洒落にならん怖い実話~白いの~
27才の俺が話18の時だからもう10年前の事か。
僕はビデオ・テープをデッキに挿入した。
大好きなエンタメムービーだ。
セーラー服を来た少女が中年男とベッドの上に座っている。
二人の距離はどんどん近くなる。
『ねぇ。ちょっと触ってみてよ』
『えー。どんどん硬くなるけどこれなにー?』
『ハァハァ。白いの出るから握って上下に……』
『おもしろーい』
あくまでもエンタメムービーだ。
内容は言わない。
……ふぅ。
そして10年後。現在。
僕はディスクをデッキに差し込んだ。
大好きなエンタメムービーだ。
和服の女と制服の少年がベッドの上に座っている
二人の距離はどんどん近くなる。
『ママァ。そこは触っちゃダメだよぉ』
『ふふふ。どんどん硬くなるわね』
『これなに?僕こんなの知らないよぉ』
『ふふふ。白いの出るから見せてごらん?』
あくまでエンタメムービーだ。
内容は言わないって言ってんだろ。
いい加減にしてくれませんか?
……ふぅ。
スッキリして冷静に鑑賞して俺は気がついてしまった。
『あのセーラー服の少女と和服の女は同一人物』だと。
「……あっ。あわわあわわ」
少女の役をやっていた彼女が熟女の役をしている!?
「あわわわわわわ!」
俺は慌てて洗面台に走り顔を洗った。
落ち着け。落ち着くんだ。
「ぎゃーーーっ!」
おじさんだ!鏡に写っているのはおじさんだぁ!
「……あっ。そうだ。俺って37のおじさんだったんだ」
女優が当時二十歳だったとするともう40か。
そうか。40は熟女か。
熟女……だよな。
あと10年もしたら……彼女は
『孫もいる五十路の熟女が久しぶりに見る若い男のうんぬんかんぬんを見て興奮してうんぬんかんぬん』
みたいな作品に出るのか?
時が経つのはっや。
こういんやがごとく。
俺は今からポケモンをやる。
寝ろよいい加減。