73.魂の味
「分かった。契約しよう」
俺は契約することにした。
理由はもちろんある。
確実に裏があると思ったからだ。
なんで裏があったら契約するのかという話になるかも知れないが、それも簡単。
俺の今回の目的は情報収集だ。
つまり、その裏の部分を詳しく知ることができれば、有益な情報も知ることができるのではないかという考えだ。
「ただ、報酬としてもう少し詳しい理由を教えてくれ」
俺は情報を開示するように報酬を追加する。
「OK!じゃあ、契約完了ねぇ」
俺の出した条件は簡単に受け入れられた。
俺の手の甲に熱い感覚がある。
詳しい理由なんてのも、どこまで話すかはむこうの自由だろうからな。
話したくないことは話さないつもりなんだろう。
もしかしたら、適当に嘘をつくという可能性もあるな。
「それじゃあ、早速食べて貰っていいかな?」
「分かった」
レオの言葉に従い、倒れ伏した男に手を伸ばす。
、、、あれ?
魂を食べるって、どうすればいいんだ?
俺が食べた魂は、あくどい金貸しくらいだが、あのときはしたいから何かが出てたのを食べたよな。
生きている状態から魂を食べるのはどうすればいいのだろうか?
何か使える力を持っていないかと俺は自分の力を思い出していき、あるモノが使えるのではないかと思い至った。
「ふんっ!」
使うのは魔力吸収の魔眼。
悪魔たちは魂を魔力が覆う形で生きている。
ならば、人間たちも同じように、魂の周りには魔力があるのではないかと思ったのだ。
付いている魔力を引き出せば当然、
ズズズズッ!
魔力に魂も付いてくると言うことだ!
それじゃあ、いただきます!
パクッ!
俺は魂を丸呑みにした。
前に食べたときのように、簡単に食べることができた。
だが、前回と明らかに違うことがあった。
「う、旨い!!???」
魂が美味なのだ。