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アルジ往戦記  作者: roak
158/300

第158話 戦慄

ラグアは警備隊員たちをズタズタに斬っていく。


警備隊員I「がう!」

警備隊員J「ぐう!」

警備隊員K「あがっ!」

警備隊員L「うえっ!」


斬られた者は、力なく倒れ込む。

それぞれが最期の叫び声を上げて。

◇ 警備隊員Iに3877のダメージ。

◇ 警備隊員Jに3653のダメージ。

◇ 警備隊員Kに3445のダメージ。

◇ 警備隊員Lに4042のダメージ。

◇ 警備隊員I〜Lを倒した。

◇ ラグアは戦いに勝利した。

◇ ラグアはレベルが上がった。(レベル27→28)

戦意を失い後退し始める警備隊員たち。

ヤシヤロが彼らの士気を高めようとする。


ヤシヤロ「なんだぁ!!お前ら!!

 日頃の訓練忘れたか!!

 ちゃんと戦え!!バカどもが!!!

 しっかりやれ!!」

警備隊員たち「……!」

ヤシヤロ「どこにでもいるごろつきだ!

 やられてんじゃねえ!!

 あんなのも倒せないで警備隊やってんのか!

 お前らは!!恥ずかしくねえのか!!

 あ!?気合い見せてみろや!!!」

警備隊員たち「………」

ヤシヤロ「あっさり殺されて!!

 バカかお前らは!!?

 悔しくねえのか!!?

 みっともねえと思わねえのか!!?

 王様とかほざいてるバカだぞ!

 さっさとやっちまえ!!!」

警備隊員M「うう…!」


意を決して1人がラグアに向かっていく。


警備隊員M「やあっ!」


隙だらけの上段斬り。

ラグアは容赦なく叩き込む。

三連剣撃を。

3度、肉と骨が斬られる音。

踏み込んだ警備隊員の体は4分割された。


ヤシヤロ「…なっ!!!!」

ザンタク(こいつ…!!人の体を…!!

 化け物か…!!?)


◇ 警備隊員Mに8566のダメージ。

◇ 警備隊員Mを倒した。

警備隊員の亡骸を見てラグアは思う。


ラグア(よし、これだ。この感覚だ。

 いい具合に決まったぞ)


技の感覚を取り戻した。

そのことに喜びの笑みを浮かべる。

1人の男が前に出ていく。


ヤシヤロ「ヨシナガ…!」

ヨシナガ「そろそろ…

 私の出番でよろしいでしょうか?」

ヤシヤロ「おう…!やれぇい…!

 早く!!やっちまえい!」


警備隊副隊長ヨシナガ。

狡猾な性格が災いし、信頼はほとんどない。

それでも、彼は戦績で今の地位を得た強者。

彼の武術は隊長をも凌ぐ。


警備隊員N(ヨシナガが戦ってくれる…!)

警備隊員O(これは…行けるかもしれないぞ!)

警備隊員P(やっとか…!)

警備隊員Q(ヨシナガさんが行ってくれるなら…

 あいつを倒してくれるなら…!

 これでオレたちは…

 やられずに済むかもしれない…!)


向かい合うヨシナガとラグア。

警備隊も検査官たちも戦いを見守る。


ヨシナガ「ヤシヤロさん」

ヤシヤロ「なんだ!!」


ヨシナガはニヤッと笑い、問いかけた。


ヨシナガ「オレがこいつを倒したら、

 隊長にしてくれますか?」

ヤシヤロ「こんなときに取引とは余裕だな!」

ヨシナガ「ええ、絶対に負けませんから」

ラグア「………」


にらみ合うヨシナガとラグア。


ラグア(この男、大して強くない。

 だが、この自信。

 何かある。何か隠している。

 何か、奥の手を)


