第13話 火砲
廃村ダブカを目指すアルジたち。
ジゴクイヌ、オオツメネコ、岩石魔人。
現れる敵を次々と倒して進んできた。
エミカが深刻な顔でアルジに言う。
エミカ「…ここはやはり危険だ。
この先、あの人たちが持つのか心配だ」
アルジ「………」
オオデン「おーい!」
剣を振り上げて歩いてくるオオデン。
その後ろにノゴウ。
彼はよたよたと歩いている。
今にも倒れてしまいそうだった。
オオデン「よくやった。
さっきの怪物との戦い見ていたぞ」
アルジ「………」
オオデン「今のお前の実力は
ワノエ警備隊でも十分通用する。
オレの全盛期と同じくらい強いかもな」
アルジ「そうかな」
オオデン「ああ!自信を持て!」
エミカ「オオデンさん、ノゴウさん、
聞いてくれ」
オオデン「どうした?」
ノゴウ「………」
エミカ「今日はもう帰らないか?」
オオデン「…なんだと?」
ノゴウ「………」
エミカ「さっきから強い敵が出てくる…。
今日はもう帰って改めて準備をして、
それで、また別な日に…」
オオデンの顔が見る見る赤くなる。
オオデン「またその話か!!」
ノゴウ「しつこいぞ…!」
オオデン「ワノエ警備隊の戦士を侮辱するな!」
ノゴウ「魔術師は黙ってろ!!」
エミカ「…!」
オオデン「さっきはオレたちの獲物を
横取りしやがって!」
ノゴウ「あんなネコ…
やろうと思えばやれましたよね!」
オオデン「ああ!
まったく余計なことをしてくれた!
オレだったら、あの状況ではもっと…」
アルジ「うるせえ!!!!」
オオデン&ノゴウ「!!?」
アルジ「…オレたちは心配してるんだ。
廃村ダブカ。思ってた以上にやばい。
さっきの魔生体は特にやばかった。
多分…カクノオウはもっと強いんだろう。
この先、本当に行けるのか?戦えるのか?
もしも、自信がないのなら…今ここで…
引き返そうぜ」
オオデンはアルジに詰め寄る。
不快感をあらわにしながら。
オオデン「おい、アルジ。
なめたことを言うんじゃない…。
オレが少し認めたから偉くなったつもりか?」
オオデンの顔は真剣に戦う者の顔。
本当の強者しか持ち得ない迫力があった。
アルジ「………」
オオデン「カクノオウはオレがやる。
そんなにやばいと言うんなら、
お前は離れて見てればいい」
オオデンは身を翻して歩き出す。
オオデン「さあ、行くぞ。あと少しで着く」
アルジ「あと少し…」
アルジたちはさらに進む。
目印にしていた巨木を通り過ぎる。
いくつもの廃屋が目の前に現れる。
どれも伸びた草木に覆われている。
それらの間を通って進む。
エミカ「寂しいところだ」
アルジ「気味が悪いぜ」
廃村ダブカ。
そこは、人々に見捨てられた場所。
アルジは現地を歩いて思い知る。
アルジ「!!あれは…」
奥の方に大きな館が建っている。
その館の周りだけ草木が茂っていない。
オオデン「あれだ」
アルジ「あれが…」
オオデン「強盗団の隠れ家だ」
意気揚々と館へ向かうオオデンとノゴウ。
エミカはアルジをひっそりと呼び寄せる。
エミカ「アルジ…!」
アルジ「…え?」
声を潜めて問いかける。
エミカ「どうするんだ…!来てしまったぞ…!
本当にカクノオウを倒せると思うのか…!?」
アルジ「オレは…」
エミカ「オレは…?」
アルジ「2人を信じたい…」
エミカ「信じたい…?何を言ってるんだ…!」
アルジ「オオデンの目…あれは本気だった…」
エミカ「本気って…!気持ちだけで…!
勝てると思うのか…!」
アルジ「いや…」
エミカ「そうだろ…!」
アルジ「いや…あの2人には…何か…
秘策が…オレたちの知らない…
すごい秘策があるのかもしれないぜ…」
エミカ「あるわけないだろ…!そんなの…!」
アルジ「………」
オオデンが振り向く。
オオデン「おい、何してるんだ!?
2人でコソコソと!」
アルジ「いや、なんでもない!行こうぜ」
エミカ「………」
館に近づくと、空が急に暗くなる。
何かの鳴き声が辺りに響く。
アルジたちは空を見上げる。
巨大な鳥が群れを成し、旋回していた。
鳥の名前はイカリワシ。
攻撃的な性格の猛禽類。
1羽が急降下し、襲いかかってくる。
ノゴウ「うわあああ!!」
鋭いかぎ爪がノゴウを攻める。
オオデン「ぬん!!」
オオデンが短剣を振る。
イカリワシは空へ飛んで逃げていった。
オオデンの斬撃は当たらなかった。
オオデン「これではだめだ!」
イカリワシたちは上空で輪を描く。
次の攻撃の機会を探っているかのよう。
アルジ「全部で20羽くらいいるぜ…!」
オオデン「無理だ…!強い弓矢でもないと…!」
ノゴウ「せっかくここまで来たのに!クソ!!」
オオデン「隠れ家まで行けたら…!
