9.力試し
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「、、、これくらいで良いだろうか?」
頭からは12本の角をはやし、目が9色に光り、腕が片方3本ずつ、翼が1対生えている悪魔がそうつぶやいた。
俺である。
俺は大量の死体を食べた。
食べるたびに腕やら角やら生えて驚いたが、1番驚いたのは翼。
元は昆虫のように薄い羽が生えていたが、いつの間にか翼に変わっていた。
ちなみに、翼の先端からは炎やらよく分からない液体やらがあふれ出ている。
「まあ、食べながら行くか」
俺は、ついに空中へ出ることを決意した。
ここまで強くなれば、そうそう負けることはないはずだ。
というか、ここまで強くなっても負けるようでは、俺が生きていくのは無理なんじゃにかと思う。
多分、俺が最初にあった敵くらいなら一瞬で片付けられるんじゃないかと思っている。
「はむはむ」
そう考えて上へ進みながらも、進行方向にある死体を手当たり次第に食べていく。
俺は吸収した力の効果で、死体1つを丸呑みすることが可能になっていた。
吸収していく死体の効果なのか、俺の指から液体が出ている。
こうなってくると力の1つ1つは把握するのが難しそうだな。
ちなみに、食べている間に頭痛はしなくなった。
無効化できるようになった、というよりは、なれた、という方が正しいだろう。
数百、いや、数千体も食べれば嫌でもなれるだろう。
「おっ!」
俺の視界に空が見える。
まぶしい光が入ってきて、思わず目を覆う。
ということもなく、外も相変わらず暗かった。
この世界には光なんてないんだろう。
「ギョオオォォォ!!」
久しぶりに声が聞こえる。
俺は敵を認識しようと振り向いた。
だが、俺が敵を捕らえた瞬間、的は消滅した。
他に敵がいるのかと辺りを警戒したが、誰もいないようだ。
そして、
ボワァァ。
「温か、くはないか」
俺の何かが強くなる感覚があった。
ハッキリした理由は分からないが、敵を倒したからじゃないかと思う。
それしかやってないからな。
・・・。
俺はその後もしばらく、ザコを刈り続けていた。
俺が見るだけで消えちゃうから、死体を食べることすらできない。
どうにか力を押さえられないだろうか。
そう思っていると、
「クヒヒヒヒヒッ!」
「ヒャヒャヒャヒャヒャ!」