第172話 目的
ヤマタンは立ち上がる。
ヤマタン「オレの話はこんなところだ」
アルジ「いい話が聞けた。ありがとう」
エミカ「ありがとうございました」
ヤマタン「そうかい」
そして、アルジとエミカも立ち上がる。
ヤマタンは剣を握りしめて言った。
ヤマタン「さてと…次だ!」
アルジ「次…?」
ヤマタン「古代獣退治だ。
覇獣級は全部で6体。
オオトノラコアはお前たちが倒しただろ」
アルジ「ああ」
ヤマタン「コノマノヤタラズマ。
こいつもさっき倒した」
アルジ「あんたがな」
ヤマタン「いや、お前たちだ」
アルジ「いや…」
エミカ「私たち3人で倒した。
それでいいんじゃないか」
アルジ「…ああ」
ヤマタン「それでもいい。
3人で倒した。懸賞金も三等分だ」
アルジ(懸賞金はいつもらえるんだろう…?)
ヤマタン「大陸猟進会も1体倒した。
お前たちがオオトノラコアを倒す前に」
アルジ「コイナミさんから聞いた」
ヤマタン「トケノタカヒカヤという古代獣だ。
こいつはオレたちの作戦が成功した。
動きを封じて無傷で仕留めた。
6体のうち3体はすでに倒した。さて…」
アルジ「残り3体か」
ヤマタン「そうだ。
オレはコズマの国へ向かう。
向こうの連合狩猟隊と合流して
古代獣を狩る予定だ」
アルジ「どんな古代獣なんだ?」
ヤマタン「名前は、ヤノエノゴザサラシ。
こいつは今まで倒した3体とは違う。
強い技ぶっ放せばいいってもんじゃねえ。
騙し、騙されの心理戦。
とにかく根気がいる狩りだ」
アルジ(どんな古代獣なんだ…?)
ヤマタン「早く戻ってやらなきゃな。
今頃コズマの国首もカンカンだろうよ!
ハハハハハハ!」
エミカ「アルジ、私たちも行かないか?」
アルジ「そうだな。オレたちも行くぜ」
ヤマタン「来なくていい」
アルジ&エミカ「?」
ヤマタン「気持ちは嬉しいが、
お前たちのやるべきことをやれ。
星の秘宝を取り返す。
それが旅の目的だろ」
アルジ「ああ」
ヤマタン「獣退治してる場合じゃねえ。
ラグアとロニがどこで何してんのか。
調べて、探して、倒すこと。
こっちを優先すべきだろう」
アルジ「それはそうだけど…」
ヤマタン「星の秘宝を取り返せば
魔真体を阻止することにもなる」
アルジ&エミカ「………」
ヤマタン「古代獣との戦いは危険だ。
ちょっとした間違いで命を失いかねない。
コノマノヤタラズマで実感しただろ。
そんなわけで来なくていい。
お前たちの気持ちは嬉しいが。
それがオレの答えだ」
アルジ&エミカ「………」
アルジとエミカは考える。
アルジ(確かにそうだ。
安定の玉を取り返す。
それが旅の目的。
オレたちがやらなきゃならないこと。
いくら魔獣狩りがうまく行っても、
安定の玉を取り返せなかったら…
旅の意味がない。だけど…)
エミカ(魔獣狩りは旅の資金稼ぎのため。
オオトノラコアは倒した。
とりあえず懸賞金を待てばいい。
だから、お金の心配はしなくていい。
ラグアとロニを探すこと。
それに専念するのがいいのかも。
でも、手がかりがない。
人に聞いて回るっていっても…)
ヤマタンは少し笑って言う。
ヤマタン「そんなに思い悩むな。
オレは来なくていいと言っただけ。
別に来るなとまでは言ってねえ。
どうしても行くと言うなら拒まねえ。
どうする?」
アルジ「…手がかりだ」
ヤマタン「………」
アルジ「オレたちは知らない。
あいつらがどこにいるのか。
魔獣狩りをしていれば…
見つけられる気がする。
実際にロニが現れた。
オオトノラコアと戦う前に。
古代獣と戦うのは2人を探すためでもある」
エミカ「私もそう思う」
アルジ「だよな」
ヤマタン「そうかい」
アルジ&エミカ「………」
ヤマタン「ノイ地方にも1体、
覇獣級の古代獣がいると聞く。
そいつを討伐したらどうだ?」
アルジ「ノイ地方…」
ヤマタン「ああ。
ノイ地方はラグアとロニの出身地。
何か情報が手に入るかもしれない。
お前たちには打ってつけの獲物かもな」
エミカ「どうやって行ったら…
ここからじゃ遠いんじゃ…」
アルジ「そうだな…」
ヤマタン「自分たちでなんとかしな。
ノイ地方の獲物はまだ誰も狙っちゃいねえ。
地元の警備隊が襲撃に備えている程度。
政府にとっても重要な領地じゃねえからな。
対策を後回しにしてるようだ。
大陸猟進会も人手を割く余裕はねえ」
アルジ「ノイ地方の古代獣か…」
エミカ「アルジ、やってみよう」
アルジ「ああ、倒しに行こう。
でも…」
アルジは気づく。
アルジ「残りの1体は?