あとはこっちのものなんだが…!」
悔しがるオオデンとノゴウ。
エミカはそんな彼らを見て思う。
エミカ(秘策…か。
アルジの言うことを…信じてみようか)
アルジ「クソ!!剣がとどかない!!
魔術が使えたら!オレも使えたら…!」
エミカ「みんな!伏せろ!!」
アルジ&オオデン&ノゴウ「!!!?」
エミカは杖を天に向ける。
精一杯、魔力を高める。
そして、高めた魔力を火に変える。
エミカ(…今の私にできるだろうか?
いや…!やるしかない!!私の魔力よ…!
お願い!!もっと激しく高まって!!
そのまま…熱く燃えて飛び上がれっ!!)
エミカは体中の魔力を杖に集める。
火柱が杖から吹き出した。
アルジ「うお!!」
オオデン&ノゴウ「!!!?」
勢いよく昇っていき、空を焼く。
エミカは高く上げた杖をそっと下ろす。
ぼとり、ぼとりと黒い塊が空から落ちてくる。
それらは、焼け焦げて息絶えたイカリワシ。
◇ イカリワシAに197のダメージ。
◇ イカリワシBに203のダメージ。
◇ イカリワシCに211のダメージ。
◇ イカリワシDに199のダメージ。
◇ イカリワシEに191のダメージ。
◇ イカリワシFに193のダメージ。
◇ イカリワシGに201のダメージ。
◇ イカリワシHに234のダメージ。
◇ イカリワシIに217のダメージ。
◇ イカリワシJに224のダメージ。
◇ イカリワシKに253のダメージ。
◇ イカリワシLに189のダメージ。
◇ イカリワシMに196のダメージ。
◇ イカリワシNに188のダメージ。
◇ イカリワシOに179のダメージ。
◇ イカリワシPに201のダメージ。
◇ イカリワシQに239のダメージ。
◇ イカリワシRに244のダメージ。
◇ イカリワシSに186のダメージ。
◇ イカリワシTに183のダメージ。
◇ イカリワシUに220のダメージ。
◇ イカリワシVに262のダメージ。
◇ イカリワシA〜Vを倒した。
◇ アルジたちは戦いに勝利した。
◇ エミカはレベルが上がった。(レベル5→6)
◇ エミカは火砲を習得した。
オオデン「信じられん…!」
エミカ「これが…魔術の力だ」
オオデン「すまなかった」
エミカ「………」
オオデン「オレは見くびっていた…。
魔術を…君の実力を…すまなかった」
ノゴウ「…魔術…すごいな…!」
アルジ「やるな!これならカクノオウも…」
エミカ「アルジ」
アルジ「…ん?」
エミカ「私はもう…魔力切れだ。
今日のところは、私はもう戦えない」
アルジ「…そっか。なら、あとは任せてくれ」
アルジは館をにらみつける。
カクノオウが住むその館を。
◇◇ ステータス ◇◇
◇ アルジ ◇
◇ レベル 6
◇ HP 98/223
◇ 攻撃 10★★★★★★★★★★
◇ 防御 5★★★★★
◇ 素早さ 6★★★★★★
◇ 魔力 1★
◇ 装備 勇気の剣、革の鎧
◇ 技 円月斬り
◇ エミカ ◇
◇ レベル 6
◇ HP 127/192
◇ 攻撃 3★★★
◇ 防御 3★★★
◇ 素早さ 7★★★★★★★
◇ 魔力 9★★★★★★★★★
◇ 装備 術師の杖、術師の服
◇ 魔術 火球、火砲
◇ オオデン ◇
◇ レベル 10
◇ HP 328/336
◇ 攻撃 4★★★★
◇ 防御 4★★★★
◇ 素早さ 3★★★
◇ 魔力 2★★
◇ 装備 鉄の短剣、錆びた鎧
◇ ノゴウ ◇
◇ レベル 6
◇ HP 3/63
◇ 攻撃 3★★★
◇ 防御 2★★
◇ 素早さ 4★★★★
◇ 魔力
◇ 装備 鉄の剣、鉄の鎧
◇ 持ち物 ◇
◇ 治療薬 8
◇◇ 敵ステータス ◇◇
◇ イカリワシ ◇
◇ レベル 9
◇ HP 144
◇ 攻撃 7★★★★★★★
◇ 防御 3★★★
◇ 素早さ 12★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力 1★