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アルジ往戦記  作者: roak
128/300

第128話 称号

アルジは答える。


アルジ「これは罪滅ぼしなんかじゃない。

 それにオレは…取引なんてしていない」

ギンタロウ「だったらなんだ?」

アルジ「創造の杖は闇の魔術で奪われたんだ」

ギンタロウ「闇の魔術ねぇ…」

アルジ「持ち主のリネは…精神操作で…

 心を操られて渡してしまった。創造の杖を。

 渡した相手はロニじゃない、別な魔術師だ。

 そいつは…」

ギンタロウ「ふう…」


深いため息をつくギンタロウ。


アルジ「………」

ギンタロウ「まあいい!」

アルジ「…?」

ギンタロウ「別におめえの過ちを

 とがめに来たわけじゃねえからな」

アルジ「なら何しにきた?」


深刻な顔つきになるギンタロウ。


ギンタロウ「教えろ。

 このあと一体何が起こる?」

アルジ「………」


スギヤが1歩前に出てくる。


スギヤ「ここまでは大体想像できていた。

 さっきゼナクが言っていたことも

 大体オレたちの考えてたとおりだった」

アルジ&エミカ「………」

スギヤ「だが、重大なことが隠されている。

 そんな気がしてならない」

アルジ&エミカ「………」

スギヤ「さっきのゼナクの説明もそうだ。

 あいつの説明は嘘ではない。

 だが、何かが隠されている。

 重大な何かが。そんな気がした。

 君たちは知っているのかもしれない。

 その情報を。そう思った。

 だからこうして声をかけている。

 星の秘宝とはなんだ?

 ロニという魔術師は何者だ?

 何を考えて魔獣を生み出している?

 どうして大陸に混乱をもたらしている?

 まさかただの愉快犯ではないだろう。

 何か狙いがあってやっているに違いない。

 そして、その狙いは…

 小さなものであるはずがない。

 今のこの混乱ぶりを見るに、

 その狙いは…政府の打倒…大陸の支配…

 そのぐらいのものでもおかしくはない。

 君たちは、何か知ってるんじゃないのか?

 これから何が起きるのか。そして…

 それに備えて何をしなければならないのか」


アルジとエミカに向けられる。

ギンタロウたち6人の視線が。

彼らは強く求めている。

アルジとエミカが持っている情報を。


アルジ&エミカ「………」


ギンタロウが提案する。


ギンタロウ「どうだ。

 もしオレたちに教えるなら、

 お前たちを仲間にしてもいいぜ!」

アルジ「………」

ギンタロウ「オレたちは4班だ。

 仲間になるならオレが引っ張り上げてやる!

 10班、9班から、一気に4班の班員だ!!

 タキマイに話をすれば、おそらく可能だ。

 そうすれば、お前らも前の方で狩りができる!

 でかい獲物を狙うには有利になるだろう。

 タキマイ派の狩場は解禁されたが、

 10班にいたら残り物にもありつけねえ!

 おい、9班のあんた!あんたもどうだ!!」

エミカ「………」

ギンタロウ「どうなんだ!

 悪い話じゃないだろ?

 お前らが望んだとおりの展開だ!!

 この提案、乗らない理由がねえじゃねえか」


アルジはエミカの顔を見る。

エミカはうなずく。

アルジはギンタロウに言った。


アルジ「…魔真体だ」

ギンタロウ「あ?なんだ?」

アルジ「魔真体だ。

 もっとやばいやつが今後現われる」

ギンタロウ「なんだ?

 そんなもんは聞いたことがねえな。

 そいつは魔獣か?」

アルジ「魔生体らしい」


スギヤの顔が青ざめる。


アルジ「星の秘宝は…

 魔真体を呼び覚ますための道具なんだ」

ギンタロウ「じゃあロニってやつは…?」

アルジ「魔真体を起こそうとしている。

 起こすには…3つの宝が必要。

 安定の玉、創造の杖、破壊の矛。

 3を捧げることで、そいつは目覚めるらしい」

ギンタロウ「目覚めたらどうなる?」

アルジ「何が起こるかはオレも知らない。

 魔術研究所のホジタが言うには、

 そいつは古代王国を壊滅させたらしい。

 そして…」

スギヤ「大陸に暗黒時代が訪れた」

アルジ&エミカ「………」

スギヤ「そうだろう」


ギンタロウはスギヤを見る。


ギンタロウ「知ってんのか?」

スギヤ「聞きかじった程度だ。

 同じ研究室にノイ地方出身のやつがいた。

 そいつから1度だけ聞いた。

 だが、根拠のない空論だ。

 そんなことを学術界で真面目に論じれば、

 変人扱い間違いなしだ。

 永久追放されるかもしれない。

 それぐらい突飛で馬鹿げた説。

 暗黒時代の到来は環境変動説が定説だから」

アルジ「だが…」

スギヤ「ああ、そうだ。

 今、実際に…突飛で馬鹿げたことが起きている」

ギンタロウ「まだ大丈夫なんだろ?」

アルジ「…何が?」

ギンタロウ「安定の玉はお前が持ってる。

 魔真体を起こすには3つ必要。

 なら、大丈夫じゃねえか」

アルジ「持ってない」

ギンタロウ「?」

アルジ「取引してないってさっき言っただろ」

ギンタロウ「となると…」

アルジ「安定の玉も創造の杖も

 ロニたちに奪われた」

ギンタロウ「まずいじゃねえか」

アルジ「あと、破壊の矛も」

ギンタロウ「だめじゃねえか!!!」


その大声に周囲の猟師たちが注目した。

ギンタロウは慌てて猟師たちに向かって言う。


ギンタロウ「おっと!!気にすんな!!

