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54.人間の悪魔化

「へ?、、どうぞ」

人間は俺に手を出す。


「はっ!」

俺はその手を取って、魔力を込めた。


魔力が足りないなら、俺のモノを渡せばいい。

そういう極端な考えた。

剣に魔力を込められるんだから、人間にだって渡せるだろう。


「うわっ!?これは魔力!?こんなに魔力が、、、うわぁぁぁ!!!????」

人間は急に叫びだした。


辺りを飛び回る。

そうしながら叫び続けていた。

え?

俺、マズいことをやったか?


俺は少し不安になる。

だが、幸いケガはしなかったようで、人間はしばらくすると落ち着いた。


「、、、はぁはぁはぁ。これが、魔力。全身を魔力が駆け巡ってるのが分かります」

自分の手を握ったり開いたりしながらつぶやいた。


怒られないか?

大丈夫だろうか?

かなり苦しんでいたが。


「ありがとうございます。何かが変わった気がします。、、、って!腕が黒くなってる!」

人間は驚いたような声をあげる。


確かに腕が黒くなっていた。

それはまるで、悪魔のように。

ただ、普通の人間には怖がられてしまうかも知れないな。


これは俺が魔力を流した性だよな。

俺が考えなしに行動してしまった結果だ。

申し訳ないことをした。

そう思って俺は謝ろうとしたが、


「あっ。普通に戻すことができますね。この姿にするとすごい魔力が膨れ上がります。あの!もっと魔力を流してもらえませんか?」


人間は俺に上目遣いで頼み込んできた。

俺も色々やって申し訳ないという気持ちもあるし、やって欲しいことがあるなら手伝おう。

今後はもう少し行動しなければな。


自分の行動が他人に影響を与えることなんて悪魔になってから考えることはなかったからな。

召喚されて、俺は殺人をたくさんしてきたが、復讐の手助けだと思っていた。

でも、残されたモノの思いはあまり考えてなかったな。

俺も気が緩みきっていたらしい。

他人に迷惑をかけるというのはこんなにも苦しいモノだったんだな。


しばらく俺は、色々と考えながら人間に魔力を流した。

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