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アルジ往戦記  作者: roak
11/300

第11話 異端

廃村ダブカを目指すアルジたち。

歩きながらアルジはエミカに打ち明ける。

タラノスについて3つの分からないことを。


アルジ「1つ目は、先生が生きてるってこと」

エミカ「うん」

アルジ「2つ目は、先生が魔術を使うこと」

エミカ「ああ」

アルジ「そして、3つ目は…

 先生が強盗を働くようになったってことだ」

エミカ「………」


廃村ダブカまでの道。

それは、人通りのない荒れた道。

高く伸びた草をかき分ける。

大きな起伏をいくつも越える。

オオデンとノゴウはぐんぐん進んでいく。

離されないようについていく。


エミカ「…先生は本当に死んだのか?」

アルジ「3年前、ゼゼ山で魔獣に襲われた。

 あのとき先生が魔獣を引きつけてくれたから

 逃げることができた。マサもトアもオレも…。

 そのとき、先生はおそらく魔獣にやられた」

エミカ「遺体は見つかったのか?」

アルジ「いや…。見つかってない。

 村の人たちで集まって山の中を探したけど、

 先生の持ち物1つも見つからなかった」

エミカ「………」

アルジ「でも、生きてるとは思えない。

 恐ろしく強い魔獣だったから…」

エミカ「2つ目の魔術を使うっていうのは?」

アルジ「先生は言ってたんだ。

 オレは魔術に向いてないって。

 魔術書を読んだけど、だめだったって。

 それなのにどうして雷の魔術なんて…」

エミカ「誰かに教わったのかもしれない」

アルジ「誰だろう?」

エミカ「それは分からない」

アルジ「………」

エミカ「いい指導者に出会えたおかげで

 魔術が急に使えるようになることは

 ありえないことじゃないよ」

アルジ「…そうか」

エミカ「3つ目は…?」

アルジ「先生は…心優しい人だ。

 生徒思いで、いつも弱い者の味方で。

 そんな先生が強盗するなんて信じられない」

エミカ「…そうか」

アルジ「ああ」

エミカ「…私は知ってるかもしれない」

アルジ「…え?」

エミカ「アルジの先生の身に何があったのか。

 その答えを知ってるかもしれない」

アルジ「どういうことだ…?」

エミカ「そういう魔術があるんだ。

 もしかするとアルジの先生は…」

ノゴウ「ぐわああああああああああああ!!!」


前方からノゴウの叫び声。

彼は深い茂みの向こうにいた。

何が起きたのか。

アルジたちには見えない。

草をかき分け、駆け寄る。


アルジ&エミカ「!!」


ノゴウはうずくまっていた。

負傷した腹を手で押さえながら。

そのすぐそばで剣を構えるオオデン。

彼の視線の先には、2頭のジゴクイヌ。

鋭い牙を持つ凶暴な大型の野犬。

魔力を浴びたことで魔獣化していた。


挿絵(By みてみん)


オオデン「敵の縄張りに入ったようだ!」

アルジ「番犬のお出ましってところか」

エミカ「さっさと倒してしまおう」


ジゴクイヌの1頭がエミカに跳びかかる。

彼女の首にかみつこうと口を開けた瞬間。

杖から勢いよく放たれる火球。

ジゴクイヌの口の中に入り、体内を焼く。

◇ ジゴクイヌAに113のダメージ。

◇ ジゴクイヌAを倒した。


オオデン「…なかなかの魔術!」


アルジは勇気の剣を構える。

もう1頭のジゴクイヌに近づいていく。

わずかな隙を突き、素早く頭部を斬り払う。

◇ ジゴクイヌBに109のダメージ。

◇ ジゴクイヌBを倒した。

◇ アルジたちは戦いに勝利した。

◇ アルジはレベルが上がった。(レベル4→5)

◇ エミカはレベルが上がった。(レベル4→5)


オオデン「…まあまあの斬撃だ!」

ノゴウ「フウ…!フウ…!」

オオデン「ノゴウ!しっかりしろ」

アルジ「この治療薬を使ってくれ」

オオデン「感謝する!」

ノゴウ「フウ…!フウ…!フウ…!」


オオデンはノゴウに治療薬を使った。

◇ ノゴウはHPが7回復した。(HP14 → 21)


オオデン「くそっ!こんなところで!」

ノゴウ「フウ…フウ…ごめんなさい…」

エミカ「…力不足なんじゃないのか?」

ノゴウ「!!」

オオデン「…偉そうに!何を言う!貴様!!

 ワノエ警備隊は優秀な戦士たちの集まり!

 偉ぶるな!たかが魔術師が偉ぶるな!!」

エミカ「私は別に…!

 無理しないでほしいだけだ!

