 装備 魔鉱石の短剣、秘術道具(空球)、
探検用強化研究衣
◇ 魔術 光玉、治療魔術
◇ 秘術 青珠
◇ 持ち物 ◇
◇ 活汁 100、魔力回復薬 100
◇◇ 敵ステータス ◇◇
◇ コダイオオカミ ◇
◇ レベル 35
◇ HP 8443
◇ 攻撃
32★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★
◇ 防御
31★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
36★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力 1★
◇ 秘力 7★★★★★★★
◇ 技 鋭怪爪牙