ヤシヤロは大声で言った。


ヤシヤロ「いいだろう!!なれ!!隊長に!!」

ヨシナガ「これは、これは。

 ありがとうございます」

ヤシヤロ「大前隊にも推薦してやる!!」

ヨシナガ「それは、それは。

 喜びの極みでございます」

ヤシヤロ「だから行ってこぉおおい!!」

ヨシナガ「はっ!!!」


ヨシナガは右手から火弾を飛ばす。

それは非常に弱々しい魔術。

ラグアは造作もなくかわす。

そのときだった。


ヨシナガ「ひゃあひゃひゃひゃあ!!!!」


ヨシナガは左腕を大きく振った。

彼の左手から何かが放たれる。

次の瞬間、大量の粉が宙を舞った。


ラグア「!!」


その粉の正体は、真っ赤な香辛料。

ジゴネアと呼ばれる品種。

大陸南部で栽培されている。

大陸に存在する香辛料で最高の辛さを誇る。


ラグア「ぐっ…!!!」


ラグアの粘膜を焼くように刺激した。

目から涙があふれてとまらない。

その刺激の強さは警備隊員たちも咳込むほど。

一方、ヨシナガはものともしない。


ヨシナガ「苦しかろう!!苦しかろう!!」


彼は幼い頃からジゴネアに慣れ親しんできた。

辛みも、痺れも大して苦ではない。

手にした剣でラグアに襲いかかる。

細く長く曲がった刃のその剣で。

斬りつけていく。


ヨシナガ「らあ!!」


肩を斬る。

◇ ラグアは238のダメージ。(HP 2113→1875)


ヨシナガ「はあ!!」


脚を斬る。

◇ ラグアは199のダメージ。(HP 1875→1676)


ヨシナガ「たあ!!」


腰を斬る。

◇ ラグアは453のダメージ。(HP 1676→1223)


警備隊員O「おお!!お見事!」

警備隊員P「よっしゃあ!!行けー!!」

警備隊員Q「やれー!!やれー!!」

ヤシヤロ(この刺激…ちとキツイが…

 よくやった!!

 行け!!このままやつを倒せ!!)


ラグアが負った傷はどれも浅い。

彼はどうにか薄目を開けていた。

それでヨシナガの動きを把握。

攻撃の瞬間、身をよじり急所を外させる。

そうすることで致命傷を免れた。

まばゆい光が彼の全身を覆う。


ヨシナガ「!!!」


◇ ラグアはHPが全回復した。(HP 1676→3338)


ヤシヤロ(…光術まで使うのか!)

ザンタク(これはどう考えても普通じゃねえ…!

 なんだ…こいつは…?

 こいつは一体…なんなんだ…?

 オレたちは…何か…とんでもねえ化け物を…

 相手にしてるんじゃねえのか!?)


ヨシナガはひるまず攻撃を続けた。

奇声を上げながら。


ヨシナガ「いええええええええ!!!!!」


だが、その攻撃はことごとくかわされる。

ラグアの視界は完全に回復していた。

ヨシナガの大振りの攻撃がかわされた直後。

バン、と何かが弾けるような音がした。


ヤシヤロ「!!?」

警備隊員たち「……?」


ヨシナガの動きが完全に止まる。

剣を振り抜いたあとの体勢のままで。

石像のように微動だにしない。


ラグア(取り戻した。取り戻したぞ。

 この感覚だ!)


拳を握りしめ、嬉しそうに笑うラグア。

突然、ぼとりと音がする。

ヤシヤロの足元に1つの塊が落ちた。

見下ろし、彼は確かめる。

落ちてきた物体がなんなのか。


ヤシヤロ「これは…」

警備隊員たち「…うわっ!」


目から上。

斬られて飛んだヨシナガの頭部だった。

ラグアが放ったのは、王攻剣。

王が、攻める、剣の技。

全身の力を1回の斬撃に注ぎ込む。

その速さ、正確さ、破壊力は圧倒的。

王者たる者が繰り出せる秘技。

◇ ヨシナガに16097のダメージ。

◇ ヨシナガを倒した。

ヨシナガの体はだらしなく崩れ落ちる。


警備隊員N「だめだ!!!もうだめだ!!」

警備隊員P「撤退だ!撤退しかない!!!」

ヤシヤロ「待て!!おびえるな!!バカども!!

 隊長はオレだ!!オレの命令に従え!!

