表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルジ往戦記  作者: roak
12/300

第12話 怪物

地面を強く蹴る音。

1頭の獣が宙を舞う。

次の瞬間。

鋭い爪がノゴウの背中を襲った。


ノゴウ「うあー!!!」


ノゴウは地面に倒れ込む。

鎧に守られ、かろうじて死を回避。

◇ ノゴウに18のダメージ。(HP21→3)

肩を貸していたオオデンも一緒に倒れ込む。

◇ オオデンに8のダメージ。(HP336→328)

ノゴウに襲いかかったのはオオツメネコ。

もともとは人家で飼われていた小型の獣。

繁殖力が非常に強い。

大量に子が生まれ、飼育できなくなる者が続出。

その結果、野山に大量に放たれた。

そして、野生化し、凶暴化、大型化。

駆除すべき害獣と化してしまった。

現れたオオツメネコは3頭の子を連れている。

子といっても成獣とほとんど同じ大きさ。


アルジ「今行くぜ!!」


アルジは走り出す。

だが、すぐに立ち止まる。

アルジは感じた。

背後により大きな魔力を。


アルジ「エミカ、オオデンとノゴウは任せた」

エミカ「あれを1人でやるつもりか…?」


アルジは振り向く。

近くの岩の壁をにらみつける。

その壁は強い魔力を放っていた。

壁から徐々に浮き上がる姿。

ぱらぱらと音を立て、それは立ち上がる。


挿絵(By みてみん)


エミカ「あれは今までの魔獣たちとは格が違う!

 魔生体ませいたいだ!魔力で作られた怪物だ!」

アルジ「魔生体…。そんなのがあるのか。

 大丈夫だ。倒してみせる!!」


アルジの目が輝く。

勇気の剣が光り出す。


エミカ「!!」


その怪物は岩石魔人。

岩や泥に魔力を込めて生み出された。

生み出すには強い魔力が必要。

その背丈は、アルジの倍以上。

灰色のごつごつした体表は非常に硬い。

圧倒的な存在感で迫ってくる。

アルジは臆することなく剣を構える。


アルジ「向こうが終わったら手伝ってくれ!」

エミカ「分かった!それまでやられるなよ!!」


杖の先に火球を生み出してエミカは走り出す。

オオデンとノゴウのところへ。


アルジ「いつでも来い!」


岩石魔人が動き出す。

光る2つの丸い目でアルジを見下ろす。

大きく腕を振った。

パラパラと何かが降り出す。


アルジ「!!?」


最初は砂粒ほどの大きさだったその物体。

徐々に大きくなっていく。

やがてアルジの手のひらほどの大きさに。

ドッ、ドッ、ドッと地面にぶつかる音がする。

アルジの近くにいくつも落ちる。

それらは、石の粒。

落下の速度が増していく。

1個1個の粒が大きな破壊力を持つ。

降ってきたいくつかの石をアルジはかわす。


アルジ(これも魔術なのか!?)


勇気の剣を振って対抗。

いくつかの石を砕き、跳ね返す。

さらに、いくつかの石は左右に跳んで避けた。

やむことがない岩石魔人の攻撃。


アルジ(このままじゃ…やられるだけ…!)


走り出して回り込む。

岩石魔人の背後へ。

体の大きな岩石魔人。

その動きは鈍かった。


アルジ(もらった!)


横腹を大きく斬りつける。

刃と体表が激しく擦れ合う。

表面にごく浅い傷がついただけ。

◇ 岩石魔人に1のダメージ。

再び大量の石がアルジを襲う。


アルジ「くっ!」


後ろに跳ねてかわそうとする。

だが、1個が右の肩に当たる。

激痛に思わず身をかがめる。

肩を手で押さえて苦しむ。

◇ アルジに47のダメージ。(HP145→98)


アルジ「クソッ!!」


落ち続ける石の粒。

後方へ跳ねて距離をとる。

石が降る範囲は限られていた。

遠ざかると近くに降ってこない。

2つの丸い目でアルジを見る岩石魔人。

石を降らせるのをやめて近づいてくる。


アルジ(近づけば、また石の雨…。

 その前に見つけるんだ。あいつの弱点を!)


アルジはよく観察した。

歩いてくる岩石魔人の姿を。

そして、気づく。


アルジ(…小さくなってる?)