エミカ「…?」
ヤマタン「………」
アルジ「誰が戦うんだ?大陸猟進会か?
覇獣級の古代獣は全部で6体だろ」
ヤマタン「残り1体。
ラッセイムスラという古代獣だ。
こいつは姿を見失っている」
アルジ&エミカ「………」
ヤマタン「地面に潜ったのか、
海底に沈んだのか、
空高く飛んでいるのか、
居場所がつかめていない」
アルジ「そうなのか」
マオイが基地に入ってくる。
マオイ「話は済んだか?そろそろ出るよ」
ヤマタン「おう。分かった!」
基地から出ていくヤマタンとマオイ。
アルジとエミカも基地を出る。
空は相変わらず晴れている。
小さく手を上げてヤマタンは言った。
ヤマタン「また会おう。健闘を祈る」
アルジ「ああ。大陸首位猟師こそ」
エミカ「お元気で」
マオイ「それじゃあね」
ヤマタン「離れていてもオレたちは仲間だ!
残りの古代獣を!ロニを!ラグアを!
必ず倒そう!!」
アルジ「おう!!」
エミカ「はい!!」
ヤマタンとマオイ。
2人はハクトに乗り込み、飛び立つ。
彼らの姿は空の彼方に消えた。
エミカ「どうしようか」
アルジ「ナクサの町に行かないか?
腹が減ってきたし飯にしようぜ」
エミカ「…そうだな。そうしよう。
私もお腹が空いた」
歩き出すアルジとエミカ。
アルジ「…あれは」
エミカ「あ…」
遠く向こうから歩いてくる人の姿。
ゲンダたち6人だった。
並んで歩いてやってくる。
アルジもエミカも歩いていく。
距離が縮まっていく。
互いの表情もよく見えるようになる。
ゲンダ「陣形を組め!」
ゲンダは5人に命じた。
天乱陣を組み、魔雷矢、魔氷矢を作り出す。
アルジ「なんだ…?」
エミカ「様子がおかしい…」
ゲンダ「…くく…」
◇◇ ステータス ◇◇
◇ アルジ ◇
◇ レベル 30
◇ HP 3603/3603
◇ 攻撃
42★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★
◇ 防御
33★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
40★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力 7★★★★★★★
◇ 装備 勇気の剣、雅繊維戦衣
◇ 技 円月斬り、剛刃波状斬撃、朔月斬り
◇ 魔術 雷動
◇ エミカ ◇
◇ レベル 26
◇ HP 1883/2234
◇ 攻撃 10★★★★★★★★★★
◇ 防御
30★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
30★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★
◇ 魔力
46★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★
◇ 装備 天界石の杖、濃色魔術衣
◇ 魔術 火球、火砲、火樹、火海、王火
氷弾、氷柱、氷乱、氷渦、王氷
雷弾、雷砲、雷柱、王雷
岩弾、岩砲、岩壁、王岩
光玉、治療魔術、再生魔術
◇ 持ち物 ◇
◇ 治療魔術薬 10、魔力回復薬 15