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アルジ往戦記  作者: roak
17/300

第17話 自在

挿絵(By みてみん)


剣を構えるアルジ。

カクノオウは大声で呼びかける。


カクノオウ「弟子たちよ!」


弟子たちが一斉にカクノオウを見る。


カクノオウ「ワレの前に来い!ワレの前に集え!

 ワレの前にいる敵と戦えい!!」

アルジ「…え!!?」


一斉にカクノオウの前に走っていく弟子たち。

素早く、整然と並ぶ。

あらかじめ隊列を決めていたかのように。

そして、それぞれが武器を構える。


アルジ「よせ…!」

弟子A「シャア!!」

アルジ「よせ!!!」

弟子B「ダラァ!!」

アルジ「よせと言ってるだろ!!」

弟子C「セェイ!!」

アルジ「やめろ!!!」

弟子D「ラァ!!!」

アルジ「本気で勝てると思ってるのか…?」

弟子E「ヤァーーー!!!」


思い思いの掛け声で気合いを入れる弟子たち。

カクノオウはそんな彼らの姿に満悦。


カクノオウ「皆の者!!時は来た!

 今こそ我が盾となれ!」

アルジ「何を…言っている?」

カクノオウ「削れ!少しでも!

 敵の体力を!精神力を!少しでも削れ!

 削ってから死ね!!無駄死にするなよ!!

 十分に削ってからワレが最後に戦おう!!

 やつの首をとってみせよう!!」


弟子たちはその言葉に興奮する。


弟子たち「おおおおお!!!!!」

アルジ「…気は確かなのか?」

弟子たち「うおおおおおおおお!!!!!」

エミカ(もうだめだ…。彼らは洗脳されて…)


アルジの問いかけに聞く耳など持たない。

ますます闘争心を高めていく弟子たち。


アルジ「…クソ!!」


やられる前にやる。

自分の身を守るため。

後ろにいるエミカを守るため。

アルジの選択肢はそれ以外になかった。

弟子の1人が攻めてくる。

剣を勢いよく振り上げた。

その瞬間、アルジは剣を横に振る。

弟子の胴体を大きく斬り裂いた。

◇ 弟子Aに473のダメージ。

◇ 弟子Aを倒した。


弟子たち「…!!!?」


アルジの放った斬撃にひるむ弟子たち。


カクノオウ「バカ野郎!!どんどん行け!!!」


続いて3人の弟子たちが襲いかかる。

縦に、横に、斜めに。

アルジは彼らの体を斬り裂いた。

◇ 弟子Bに402のダメージ。

◇ 弟子Cに434のダメージ。

◇ 弟子Dに515のダメージ。

◇ 弟子B〜Dを倒した。

◇ アルジはレベルが上がった。(レベル6 → 7)

続いて4人の弟子が跳びかかってくる。


アルジ「円月斬り!!!」


アルジはまとめて斬り払う。

◇ 弟子Eに602のダメージ。

◇ 弟子Fに597のダメージ。

◇ 弟子Gに589のダメージ。

◇ 弟子Hに616のダメージ。

◇ 弟子E〜Hを倒した。

さらに5人。

次々と襲いかかる。


アルジ(まだ来るのか!!?)


弟子たちを斬っていく。

全身を躍動させながら剣を振る。

演舞を披露するかのように。

速く、強く、荒々しく。


アルジ「はい!」

弟子I「ガハ!」

アルジ「はい!」

弟子J「グォ!」

アルジ「はい!」

弟子K「ブハ!」

アルジ「はい!」

弟子L「ギャ!」

アルジ「はい!」

弟子M「ガフ!」


◇ 弟子Iに754のダメージ。

◇ 弟子Jに697のダメージ。

◇ 弟子Kに731のダメージ。

◇ 弟子Lに623のダメージ。

◇ 弟子Mに678のダメージ。

◇ 弟子I〜Mを倒した。

◇ アルジはレベルが上がった。(レベル7 → 8)


カクノオウ「!!!」

エミカ「…!」


流れるような連続攻撃。

その刃が描く軌跡は、恐ろしくも美しい。


アルジ(!!…なんだ?なんなんだ!?

