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アルジ往戦記  作者: roak
177/300

第177話 返答

◆◆ 現在 ◆◆

◆ ナクサ 公園 ◆

ガシマは任務について明かした。


ガシマ「ノイ地方に魔獣が出現した」

アルジ&エミカ「………」

ガシマ「魔獣の名前はガムヤラトラゾウ。

 遥か昔、大陸を荒らし回った古代獣だ」

アルジ「そいつを倒しに行くのか?」

ガシマ「そうだ。これから現地へ行く。

 一緒に来い。オレたちとともに戦え」

アルジ「お前たちと…」


小さな声でエミカが言う。


エミカ「アルジ」

アルジ「どうした?」

エミカ「渡りに船とはこのことじゃないか」

アルジ「渡りに船か」

ガシマ(…お前たちは逃げない。

 やるだろ?古代獣退治を…!)

エミカ「…行こう」

アルジ「だけど…」



◆◆ 昨夜 ◆◆

◆ 都 シノ姫の間 ◆

シノ姫はガシマとオンダクに話した。


シノ姫「ノイ地方に縁環島という島があります」

ガシマ「縁環島…」

オンダク(…古代遺跡のある島か)

シノ姫「遥か昔、古代王国の時代。

 危険な実験が数知れず行われたそうです。

 そして、その影響が今も残っている…

 と言われています。影響とは何か?

 大昔から続く影響とは、何でしょう」

ガシマ「さぁ…」

オンダク「…分かりません」

シノ姫「秘力…。

 秘力によって汚染された土壌です」

ガシマ「秘力…」

オンダク「汚染…?」

シノ姫「そこに魔獣が住み着いた」


少し間を置いて彼女は話を続ける。


シノ姫「魔獣は秘力を吸い上げている。

 縁環島の汚染された土壌から。

 日に日に強くなっているらしい。

 ノイ府の防衛隊からの報告によれば。

 彼らの報告書に秘力なんて言葉はない。

 だけど、分かる。私にはね。分かる。

 土から何かを吸い上げて強くなる獣。

 縁環島で。吸い上げているのは何?

 答えは、秘力。簡単。

 その魔獣がね…このまま成長を続けたら…

 数日以内に手がつけられなくなるだろう…

 とのことです」

ガシマ&オンダク「………」

シノ姫「…叩いてくれる?そいつがのさばる前に」

ガシマ&オンダク「はっ!!」

シノ姫「ノイ地方は三等領土。

 されど、放置はできません。

 魔獣が島から出ないうちに…

 あなたたちが叩いてくれれば…

 大陸中の民が喜んでくれることでしょう」

ガシマ&オンダク「はっ!!!」

シノ姫「あなたたちの失態も…

 なかったことにしましょう」

ガシマ&オンダク「はっ!!!!!」



◆◆ 現在 ◆◆

◆ ナクサ 公園 ◆

アルジは問いかけた。


アルジ「どういう風の吹き回しだ?」

ガシマ&オンダク「………」

アルジ「あのときは…

 オレたちを捕まえようとして、

 今度は一緒に戦おうなんて、

 どういうつもりなんだ?

 一体何を考えてるんだ?

 魔獣の話も…怪しいもんだぜ」

オンダク「こいつめ…」

ガシマ「くく…」


小さな声でエミカが言う。


エミカ「アルジ」

アルジ「…なんだ?」

エミカ「古代獣との戦いは命がけだ」

アルジ「ああ…」

エミカ「彼らがともに戦ってくれるなら、

 心強いじゃないか」

アルジ「確かにそうだけど…」



◆◆ 昨夜 ◆◆

◆ 都 シノ姫の間 ◆

シノ姫は懐から小さな物体を取り出す。

それをそっと床に置く。

蝶のような形をした小さなその物体。

それは、合離蝶。


シノ姫「第3885号」

ガシマ&オンダク「……?」

シノ姫「二隊のゼナクという男。

 彼がオオトノラコアの狩場で渡した。

 アルジとエミカに。1匹の合離蝶を。

 3885っていうのは、その番号」


次に、彼女は幻印を取り出す。

先端に赤い光が灯る。

それをそっと合離蝶に押し当てる。

合離蝶の光は次第に弱くなり、消えた。

シノ姫は幻印をしまう。

合離蝶をつまみ上げる。


シノ姫「これ…持っていって」

ガシマ「それは…」

シノ姫「宙に放れば、2人の元へ飛んでいく」

オンダク「もしや…シノ姫様…」

シノ姫「ええ。

 もう1つ…任務をあなたたちに与えます」

ガシマ&オンダク「………」

シノ姫「見極めてちょうだい。彼らの実力を。

 あなたたちが…彼らとともに魔獣と戦って…

 見極めてちょうだい」

ガシマ&オンダク「………」

シノ姫「言葉はいらない。マルか…バツか…。

 それだけでいい。

 合離蝶で私に知らせてくれる…?」

ガシマ&オンダク「はっ!!!」



◆◆ 現在 ◆◆

◆ ナクサ 公園 ◆

アルジはさらに問いかけた。


アルジ「懸賞金はいつ持ってくるんだ?」

ガシマ&オンダク「………」

アルジ「オレたちは、とうとう金が尽きた。

 飯を食うための金もない。それでさらに…

 オレたちにタダ働きしろって言うのか?」


ガシマは首を横に振って答えた。


ガシマ「用意してるところだ」

アルジ「…何?」

ガシマ「決して少額の金ではないからな。

 よく確認して準備してるんだ。

 数え間違いとかがないように」

アルジ「そうなのか…?」

ガシマ「それにお前もよく知ってるだろうが、

 古代獣の関係で政府は非常に慌ただしい。

 お前たちのために金を渡すことよりも

 民の命が、大陸の平和が大切なのだ。

 だから、今すぐには渡せない。

 もう少し待て。必ずお前たちの手元に行く。

 それまで待ってくれ」

アルジ「そうか…!」

ガシマ(ちょろいもんだぜ)

アルジ「でも待ってくれ!!

