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アルジ往戦記  作者: roak
157/300

第157話 王様

警備隊員が叫ぶ。


警備隊員A「おい!女!!お前も立て!!」

ロニ「………」


ゆらりと立ち上がるロニ。

彼女の体から発せられる強烈な魔波。

警備隊員たちはたじろぐ。


警備隊員A「お前…一体…なんだ…?」

ロニ「何をそんなにおびえている。臆病者が」

警備隊員A「貴様…!我々を侮辱するな…!」


遠目から彼女の姿を見つめるのはザンタク。


ザンタク(あの女、魔術師か。

 見たところ…かなりやる。

 だが、この感じは…なんだ?

 かなり不気味な感じだが…

 闇の魔術師ともまた違う…一体…何者だ?)


ラグアとロニは、店の外に出る。

ヤシヤロに連れられて。

警備隊も正査院の検査官たちも外に出る。

店の裏の空き地で彼らは対峙する。

辺りは灯火の1つもない。

深い夜の闇に包まれていた。


ヤシヤロ「お前たちを逮捕する」

ラグア&ロニ「………」

ヤシヤロ「いや…」


剣を抜き、構えるヤシヤロ。


ヤシヤロ「ここでお前たちを処分する」

ザンタク(おうおう、

 やっぱりそう来なくっちゃな!)


警備隊員たちも武器を構える。

ラグアとロニは棒立ち。

検査官たちはその様子を眺めていた。


ヤシヤロ「お前は…公然と大君を侮辱した。

 これは断じて許されない。

 大罪だ。極刑に値する」

ラグア「………」

ヤシヤロ「大前隊の隊員であるこのオレが…

 責任を持って貴様らを処分する」

ラグア「………」

ヤシヤロ「火を灯せ!」


4人の警備隊員が懐から棒を取り出す。

その先端に火を灯し、ヤシヤロの視界を確保。

ロニはくすりと笑う。

両腕を変形させて翼の形に変えた。


ヤシヤロ「!!?」


彼女は羽ばたき、飛び上がる。

空高くへ。

どよめき、見上げる警備隊員たち。


ヤシヤロ「なん…だ…!?」

ロニ「ラグア、私は先に行くぞ!」


ラグアはロニに問いかける。

ヤシヤロたちに目を向けたまま。


ラグア「どこに行く?」

ロニ「面白いものを見てくる。

 大騒ぎの大宴会だ。

 そろそろいい頃合いなのだ!」

ラグア「…そうか」


ロニは遠くへ飛び去った。

ラグアは小さな声で言う。


ラグア「…あまり自分の力に溺れるなよ…」


その言葉はロニの耳に届かない。

ヤシヤロは歯を食いしばり悔しがる。


ヤシヤロ「…クソゥ!!」

ザンタク「まあ、いいさ!いい!気にするな!

 あの女は別に何もしてねえからな!!

 無罪だ!無罪無罪!」


ラグアの顔を見てザンタクは言う。


ザンタク「だが、こいつだけは…逃すなよ!

 お前ら!!」

ヤシヤロ「…分かってますよ!!」


ラグアはヤシヤロたちに告げる。

怒りに満ちた顔で。


ラグア「無礼だぞ」

ヤシヤロ「…は?」

警備隊員たち&検査官たち「………」

ラグア「無礼だぞ。お前たち。

 僕は王様になるんだぞ」


耳を疑うヤシヤロ。


ヤシヤロ「…は?」

警備隊員たち&検査官たち「………」

ザンタク「…王…様…?」


ラグアは大声で言う。


ラグア「お前ら!!僕に謝れ!!

 こんな場所に連れ出して!!

 無礼だぞ!極めて無礼だぞ!

 僕は王様になる男なんだぞ!!」

ヤシヤロ「………」


困惑するヤシヤロたち。


ヤシヤロ「は…はは…こいつは…

 こいつはぁ…傑作だぁ!」


ラグアは大声で言う。


ラグア「僕は一般人じゃないんだぞ!

 普通の人じゃないんだぞ!!

 王様になる人なんだぞ!!

 王様になる僕を逮捕するだとか!!

 処分するだとか!!

