第165話 黒塊
魔力を高めるコノマノヤタラズマ。
エミカも杖を構えて魔力を高める。
王火の射程に入った瞬間。
彼女は撃ち込む。
コノマノヤタラズマの激しい炎に包まれた。
◇ コノマノヤタラズマに390のダメージ。
エミカ「効いてない…!」
強い冷気がコノマノヤタラズマを包む。
氷殻。
コノマノヤタラズマの得意魔術。
全身を冷気で覆う。
近くの木々の葉がカリカリに凍りつく。
アルジが斬りかかろうと踏み出す。
アルジ「ならオレが!」
エミカ「ダメだ!」
アルジ「…え!!?」
エミカ「強力な冷気の渦があいつの周りに!!
それに捕まれば凍りついておしまいだ!!」
アルジ「ならどうする!?」
エミカ「さっきも言った!焼き尽くす!!」
アルジ(大丈夫なのか…?)
エミカは再び王火を繰り出す。
炎が巻き起こる。
コノマノヤタラズマを包む。
◇ コノマノヤタラズマに344のダメージ。
コノマノヤタラズマ「ファアー!!」
炎に包まれながらも前進を続ける。
6本の脚で。
ゆらりゆらりと体を揺らしながら。
アルジとエミカはじりじりと後退り。
エミカは続けて王火を出す。
◇ コノマノヤタラズマに284のダメージ。
炎が消えてはまた撃ち込む。
もう1発。
◇ コノマノヤタラズマに166のダメージ。
さらにもう1発。
◇ コノマノヤタラズマに95のダメージ。
よろめくエミカ。
連続して魔力を大量に使った反動だった。
アルジ「全然効いてないんじゃないか!?
なあ、エミカ!………!!?」
エミカ「……ふ…」
彼女は静かに笑う。
そして、もう1発。
◇ コノマノヤタラズマに1151のダメージ。
アルジ「お…!!」
コノマノヤタラズマの様子が明らかに変わる。
王火の熱に苦しんでいる。
氷殻の冷気が弱まっている。
はっきりと分かる。
エミカは杖を握りしめる。
その手は小刻みに震えていた。
アルジ「エミカ…!」
エミカ「…大丈夫!」
もう1発。
◇ コノマノヤタラズマに2047のダメージ。
さらに、もう1発。
◇ コノマノヤタラズマに3562のダメージ。
肩を震わせ王火を放つ。
氷殻は完全に破られる。
◇ コノマノヤタラズマに5666のダメージ。
倒れそうになりながら王火を出す。
全身から魔力を絞り出すように。
◇ コノマノヤタラズマに7083のダメージ。
コノマノヤタラズマ「ファーウ…!!」
熱に耐えかねてその場に伏せる。
脚を折りたたんで動かなくなる。
地に伏せるエミカ。
もう立っていられない。
声を絞り出す。
エミカ「アルジ…!今…だ!!」
アルジ「ああ!!」
アルジが走り出す。
エミカが作ってくれた好機。
絶対に無駄にしない。
心に決めて走る。
だが、剣を振り上げた瞬間。
アルジ「おあぁあぁあぁあぁあぁああ!!!」
強烈な電撃。
雷角。
コノマノヤタラズマのツノから放たれる。
ミノマノ村で多くの村人を死に至らしめた。
強力、凶悪な魔術。
跳び上がって膝をつき、うめくアルジ。
◇ アルジは1832のダメージ。(HP3588→1756)
エミカ「アルジ…!!」
エミカは杖をかざして彼を癒そうとする。
だが、その魔波は届かない。
魔力はほとんど尽きていた。
そのままエミカは気絶する。
アルジ「フゥウ…!!!」
なんとかアルジは体勢を立て直す。
コノマノヤタラズマをにらみつける。
アルジ「やってくれるな!!だがな!!」
再び斬りかかる。
ツノからはもう電撃は放たれない。
コノマノヤタラズマも大量の魔力を使っていた。
エミカの王火から身を守るために。
アルジ「おかげで目が覚めたぜ!!食らえ!!!