 なんでもねえ!!」

猟師たち「………」


罠の達人ムエナが聞く。


ムエナ「ちょっと待ってよ」

アルジ「なんだ」

ムエナ「『ロニたち』って、どういうこと?

 『やつら』って、一体誰?」


アルジは答える。


アルジ「自在の魔調教師ロニ。

 もう1人は無欠の魔道戦士ラグアだ」

ギンタロウ「ほう…」

スギヤ「え?」

エミカ「………」


ギンタロウはニヤリと笑う。


ギンタロウ「趣味の悪い称号だ」

ワカオ&ムエナ&イサグモ&スミレノ「………」

スギヤ(歩く獣図鑑よりマシだろ)

アルジ「ちなみにその仲間、

 深淵の闇魔術師マスタスは昨日死んだ。

 オレたちの仲間が…命がけで倒した」

ギンタロウ「おいおい…

 その称号は特に最悪だな!」

ワカオ「おい、ギンタロウ」

ギンタロウ「なんだ?」

ワカオ「今はそんな話をしてる場合じゃないだろ」

ギンタロウ「ああ、そうだったな。悪い、悪い。

 称号のことになると、ついな。へへへ…」

アルジ「………」


ムエナが前へ出て問いかける。


ムエナ「で、結局誰なの?そいつらって」

アルジ「ノイ民らしい。

 古代王国の復興のために

 魔真体を呼び覚まそうとしてるらしい。

 オレが知ってるのはここまでだ」


沈黙が訪れる。

魔真体のこと。

星の秘宝のこと。

ラグアとロニのこと。

ギンタロウたちは考える。


ギンタロウ「分かった。

 今はまずオオトノラコアだな!

 魔真体を心配する前に

 まずはこいつをぶっ倒さなきゃな!」


うなずく5人の仲間たち。

ギンタロウはアルジとエミカに言う。


ギンタロウ「教えてくれた礼だ!

 さあ、仲間に入れてやる」

アルジ「いや、やめておくよ」

ギンタロウ「は…?」



◇◇ ステータス ◇◇

◇ アルジ ◇

◇ レベル 23

◇ HP   2277/2277

◇ 攻撃

 34★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★

◇ 防御

 26★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★

◇ 素早さ

 28★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★

◇ 魔力  5★★★★★

◇ 装備  勇気の剣、雅繊維戦衣がせんいせんい

◇ 技   円月斬り、剛刃波状斬撃、朔月斬り

◇ 魔術  雷動


◇ エミカ ◇

◇ レベル 19

◇ HP   1452/1452

◇ 攻撃  9★★★★★★★★★

◇ 防御

  26★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★

◇ 素早さ

  18★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力

  39★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 装備  天界石の杖、濃色魔術衣

◇ 魔術  火球、火砲、火樹、火海、王火

      氷弾、氷柱、氷乱、氷渦、王氷

      雷弾、雷砲、雷柱、王雷

      岩弾、岩砲、岩壁、王岩

      光玉、治療魔術、再生魔術


◇ 持ち物 ◇

◇ 治療魔術薬 10、魔力回復薬 20


◇◇ 敵ステータス ◇◇

◇ ギンタロウ(南国首位猟師) ◇

◇ レベル 26

◇ HP   1600

◇ 攻撃  

 20★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 防御

 22★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★

◇ 素早さ 

  20★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力

 11★★★★★★★★★★★

◇ 装備

 草緑槍、青天弓、狩猟王の短剣、南国式手斧、

  硬毛武術衣

◇ 技

  猛襲連撃、潜行探知、竜頭槍撃、蛇尾斧撃

◇ 魔術  岩弾、岩砲


◇ ワカオ(剛腕剣士) ◇

◇ レベル 23

◇ HP   1338

◇ 攻撃

 31★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★

◇ 防御  11★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 14★★★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力  4★★★★

◇ 装備  長刃猟剣、獣甲戦闘着

◇ 技   巨獣両断撃、甲殻破壊剣、狼牙連撃剣、返身天心斬

◇ 魔術  火弾


◇ ムエナ(罠の達人) ◇

◇ レベル 25

◇ HP   625

◇ 攻撃  7★★★★★★★

◇ 防御  12★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 

 29★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★

◇ 魔力  9★★★★★★★★★

◇ 装備  精巧弓、裏装小刃、暗空猟衣

◇ 技   隠し刃のにわか雨

◇ 魔術  氷弾


◇ スミレノ(光の援護者) ◇

◇ レベル 23

◇ HP   544

◇ 攻撃  3★★★

◇ 防御  12★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 

 17★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力  

 23★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★

◇ 装備  古世木の杖、心躍魔術衣

◇ 魔術  氷弾、氷刃、氷壁

      光玉、治療魔術、再生魔術


◇ イサグモ(闇の策士) ◇

◇ レベル 28

◇ HP   883

◇ 攻撃  7★★★★★★★

◇ 防御  14★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 14★★★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力

 29★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★

◇ 装備  黒水晶の杖、影想魔術衣

◇ 魔術  暗球、精神操作、五感鈍化、猛威減衰術


◇ スギヤ(歩く獣図鑑) ◇

◇ レベル 21

◇ HP   390

◇ 攻撃  8★★★★★★★★

◇ 防御  11★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 14★★★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力  10★★★★★★★★★★

◇ 装備  怪牙の小剣、硬鱗狩猟衣

◇ 魔術  岩弾、岩砲

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