 出だしでこの強さの魔獣だ。

 もっと強い魔獣が出てくるかもしれない」

オオデン&ノゴウ「………」

アルジ「そうだ、無理しなくていいんだぜ。

 カクノオウもオレたちでなんとかする。

 まだ帰ろうと思えば帰れる。どうする?」


腹を押さえながら立ち上がるノゴウ。

顔は真っ青で肩も脚も震えている。

彼はアルジとエミカを見て言う。


ノゴウ「帰らない!!僕は帰らない!!

 決めたんだ!必ず復讐を果たすと!

 勝手に無理だと決めつけるな…!!」

エミカ「それなら…好きにすればいい」

アルジ「………」


オオデンがノゴウに肩を貸す。


オオデン「頼みがある」

アルジ「なんだ?」

オオデン「お前たちが前を歩いてくれ」

アルジ「この先の道は?」

オオデン「オレが後ろで指示する」

エミカ「………」

アルジ「分かった」

オオデン「恩に着る」

アルジ「番犬だろうとなんだろうと倒してやる」

エミカ「………」

アルジ「あんたたちは力をとっておいてくれ。

 カクノオウと戦うときのためにな!」

オオデン「ああ!助かる!!」


アルジたちは再び歩き出す。

カクノオウの隠れ家に向かって。

荒れた道の上を進む。


アルジ&エミカ「………」


しばらくしてアルジとエミカは振り返る。

オオデンとノゴウの姿を確かめる。

ノゴウはオオデンの肩を借りて歩く。

苦しそうな顔で進み続ける。

オオデンが大きな声で指示を出す。


オオデン「向こうに大きな木が見えるだろう!

 それに向かって歩け!」

アルジ「分かった」


道は開けてきている。

行く手を阻む茂みもない。


アルジ「答えってなんだ?」

エミカ「…え?」

アルジ「さっきの続きだ。

 タラノス先生に何が起きたのか。

 その答えを知ってるかもって言っただろ」

エミカ「ああ…」

アルジ「どういうことなんだ?」

エミカ「ある魔術が原因かもしれない」

アルジ「ある魔術…どんな魔術だ?」

エミカ「死者を生き返らせて力を与える。

 そして、心を操って悪人に変えてしまう。

 そういう魔術があるって聞いた」

アルジ「生き返らせて力を与えて心を操る…?」

エミカ「前にリネ先生から教えてもらった」

アルジ「そんな魔術が本当にあるのか?

 信じられないぜ」

エミカ「異端の魔術だ」

アルジ「そいつを先生に使ったとすれば…

 そうか…なるほど…そういうことか…!」

エミカ「………」

アルジ「誰なんだ…?そんな魔術を使うのは」

エミカ「マスタスという男」

アルジ「マスタス…」

エミカ「北土の魔術師だ」

アルジ「北土の魔術師…!」

オオデン「おーい!」


後ろから声が聞こえる。

アルジとエミカは振り返る。

手を振り、声を上げるオオデン。

ノゴウはぐったりしていた。


オオデン「おーい!!ちょっと待ってくれ!

 もっとゆっくり歩いてくれないか!」

アルジ「しょうがないな」


そのとき、アルジは見た。

オオデンの背後に獣の群れが忍び寄るのを。


アルジ「オオデン!後ろだ!!」

オオデン「え…?」



◇◇ ステータス ◇◇

◇ アルジ ◇

◇ レベル 5

◇ HP   145/172

◇ 攻撃  9★★★★★★★★★

◇ 防御  5★★★★★

◇ 素早さ 4★★★★

◇ 魔力  1★

◇ 装備  勇気の剣、革の鎧

◇ 技   円月斬り


◇ エミカ ◇

◇ レベル 5

◇ HP   127/141

◇ 攻撃  2★★

◇ 防御  2★★

◇ 素早さ 6★★★★★

◇ 魔力  8★★★★★★★★

◇ 装備  術師の杖、術師の服

◇ 魔術  火球


◇ オオデン ◇

◇ レベル 10

◇ HP   336/336

◇ 攻撃  4★★★★

◇ 防御  4★★★★

◇ 素早さ 3★★★

◇ 魔力  2★★

◇ 装備  鉄の短剣、錆びた鎧


◇ ノゴウ ◇

◇ レベル 6

◇ HP   21/63

◇ 攻撃  3★★★

◇ 防御  2★★

◇ 素早さ 4★★★★

◇ 魔力  

◇ 装備  鉄の剣、鉄の鎧


◇ 持ち物 ◇

◇ 治療薬 8


◇◇ 敵ステータス ◇◇

◇ ジゴクイヌ ◇

◇ レベル 7

◇ HP   106

◇ 攻撃  4★★★★

◇ 防御  4★★★★

◇ 素早さ 4★★★★

◇ 魔力  1★

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