 失礼極まりないんだぞ!!謝れっ!!!!」


ついには、ヤシヤロたちは爆笑した。


ヤシヤロ「わは!わははははははっ!!!」

警備隊員たち&検査官たち「だははははは!」

ザンタク「かははは!!かははははは!!!」


腹を抱え、涙を浮かべてヤシヤロは言う。


ヤシヤロ「かぁああ!!最高だ!!傑作だ!!

 今日1番笑ったぜ!!王様!!

 王様だってよぉお!!」

警備隊員たち&検査官たち「ははは!!

 あははは!!!」

ザンタク「わははははは!!こりゃひでえや!」

ラグア「………」

ヤシヤロ「はははは!!……はあ!」


ヤシヤロは笑うのをやめて警備隊員たちに命じる。


ヤシヤロ「殺せ」


警備隊員たちの顔が一斉に引き締まる。


ヤシヤロ「今日は俺が隊長代行だ。

 あの愚か者を殺せ。

 取り囲んで、徹底的に潰せ。

 思い知らせてから、殺せ。

 大君を、そして、俺たちを侮辱すると、

 どうなるか。

 王様だとか、ふざけたことを抜かしていると、

 どうなるか。

 あの愚か者に、十分に分からせてから、殺せ」

警備隊員たち「…はっ!!!」


武器を手にラグアを囲む警備隊員たち。

ラグアはその1人1人の姿を見る。

戦力を推し量る。


ラグア(警備隊が19人。その顧問が1人。

 正査院が17人。

 みんなそれなりに鍛えられているな。

 だが、強くはない。

 魔術を使う者は3人か。火術と氷術。

 だが、強くはない)

警備隊員A「ラァァァアア!!逃がさん!!」

ラグア(感覚を取り戻すには、

 ちょうどいいかもしれないな)


ラグアは剣を構える。

その剣は長く、太く、まっすぐで、美しい。

古代王の剣。

大切に受け継がれてきた古の武器。

その剣はノイ民を救い、導く者の剣。

ラグアは認められた。

その剣を扱う者として。

ノイ民の総意によって。


ラグア「行くぞ」


突き出す。

剣を、素早く。

刺す。

急所を、深く。


警備隊員A「…あたっ!」


◇ 警備隊員Aに1626のダメージ。

◇ 警備隊員Aを倒した。

背中から突き出た刃。

ラグアは軽やかに引き抜く。

刺された警備隊員は地面に倒れ込む。


警備隊員B「ああああああ!!!!」


彼は叫んだ。

恐れを紛らわすために。

勢いよく剣を振り上げる。

そのとき。

古代王の剣が貫く。

彼の胴体を。

刃は、彼の心臓を破る。

◇ 警備隊員Bに1891のダメージ。

◇ 警備隊員Bを倒した。

さらに別の警備隊員が襲いかかる。


警備隊員C「たあっ!!」


ラグアはひらりと避けて反撃する。

素早く剣を振る。

2度の斬撃を彼の体に叩き込む。

二連剣撃。

ラグアの得意技。

頭部と胸部。

正確に相手の急所を斬り裂いた。

◇ 警備隊員Cに2381のダメージ。

◇ 警備隊員Cを倒した。

◇ ラグアは戦いに勝利した。

◇ ラグアはレベルが上がった。(レベル24 → 25)

驚き、その場にとどまる警備隊員たち。


ラグア(まだかなり体が鈍っているぞ…)


警備隊員たちの武器の先端が震え出す。

ヤシヤロは腕を組み、戦いを静かに見守る。


ヤシヤロ(思ったよりもやるな…。こいつ…)


今度は警備隊員が2人同時に襲いかかる。


ラグア(試してみよう)


ラグアは魔力を高め、腕を振った。

彼の手から放たれたもの。

それは、一瞬で肉を焦がす猛烈な炎。


警備隊員D&E「ぎゃああああ!!!」


◇ 警備隊員Dに3016のダメージ。

◇ 警備隊員Eに2893のダメージ。

◇ 警備隊員D、Eを倒した。

◇ ラグアは戦いに勝利した。

◇ ラグアはレベルが上がった。(レベル25→26)

◇ ラグアは王火を習得した。


ラグア(よし、これだ。思い出したぞ!)