剛刃波状斬撃!!!」
刃が光る。
斬り裂いていく。
コノマノヤタラズマの体を。
脚を斬る。
◇ コノマノヤタラズマに6067のダメージ。
胸部を斬る。
◇ コノマノヤタラズマに6234のダメージ。
さらに、腹部を裂く。
◇ コノマノヤタラズマに6477のダメージ。
再び胸部を斬る。
◇ コノマノヤタラズマに6892のダメージ。
そして、頭を割る。
◇ コノマノヤタラズマに7303のダメージ。
コノマノヤタラズマ「ファーアー!!!」
アルジ「おっと!!」
コノマノヤタラズマのかみつき攻撃。
アルジは軽やかにかわす。
アルジ「食らえ!!これがオレの力だ!!!」
朔月斬りを繰り出そうとしたそのとき。
再びツノから電撃が放たれる。
それは残った魔力をかき集めて出しつくす一撃。
アルジ「うわぁあぁあぁあぁあ!!」
◇ アルジは1621のダメージ。(HP1756→135)
アルジは倒れ込んだ。
起き上がれない。
エミカも気絶したまま。
アルジ「…クソ!!これでおしまい…か!!?」
コノマノヤタラズマはアルジに近寄る。
口を開けてかじりつこうとする。
そのとき。
上空から黒い塊。
コノマノヤタラズマの背の上に落ちる。
その黒い塊は人。
立ち上がり、槍を突き立てる。
深く、コノマノヤタラズマの背中に。
コノマノヤタラズマ「ファーウアー!!!!!」
◇ コノマノヤタラズマに9699のダメージ。
槍の大技、貫岳撃。
山をも貫くような一撃。
今度は剣を振り下ろす。
堅い殻を破り、肉を裂く。
◇ コノマノヤタラズマに9432のダメージ。
コノマノヤタラズマ「ファアアアアアア!!!!!」
剣の大技、断河斬。
川をも断つような一撃。
空から降ってきた男。
彼は大陸首位猟師ヤマタン。
剣を振り上げ、追い打ちをかける。
ヤマタン「これで終わりだ!!」
断河斬をコノマノヤタラズマの首に見舞う。
◇ コノマノヤタラズマに10568のダメージ。
◇ コノマノヤタラズマを倒した。
◇ アルジたちは戦いに勝利した。
◇ アルジはレベルが上がった。(レベル29→30)
◇ エミカはレベルが上がった。(レベル25→26)
ヤマタン「…まったく」
ヤマタンはコノマノヤタラズマから跳び降りる。
それから、彼は見る。
たくさんのカヤタマノネコの死骸を。
地面に倒れ込むアルジとエミカを。
2人とも気を失っていた。
ヤマタン「たった2人でこれだけやるとはな。
なるほど…そうか…こいつらが…
そうか…面白え連中だ」
空を見上げて叫ぶ。
ヤマタン「マオイ!!降りてこい!!
お前の出番だ!!」
小型の飛行型魔生体が降りてくる。
その魔生体の名はハクト。
ヤマタンが遠方へ移動するのに使われる。
動かすのは助手のマオイ。
ハクトから降りて彼女は言う。
マオイ「人使いが荒いぞ!」
ヤマタン「いいじゃねえか。非常事態だ」
マオイはアルジとエミカを手当てする。
アルジは光術で癒す。
エミカは体を揺すって起こした。
◇ アルジはHPが全回復した。(HP135→3603)
アルジ「…う…」
エミカ「…あれ…」
目覚めた2人の顔を見てヤマタンは言う。
ヤマタン「よくやった!!」
アルジ&エミカ「………」
それから、ヤマタンは大きく横に首を振る。
ヤマタン「いや、惜しかったな。
もう少しだった。だが!よくやった!!
トドメはオレが刺しといたぜ!!」
倒したコノマノヤタラズマを指差す。
アルジ「あんたは…」
ヤマタン「…誰だろうな」
アルジ「もしや…」
ヤマタン「おう」
アルジ「大陸…首位猟師…?」
ヤマタン「そうだ!!」
◇◇ ステータス ◇◇
◇ アルジ ◇
◇ レベル 30
◇ HP 3603/3603
◇ 攻撃
42★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★
◇ 防御
33★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
40★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力 7★★★★★★★
◇ 装備 勇気の剣、雅繊維戦衣
◇ 技 円月斬り、剛刃波状斬撃、朔月斬り
◇ 魔術 雷動
◇ エミカ ◇
◇ レベル 26
◇ HP 1883/2234
◇ 攻撃 10★★★★★★★★★★
◇ 防御
30★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
30★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★
◇ 魔力
46★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★
◇ 装備 天界石の杖、濃色魔術衣
◇ 魔術 火球、火砲、火樹、火海、王火
氷弾、氷柱、氷乱、氷渦、王氷
雷弾、雷砲、雷柱、王雷
岩弾、岩砲、岩壁、王岩
光玉、治療魔術、再生魔術
◇ 持ち物 ◇
◇ 治療魔術薬 10、魔力回復薬 15◇