29.魔剣作成
恨みやら、無念が晴らせるという言葉が出てくるところを考えると、これはもしかして復讐関係だろうか?
それなら俺としても協力したい。
契約しても良いだろう。
「よし!契約成立だ。俺がお前の無念を晴らせるように協力してやろう!」
「本当かっ!かたじけない。、、、これが、おぬしに頼みたい剣だ」
そう言って剣をさしだしてきた。
俺は受け取ろうとするが、そこで手の甲が熱くなる感覚があり、いったん手を止める。
契約した合図だな。
この鍛冶師の名前を知るためにもいったん見てみよう。
《契約》
《・シャバスの従属》《・ウユリの従属》〈・カナタとの契約〉
《完了済》
《・アーライとの契約》
この鍛冶師の名前はカナタらしいな。
刀の文字を入れ替えた安直な名前な気がするが、きっとそんなことはとはないだろう。
とても素晴らしい由来があるはずだ。
「魔剣は、どうやって作れば良いんだ?」
俺はカナタに問う。
魔剣の作り方なんて知らないからな。
というか、本当に俺に作れるかも分からないが。
まあ、作れないなんてことはないだろう。
「この剣におぬしの魔力を込めるだけだ」
そう返すカナタ。
魔力を込める。ねぇ?
よく分からないけどやってみるか。
俺は剣に手を伸ばし、体の中の何かを流すのをイメージする。
すると、体の表面から何かが抜けていく感覚がした。
だが、動かしてみた感じ、特に変化はない。
「ぬっ!刀身が燃えている!これが、魔剣」
カナタは驚いたような声を出す。
剣は、カナタが言うとおり燃えていた。
握れないほど激しく燃えているわけでもなく、剣の先の方が燃えている感じだ。
カナタは剣をさやに一瞬で入れた。
さやが燃えるのではないかと思ったが、そんなことはなかった。
「やはり、魔剣がさやとも一心同体であるというのは本当の話であったか」
カナタがよく分からないことを言う。
「それで、これでいいのか?俺の力は燃やすことだけじゃない。まだまだ強化しても良いんだぞ」
「何!?本当か?、、、じゃあ、1番強い能力を頼めるか?」
俺が他の能力にもつけようかと提案したら、カナタがそう言ってきた。