警備隊員たち「…!!」

ヤシヤロ(こいつ…魔術も使えるのか…)

ザンタク「おいおい…こいつは…どういうことだ…?」


警備隊員たちは腰が引けていた。

ラグアは悠然と歩き、間合いをつめていく。

そして、1人、また1人と斬り伏せていく。


警備隊員F「あう!」

警備隊員G「くう!」


◇ 警備隊員Fに2111のダメージ。

◇ 警備隊員Gに2003のダメージ。

◇ 警備隊員F、Gを倒した。


ラグア(久しぶりにやってみよう)


1人の警備隊員に狙いを定める。


警備隊員H「…え?」


全身を躍動させ、3回の斬撃を敵に叩き込む。

三連剣撃。

二連剣撃を発展させた大技。

見事に決まる。

標的となった警備隊員は崩れ落ちた。

ボロ切れのような姿で。

◇ 警備隊員Hに5394のダメージ。

◇ 警備隊員Hを倒した。

◇ ラグアは戦いに勝利した。

◇ ラグアはレベルが上がった。(レベル26 → 27)

◇ ラグアは三連剣撃を習得した。


ラグア「よし、調子が出てきたぞ」


焦りの色を隠せないザンタク。

ヤシヤロの背中を叩く。


ザンタク「…おい!…どうする…!

 いいのか…これで…!」

ヤシヤロ「…う…うるせえ…!」


ヤシヤロは額に汗を浮かべてラグアを見る。


ヤシヤロ(なんだ!なんなんだ…!

 こいつは…!一体!!

 さっきの魔術といい…剣術といい…

 どうやらこいつは…

 ただのごろつきじゃねえようだ…!)


警備隊員たちは戦意を失いつつあった。

しかし、彼らは決して逃げ出さない。

震える手で武器を持つ。

目の前の敵に敢然と立ち向かう。

そんな彼らにラグアはさらに襲いかかる。



◇◇ ステータス ◇◇

◇ ラグア ◇

◇ レベル  27

◇ HP   2113/3186

◇ 攻撃

 32★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

  ★★★★★★★★★★★★

◇ 防御

 33★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

  ★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ

 34★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

  ★★★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力

  33★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

  ★★★★★★★★★★★★★

◇ 秘力  14★★★★★★★★★★★★★★

◇ 装備  古代王の剣、破壊の矛、安定の玉、古代王の鎧

◇ 技   二連剣撃、三連剣撃

◇ 魔術  火弾、火球、火砲、王火

      雷弾、雷球、雷砲

      岩弾、岩球、岩砲

      光玉、治療魔術、再生魔術

◇ 秘術  白剣


◇◇ 敵ステータス ◇◇

◇ ホトラ町警備隊員 ◇

◇ レベル 10

◇ HP   353

◇ 攻撃  6★★★★★★

◇ 防御  8★★★★★★★★

◇ 素早さ 4★★★★

◇ 魔力  

◇ 装備  鋼の短剣、革の防護衣

◇ 技   


◇ ヤシヤロ ◇

◇ レベル 29

◇ HP   1836

◇ 攻撃

 20★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 防御

 19★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 15★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力  2★★

◇ 装備  朱鋼剣、耐火防護衣

◇ 技   波頭斬り

◇ 魔術  火弾


◇ 正査院検査官(南西地方担当部) ◇

◇ レベル 8

◇ HP   292

◇ 攻撃  4★★★★

◇ 防御  6★★★★★★

◇ 素早さ 5★★★★★

◇ 魔力  

◇ 装備  小型護身剣、軽量護身衣

◇ 技   


◇ ザンタク ◇

◇ レベル 24

◇ HP   1299

◇ 攻撃  14★★★★★★★★★★★★★★

◇ 防御  16★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 10★★★★★★★★★★

◇ 魔力  3★★★

◇ 装備  衛明剣、強化防護衣

◇ 技   大進剣

◇ 魔術  氷弾


◇ ヨシナガ(ホトラ町警備隊副隊長) ◇

◇ レベル 17

◇ HP   844

◇ 攻撃

 18★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 防御  11★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 13★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力  1★

◇ 装備  細長曲剣、軽量護身衣

◇ 技   夢者苦捨むしゃくしゃ斬り

◇ 魔術  火弾

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