 今の攻撃は!?何が起きたんだ…!!?

 体が剣に導かれたような…!

 剣と体が1つになったかのような…!

 なんなんだ!?これは!?)


さらに5人、襲いかかる。

剣、槍、斧、さまざまな武器で攻めてくる。


アルジ「待て!!」

弟子たち「しゃああああああ!!!!!」

アルジ(もう…対話はできないのか…!

 …来るなら来い!!!!)


アルジは自由自在に剣を振り、攻撃を繰り出す。


アルジ「はい!はい!はい!はい!はい!」

弟子たち「ギャアアアアア!!!!!!!!」


◇ 弟子Nに774のダメージ。

◇ 弟子Oに711のダメージ。

◇ 弟子Pに754のダメージ。

◇ 弟子Rに722のダメージ。

◇ 弟子Sに758のダメージ。

◇ 弟子N〜Sを倒した。


カクノオウ「!!!!!?」

エミカ「…!!」

アルジ(これだ!この技だ!!この感覚!!

 …つかみかけてる!オレはこの技を…!!)


残りの弟子たちも襲いかかる。

彼らには臆する様子がほとんどない。

師であるカクノオウのため、ただ戦う。


弟子たち「やああああ!!!!」


真正面から攻めてくる者たち。

横から襲いかかろうとする者たち。

いずれもアルジに斬り倒される。


アルジ(…この感覚…!つかんだ!!

 オレはもう…この技を…!!)

カクノオウ「バカな…!」

アルジ「…あれ?」


アルジは辺りを見渡す。

33人すべての弟子を倒していた。


アルジ「全員…斬ってたのか…」

カクノオウ「………」

アルジ「…カクノオウ。

 あとはお前だけだ。観念しろ」


勇気の剣を大きく振る。

ヒュッと音を立てて空を斬る。

カクノオウの顔をにらみつける。


カクノオウ「くく…くくく…」

アルジ「どうした…?」

カクノオウ「くくく…」

アルジ「自分の愚かさに言葉も出ないのか」

カクノオウ「やかましい!!!」

アルジ「………」

カクノオウ「気に入っていたのに…

 気に入っていたのによぉ…」


涙を流すカクノオウ。


アルジ「…教師ごっこはもう終わりだ。

 この剣で…終業の鐘を鳴らしてやる」

カクノオウ「うるせえ!!!!」

アルジ「………」


アルジはカクノオウに迫っていく。

カクノオウはジリジリと後退する。

腰が引けていて戦意を失っている様子。

アルジが弟子たちと戦う中で習得した連続技。

そのあまりの威力にカクノオウは震えていた。


アルジ「逃げられると思ってるのか?」

カクノオウ「てめえには分からんだろう!!

 もう少しでワレは手に入れるところだった!

 ワレが思い描いていた理想の暮らしを!!

 手に入れるところだったのだ!!」

アルジ「理想の暮らしだって?」

カクノオウ「自らの城を持ち、弟子を持ち、

 妻子を持ち、書物を読んで静かに暮らす。

 武術と魔術をたしなんで穏やかに暮らす。

 それがワレの理想。理想だった。畜生!!」

アルジ「強盗を働いといて勝手なやつだ」

カクノオウ「手段だ!強盗はあくまで手段!!

 理想の暮らしをするための手段に過ぎない!

 今ではすっかり…足を洗った…!」

アルジ「でたらめを言うな!!」

カクノオウ「…でたらめなんかじゃない」

アルジ「………」

カクノオウ「信じろと言っても無理だろうな。

 だが、聞けよ。これは大事な話だ。

 カサナ家から奪った財産…。

 ワレはそれを少しずつ売り払い、

 その金で、ここでひっそりと暮らしていた。

 弟子たちとともに。誰とも争わずに。

 この廃村の館で静かに暮らしていた」

アルジ「そんな大金を盗んだのか」

カクノオウ「もちろん財産はそれだけじゃない」

アルジ「…ほかにあるのか?」

カクノオウ「協力金だ」

アルジ「協力金?」

カクノオウ「ワノエ警備隊からもらっている。

 警備隊がワレに毎月くれる。そういう金もある。

 大金だ。教師だった頃の給料よりずっと高い」

アルジ「なんだ…?それは。協力ってことは…

 ワノエ町の警備を手伝ってるってことなのか?