岩石魔人の体は縮んでいた。

現れたときはアルジの倍以上の大きさ。

今もアルジより大きい。

だが、その背丈は倍まではない。


アルジ(石の雨を…

 自分の体を削って降らせていた…?

 もっと降らせてやるか!?

 あいつの体がなくなるまで…!)


大きな歩幅で迫ってくる岩石魔人。

その速度は思いのほか速い。

アルジは後退し続ける。

安全な距離を保つために。


アルジ「…!!」


宙に浮かぶ。

地面に降ったいくつもの石の粒が。

浮かんだそれらは吸い寄せられる。

岩石魔人の体に。

くっつき、体の一部となっていく。


アルジ(…雨はいくらでも降らせられるわけか。

 降らせる作戦はやめだ!

 だが…それなら一体どうしたら…)


距離を取り続けるアルジ。

岩石魔人は攻め方を変える。

力強く地面を蹴って突進してきた。

アルジに体当たりを仕掛ける。


アルジ(遅いぜ!!)


横に跳んでひらりとかわす。

体当たりは失敗に終わる。

アルジは素早く振り向く。

岩石魔人を見る。

岩石魔人は背を向けていた。


アルジ「…!」


次の瞬間、首がぐるりと反転。

岩石魔人は目を光らせてアルジを見る。


アルジ「そうか…!」


再び距離を詰めてくる。

アルジは一直線に駆けた。

思いついた攻め方を試すため。

肩の痛みに耐えながら力強く剣を振った。


アルジ(そこだ!)


狙ったのは膝の部分。

右脚の膝から下が斬り離される。

関節部分は軟らかくできていた。

岩石魔人を滑らかに動かすため。

アルジはそこを狙って斬ったのだった。

◇ 岩石魔人に135のダメージ。

体勢を崩し、地面に倒れ込む岩石魔人。

左膝も斬る。

◇ 岩石魔人に148のダメージ。

次に、右の肩を斬り離す。

◇ 岩石魔人に154のダメージ。

その次は、左の肩。

◇ 岩石魔人に173のダメージ。

一気に攻め倒した。


アルジ「うおおおお!!」


最後は円月斬りで首を断つ。

◇ 岩石魔人に191のダメージ。

岩石魔人の目から光が失われていく。

◇ 岩石魔人を倒した。

◇ アルジは戦いに勝利した。

◇ アルジはレベルが上がった。(レベル5→6)

アルジの元へ駆けてくるエミカ。


エミカ「もう終わったのか!?」

アルジ「ああ、そっちも済んだか?」

エミカ「全部倒した」

アルジ「さすがだな」

エミカ「だけど…」

アルジ「どうした?」



◇◇ ステータス ◇◇

◇ アルジ ◇

◇ レベル 6

◇ HP   98/223

◇ 攻撃  10★★★★★★★★★★

◇ 防御  5★★★★★

◇ 素早さ 6★★★★★★

◇ 魔力  1★

◇ 装備  勇気の剣、革の鎧

◇ 技   円月斬り


◇ エミカ ◇

◇ レベル 5

◇ HP   127/141

◇ 攻撃  2★★

◇ 防御  2★★

◇ 素早さ 6★★★★★★

◇ 魔力  8★★★★★★★★

◇ 装備  術師の杖、術師の服

◇ 魔術  火球


◇ オオデン ◇

◇ レベル 10

◇ HP   328/336

◇ 攻撃  4★★★★

◇ 防御  4★★★★

◇ 素早さ 3★★★

◇ 魔力  2★★

◇ 装備  鉄の短剣、錆びた鎧


◇ ノゴウ ◇

◇ レベル 6

◇ HP   3/63

◇ 攻撃  3★★★

◇ 防御  2★★

◇ 素早さ 4★★★★

◇ 魔力  

◇ 装備  鉄の剣、鉄の鎧


◇ 持ち物 ◇

◇ 治療薬 8


◇◇ 敵ステータス ◇◇

◇ 岩石魔人 ◇

◇ レベル 15

◇ HP   706

◇ 攻撃  9★★★★★★★★★

◇ 防御  16★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 3★★★

◇ 魔力  11★★★★★★★★★★★

◇ 魔術  石の雨

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