 クソども!!」


その場から逃げ出そうとする2人の警備隊員。

ラグアはそれを許さない。


ラグア(君たちは倒そうとした。

 これから王様になるこの僕を。

 これは許されないことだ。

 本当に許されないことなんだ。

 だから、せめてここで命を落とせ)


右手を広げ、魔力を高め、魔波を放つ。

その魔波は空中で巨大な岩石となり落下。

逃げ出した2人を押し潰す。

さらに、彼らの後ろにいた4人も押し潰す。

◇ 警備隊員Nに2923のダメージ。

◇ 警備隊員Oに2983のダメージ。

◇ 警備隊員Pに3026のダメージ。

◇ 警備隊員Qに2897のダメージ。

◇ 警備隊員Rに2888のダメージ。

◇ 警備隊員Sに2902のダメージ。

◇ 警備隊員N〜Sを倒した。

◇ ラグアは戦いに勝利した。

◇ ラグアはレベルが上がった。(レベル28 → 29)

◇ ラグアは王攻剣を習得した。

◇ ラグアは王岩を習得した。

ラグアが魔力を弱める。

岩石はたちどころに消える。

残されたのはぐしゃりと潰れた6人分の死体。


ラグア(よし。岩術の感覚も取り戻したぞ)


警備隊員たちが手にしていた灯り。

それも王岩に押し潰されて消えた。

辺りは再び深い夜の闇に包まれる。


ヤシヤロ「…嘘だろ…」

ザンタク「警備隊が…全滅した…」

検査官たち「………」


ラグアは光玉を出し、宙に浮かべる。

真っ白な強い光が辺りを照らす。


ラグア(光術も…問題ないな)


光玉を大きくしたり小さくしたりする。

次に、光を強めたり弱めたりする。

大きさも明るさも彼の意のままに制御できた。


ラグア(光術の感覚も完全に取り戻したぞ)


◇ ラグアは蘇生魔術を習得した。

検査官たちに向かってラグアは剣を構える。


ラグア(次はいよいよ…あれを試してみるか)

検査官たち「……!!」

ザンタク「おい!!なんだ!!なんだてめえ!!

 何見てやがる!!何構えてやがる!!

 ふざけんな!!」


激怒するザンタク。

ラグアは構えを解かない。

剣を検査官たちに向けたまま冷ややかに笑う。

その笑いにザンタクは戦慄する。


ザンタク「おい、おい…!待ってくれ!!

 ちょっと…!あんた…なんなんだ…!

 あんたは…!一体…!なあ…!」


古代王の剣が白く光り出す。



◇◇ ステータス ◇◇

◇ ラグア ◇

◇ レベル  29

◇ HP   3338/3658

◇ 攻撃

 37★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

  ★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 防御

 39★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ

 37★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

  ★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力

 36★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 秘力  14★★★★★★★★★★★★★★

◇ 装備  古代王の剣、破壊の矛、

      安定の玉、古代王の鎧

◇ 技   二連剣撃、三連剣撃、王攻剣

◇ 魔術  火弾、火球、火砲、王火

      雷弾、雷球、雷砲

      岩弾、岩球、岩砲、王岩

      光玉、治療魔術、再生魔術、蘇生魔術

◇ 秘術  白剣


◇◇ 敵ステータス ◇◇

◇ ヤシヤロ ◇

◇ レベル 29

◇ HP   1836

◇ 攻撃

 20★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 防御

 19★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 15★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力  2★★

◇ 装備  朱鋼剣、耐火防護衣

◇ 技   波頭斬り

◇ 魔術  火弾


◇ 検査官(南西地方担当部) ◇

◇ レベル 8

◇ HP   292

◇ 攻撃  4★★★★

◇ 防御  6★★★★★★

◇ 素早さ 5★★★★★

◇ 魔力  

◇ 装備  小型護身剣、軽量護身衣

◇ 技   


◇ ザンタク ◇

◇ レベル 24

◇ HP   1299

◇ 攻撃  14★★★★★★★★★★★★★★

◇ 防御  16★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 10★★★★★★★★★★

◇ 魔力  3★★★

◇ 装備  衛明剣、強化防護衣

◇ 技   大進剣

◇ 魔術  氷弾

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