84.大罪と美徳
「どうした?」
突然黙った俺にウユリが首をかしげる。
「その、さっきのヤツが俺に呪いを言おうとして死んだんだ」
そう言うと、他のメンバーは目を見開く。
「そうか。内容に関しては見れないと聞いたことがあるし、制約が呪いの名前を言えないという可能性があるのか」
ウユリは気難しげな顔をしている。
「そうデスネ。呪いは殺したモノに移ると聞いたことがありマスシ、リベンさんに移った可能性がありマス。でも、名前が制約とは限らないので注意して行動して下サイ」
「わぉ」
俺は頭が痛くなった。
なるほど。
名前で確定みたいに話が進みそうになってたが、確かにそうじゃない可能性もあるのか。
難しいな。
何をして良いのか分からない状態で活動するなんて辛すぎるから。
まてよ。
何をして良いのか分からないから、さっきの悪魔は全く活動していなかったのか?
そう考えれば戦いたがらないのも納得できる気がする。
「それじゃあ、俺の知ってる呪いとその内容を説明していくな」
ウユリがそういて指を3本突き出してくる。
「俺の知ってる呪いは3つ。1つ目は暴食の呪い。制約は1日に1つは命を刈り取らなければならない。効果は成長率2倍。つまり通常の半分の敵を倒すだけで1つ上の階級になれるって事だ」」
暴食ねぇ。
名前から考えると、呪いは七大罪か?
死体まで食べてるから俺は怠惰より暴食の方が強い気がするんだが。
「2つ目は傲慢の呪い。制約は1日に1体は仲間を増やさなければならない。効果は自分と部下の能力5倍だな」
5倍!?
強すぎないか?
俺そっちが欲しかったんだけど。
「3つ目は嫉妬。制約は自分が誰かに従属していなければならない。効果は自分より強い存在の位置と能力が分かる」
使いづらそうなのが来たな。
誰かに従属してなければならないってつらすぎないか?
従属している存在が死んだら自分も死ぬわけだろ?
「では今度は私から言わせて貰いマス。詳しいことは分かっていませんが、呪いとは別に加護というモノもあると聞きマス。効果は分かりませんが、忍耐の加護などがあるということデス」
忍耐か。
七美徳だろうな。
七大罪とくれば七美徳が来るとしか思えん。