 オレたちはもう…」

オンダク「金の心配はいらん」

アルジ「…え?」

オンダク「同行中はオレたちが面倒見てやる」

アルジ「…本当か!?」

オンダク「安心しろ」

アルジ「…なんでだ?」

ガシマ&オンダク「………」

アルジ「なんで…オレたちにそこまでする?」

ガシマ「はっ…決まってんだろ」

オンダク「いちいち聞くんじゃねえ」

アルジ「…は?」

オンダク「理由は1つ」

ガシマ「お前たちの力を見込んでいるからだ」

アルジ&エミカ「………」


アルジは勇気の剣を強く握った。


アルジ(三頭の…ガシマが…オンダクが…

 そうか…分かってくれたか!そうだ!!

 オレは強い!!エミカも強い!!)


ニヤリと笑うアルジ。


ガシマ&オンダク「………」


エミカがそっとアルジの腕をつかむ。

小さな声で呼びかける。


エミカ「アルジ」

アルジ「おう」

エミカ「覚悟は決まったか?」

アルジ「ああ、決まったぜ」

エミカ「ふふ…いいだろう」

アルジ「エミカは?」

エミカ「私はずっと決まっていた」

アルジ「…そうか」

エミカ「アルジ、往戦だ」

アルジ「………」

エミカ「とどまるな。敵を待つな。

 自分から踏み出せ。

 そして、戦え。往戦だ。アルジ」

アルジ「ああ、そうだな。往戦しよう」

エミカ「それがいいよ」


ガシマが問いかける。


ガシマ「会議は終わったか?」

アルジ「…ああ、終わったぜ」

ガシマ「行くか、行かないか。返答は?」

アルジ「…行く!」

ガシマ「よし!」

オンダク(オオトノラコアを倒した力…。

 この目で確かめさせてもらうぞ)


◇ ガシマが仲間になった。

◇ オンダクが仲間になった。

アルジはふと気になって聞いてみた。


アルジ「さっき言ってたけど、

 これから行くんだよな?ノイ地方に…」

ガシマ「ああ、そうだ」

アルジ「どうやって行くんだ?

 船でも2、3日かかるらしいけど…」

ガシマ「安心しろ」


ガシマは懐から小さな物体を取り出す。

それは、黒い髪飾りのように見える。


ガシマ「オレたちにはこいつがある」

アルジ「それは…」

オンダク「飛行型魔生体カルスだ。

 丸一日かけて飛べば、着くだろう」

アルジ「うおお、すげえぜ…!」


エミカが問いかける。


エミカ「…待て。誰がそれを動かすんだ?」

ガシマ「…あ?」

オンダク「誰って…」

アルジ「………」


3人でエミカを見る。


エミカ「……?」

ガシマ「お前が動かすんだよ」

オンダク「決まってんだろ」

エミカ「え…!」

アルジ「頼むぜ!」

エミカ「えーーー!!!」



◇◇ ステータス ◇◇

◇ アルジ ◇

◇ レベル 30

◇ HP   3603/3603

◇ 攻撃

 47★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★

◇ 防御

 38★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ

 45★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★

◇ 魔力  13★★★★★★★★★★★★

◇ 装備  勇気の剣、雅繊維戦衣がせんいせんい

◇ 技   円月斬り、剛刃波状斬撃、朔月斬り

◇ 魔術  雷動


◇ エミカ ◇

◇ レベル 26

◇ HP   1883/2234

◇ 攻撃  10★★★★★★★★★★

◇ 防御

  30★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★

◇ 素早さ

  30★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★

◇ 魔力

  46★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★

◇ 装備  天界石の杖、濃色魔術衣

◇ 魔術  火球、火砲、火樹、火海、王火

      氷弾、氷柱、氷乱、氷渦、王氷

      雷弾、雷砲、雷柱、王雷

      岩弾、岩砲、岩壁、王岩

      光玉、治療魔術、再生魔術


◇ ガシマ ◇

◇ レベル  33

◇ HP   2178/2178

◇ 攻撃

 36★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 防御

 27★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★

◇ 素早さ

 30★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★

◇ 魔力  10★★★★★★★★★★

◇ 装備  練磨の大斧、金剛武道着

◇ 技   激旋回斬、大火炎車

◇ 魔術  火弾、火砲


◇ オンダク ◇

◇ レベル 35

◇ HP   2841/2841

◇ 攻撃

  28★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★

◇ 防御

  39★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ

  19★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力  9★★★★★★★★★

◇ 装備  竜牙の長槍、超重装甲

◇ 技   竜牙貫通撃、岩撃槍

◇ 魔術  岩弾、岩壁


◇ 持ち物 ◇

◇ 治療魔術薬 10、魔力回復薬 15

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