28.2度目の召喚
しばらくは何もなく、平穏に死体食べ生活を過ごしていた。
たまに来るザコ悪魔を殺し、たまに来るシャバスたちやウユリたちと話したりもした。
意外なことに、ウユリとシャバスは知り合いだった。
どうやら、ウユリが召喚される前、2体はよく争っていたらしい。
今ではシャバスの方が強くなっているらしく、ウユリは、
「絶対追い越してやる!」
と言っていた。
競い合える相手がいるというのは良いことだと改めて感じた。
いいことだと感じても、俺にはそんなものいつまでたっても生まれないんだがな。
というか、俺と同じくらい強い奴が友好的だったらいい刺激になるかもしれないが、敵対的だったら、生き残れるか怪しいんだが?
俺と同じ強さってことは、勝率は5分5分だろ?
ピカー。
俺から光が出る。
やっと事態は動いたようだ。
「召喚か。今度はどこに行くんだろうな?」
俺は期待する。
期待が膨らむとともに光も大きくなっていく。
そうして、気持ちが最高に高まったところで、
「、、、ここは?」
俺は知らないところにいた。
無事に召喚された、みたいだな。
「ぬぬっ!おぬし、しゃべれるのか!」
独特な口調。
俺の目の前には、ちょんまげをした上半身裸の男がいた。
右手にはハンマーみたいなモノを握っていて、、、、鍛冶師っぽい?
「何をして欲しいんだ?」
「、、、魔剣を作るのに協力して欲しい」
そう言って鍛冶師は頭を下げる。
うぅ~。
なんか、真面目な人っぽい。
最高の剣が作りたいみたいな職人的な理由で、復讐が目的ではないんだろうなぁ。
「それで?報酬は?」
「おぬしに1本剣を打ってやろう」
「俺に剣を?」
俺は首をかしげる。
悪魔に剣なんて必要なのか?
剣で斬るより爪で刺した方が強そうなんだが。
今回は契約せずに帰っても良いだろうか?
「どうか頼めないだろうか。わしのこの恨みを最大まで込めた剣。後はこれに魔力さえ加わればわしは無念を晴らせるのだ」
「わるいが、、、ん?恨み?」
断ろうとしたが、途中で出てきた恨みという言葉が引っかかり、俺は少し興味がわいた。