 その報酬が…協力金ってことなのか?」

カクノオウ「そんなんじゃねえよ!」

アルジ「それじゃあ…」

エミカ「何もしないこと…」

アルジ「え?」

エミカ「悪い噂を…聞いたことがある。

 でも…まさか…本当だなんて…」

アルジ「エミカ、どういうことなんだ?」

エミカ「ワノエ警備隊は悪に屈していると…

 悪事を働かないように…悪党に金を渡して…

 お願いしていると…聞いたことがある…。

 その金が…協力金。でも、本当だなんて…」

カクノオウ「くくくく…よく知ってるな…」

アルジ「バカな!!そんなことが…!」

カクノオウ「本当だぁ!協力金のおかげで!!

 我々は働かないでメシが食えてたわけよ!!

 いい生活だった!強盗なんてやってられるか」

アルジ「ふざけるなよ!!」


アルジは勢いよく斬りかかる。


アルジ(こんなのは!タラノス先生じゃない!

 別人だ!!悪人だ!!許せない!!

 これがたとえ…魔術のせいだとしても…!)

カクノオウ「来やがれぇい!!

 ァアアアルジィィイイイ!!」

アルジ(円月斬りを…食らえ!!)


その攻撃は避けられない。

カクノオウは瞬時に判断。

剣で受けようとする。

だが、カキンと音を立て、剣が折られる。

アルジの斬撃がカクノオウをとらえる。


カクノオウ「グファ!!ブフッ!!!」


倒れ込むカクノオウ。

◇ カクノオウに421のダメージ。


アルジ「……あ…」


それから、アルジは感じとった。

カクノオウの体から強い魔波が出ていくのを。

ゆらゆらと空へ上がって散っていくのを。

エミカはよろめきながら歩いていく。

アルジの方へ。


エミカ「かけられていた魔術が解けたようだ…」

アルジ「…ああ」

エミカ「これで正気に戻ったと思う」

アルジ「…そっか」

エミカ「時間はあまりないと思う。

 最後に少しでも話を…」

アルジ「ああ…」


アルジは歩いていく。

倒れているカクノオウのところへ。


タラノス「アルジ…」

アルジ「タラノス先生…なのか…?」

タラノス「ごめん…な」

アルジ「先生!」


アルジはしゃがみこみ、タラノスの顔を見る。

勇気の剣から放たれていた光が消える。



◇◇ ステータス ◇◇

◇ アルジ ◇

◇ レベル 8

◇ HP   98/347

◇ 攻撃  12★★★★★★★★★★★★

◇ 防御  6★★★★★★

◇ 素早さ 8★★★★★★★★

◇ 魔力  2★★

◇ 装備  勇気の剣、革の鎧

◇ 技   円月斬り


◇ エミカ ◇

◇ レベル 6

◇ HP   11/192

◇ 攻撃  3★★★

◇ 防御  3★★★

◇ 素早さ 7★★★★★★★

◇ 魔力  9★★★★★★★★★

◇ 装備  術師の杖、術師の服

◇ 魔術  火球、火砲


◇ 持ち物 ◇

◇ 治療薬 8


◇◇ 敵ステータス ◇◇

◇ タラノス ◇

◇ レベル 19

◇ HP   0/402

◇ 攻撃  1★

◇ 防御  1★

◇ 素早さ 1★

◇ 魔力  1★

◇ 装備  風魔の武闘衣


◇ カクノオウの弟子 ◇

◇ レベル 5

◇ HP   0/102

◇ 攻撃  5★★★★★

◇ 防御  3★★★

◇ 素早さ 4★★★★

◇ 魔力

◇ 装備  鉄の剣など、麻の武闘衣

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