70.男爵級悪魔の力
「まず、ウユリに伝えたのは嘘ではありマセン。事実デス」
ウユリを見てそういうウトウ。
まあ、まずはそれだよな。
情報屋という職業上、信頼が必要だ。
嘘をつくなんて言われたら困るだろう。
「だ、だが、お前!この世界で活動する上位の悪魔はいないって!」
「その通りデス。活動はしていマセン」
抗議の声をあげるウユリに、ウトウは反論する。
「活動はしていない。、、、死んでいるのか?」
俺はどうせ生きているんだろうと思いながら尋ねる。
逆に、死んでいたらわざわざ言わないだろう。
死んだ悪魔の死体はいくらでも下に落ちている。
上位の悪魔の死体くらいあってもおかしくはない。
というか、落ちてなかったら上位の悪魔はどこに死体があるんだ?って話だ。
「死んではいマセン。ただ、弱っていマス」
「弱ってる?ケガ程度しても他の悪魔を殺せば回復するだろう?」
俺はウトウの言葉に疑問を持つ。
「そうデス。普通はそうなんですけど、その悪魔は呪いを受けているのデスヨ」
ウトウから呪いという言葉が出てきた。
呪い。
聞いたことはないが、上位の悪魔を弱らせるのだから強力なモノなのだろう。
気をつけなければな。
「そして、朗報デス。倒そうと思えば、私たちだったら倒せるかもしれマセン」
「俺たちだったら、倒せる」
シャバスが何かを考え込むようにつぶやく。
俺としては殺してもいいと思ってる。
だが、ウトウは確実に殺せると入っていない。
だから、どこまで被害が出るかは分からない。
全員で相打ちだとしても、倒せるというのには入る。
「戦ったらどれくらい被害が出ると思う?」
俺は考えた疑問を問う。
すると、ウトウは驚いたように目を見開いて、
ニヤッと笑った。
「フフッ。力だけというわけではないのデスネ。答えマショウ。戦った場合、私を含めたここの6名以外全員デス」




