56.抗争?
「、、、ハァハァハァ。リベン、速すぎない!?ズルしてるでしょ!」
ギルは俺に競争で負けたことが納得できていないようだ。
「ズルなんてしていない。俺は少し頭を使っただけだ」
俺はそう言って答えた。
「、、、2人とも何をやってるんだ?」
肩で息をしている俺たちをシャバスたちは白い目で見ていた。
そのため俺は話題を変えることにする。
このままだと、リーダーとしての威厳がどんどん崩れていく気がするからな。
少しでいいからは威厳は保っておきたい。
「で?用事は何だ?面倒な事って聞いたが」
俺はウユリを見て問う。
すると、ウユリは深く頷きながら答える。
「ああ。抗争が起きそうなんだ」
神妙な顔をしながら言った。
抗争?
なんだそれ?
そんなに心配するような目をされても困るんだが。
「抗争って何だ?」
分からないことを放置しても仕方がないので、俺は抗争について尋ねた。
すると、ウユリは目を見開いた。
なんだ?
俺を馬鹿にしてるのか?
「そうか。抗争を知らないのか。それはマズいな。説明しようじゃねぇか」
そうしてウユリによる抗争の説明が始まった。
「抗争って言うのは、悪魔のグループごとの戦いだよ。俺たちと他の悪魔たちのグループが戦うって感じだな。まあ、今回は俺たち戦わなくていいんだが、知らないならお前に気をつけて貰い事がある。それは、抗争は数が多いグループ同士が戦わされるって事だな」
ん?
戦わされる?
その言い方だと、自分たちが戦うことを選んだのではなく、誰かに戦うことを決められたように聞こえるんだが。
「争いは避けることができない。的のグループのメンバーに対して突然殺意がわくようになり、それは耐えれば耐えるだけ大きくなっていく。しかも、相手のグループのメンバーがどこにいるか分かるって言う面倒な機能付きだ。だから、あまり部下は増やしすぎない方がいいぞ」
「、、、了解。で?そのグループ通しの争いは俺たちには関係ないんだろ。何が問題なんだ?」
俺は本題を話すよう促す。
「その抗争が、この辺りで起きそうなんだよ」