65.被害
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辺りはしんと静まり返っている。
辺りは暗い。
そして、そこにいるのは1人だけだった。
そう。
もちろん、俺である。
スで俺以外は辺りにいない。
俺の魔眼で死んだからな。
もっと耐えてほしかったが、上級悪魔になったとか言われたし、きっと威力も上がったんだろう。
仕方ないことだ。
そんなことを考えていても仕方ないの、シャバスたちのところに戻る。
、、、死者が少ないといいな。
ウユリが悲しむだろうし。
俺も、もちろんつらい。
「あっ!リベン!」
俺を呼ぶ声が聞こえる。
声がした方を見ると、ギレが手を振っていた。
だが、いつもほどの明るい表情ではない。
やはり、大なり小なり被害があったんだろうな。
「おう。どうだ?と聞く必要もないな」
「、、、ごめん。顔に出てた?」
俺の発言に、ギレが謝る。
特に謝ることはないのにな。
ギレも気を使うということを学んだんだな。
少し悪魔には必要ない気がするが、まあいいか。
「いろいろ慌てているが、お前から状況を教えてくれるか?あいつから、今は聞ける気がしない」
俺はそう言って、ギレに被害状況を聞く。
「そうだねぇ。死者が十数人。けが人はどうにでもなったし、それぐらいかな」
ギレは何ともない風に言う。
だが、ギレの声は少し震えていた。
ギレに訓練させてたからな。
思い入れも少しできているのだろう。
「了解。あいつはまだ落ち着いていないだろ?」
俺はあいつ、ウユリの様子を聞く。
死者が十数人。
ウユリが悲しまないわけがない。
慰めても構わないが、落ち着くには時間がかかるだろう。
「思ってるほど、あいつはやわじゃないみたいだよ」
ギレはそう言った。




