42.宗教戦争
「お前らの神を信じない、か」
俺はそうつぶやいて、後ろに待ってくれているシャバスたちの所へ飛ぶ。
宗教系の対立みたいだな。
関わったら面倒な気しかしないんだが。
殺したら、俺たちはその宗教において敵として認識されるんじゃないか?
逆にこいつらにとっては神聖なモノとして扱われるのかもな。
、、、殺したら面倒そうだなぁ。
あれじゃないか?
敵視されるのはまだしも、召喚して殺す、みたいなことまでやるんじゃないか?
そんなことされたら、俺はまだしも俺の部下が危ないな。
敵がどれほどの力を持っているかも分からない。
あぁ。
それに、そうなった場合には、復讐の対象が俺たちになって、加害者は俺たちだからな。
それは嫌だ。
「どうするんだ?俺としては人間などどうでもいいんだが、下級悪魔にとって人間の魂は美味なモノだろ。ウユリの部下たちは食べたいみたいだ」
シャバスがそんなことを言いながら後ろを指さす。
そこには、そわそわしている悪魔たちがいた。
指示に従って待機してはいるが、本心としては人間を殺して食べたいみたいだな。
「、、仕方ない。俺とギルで1度行ってみるか」
俺はギルを手招きしながらそういう。
「もしかしたら、あっちの奴らは俺たちに有効な攻撃手段を持っているかも知れない。いつでも逃げられる準備をしておけよ」
俺はギルにそう伝える。
俺とギルは召喚者に殺せと言われた奴らがいる方に飛んでいく。
そこは大きな壁で囲まれていて、人間ではなかなか攻め落とせないであろう事が簡単に分かった。
まあ、俺たち悪魔を大量に呼び出すレベルの相手だから相当強いんだろうな。
「悪魔たちよ!俺たちに寝返る気はないか!」
いきなり大声が来た。
俺は声の主を探す。
辺りを見回すと、壁の上に立っている男を見つける。
寝返る気はないか?か。
面白いことになってきたな。
少し話を聞いてみよう。
「ギル。話を聞いてくる」
俺はそう言ってギルを待機させて壁の上に降りる。
罠かもしれないし、いつでも逃げられる準備はしておこう。