27.不良ごっこのわけ
「俺、もともとは殺すのが好きで、ずっとほかの悪魔と殺し合いをしてたんだけど、とあるとき召喚されたんだよ。面倒だったから、召喚者だけ殺してさっさと帰ろうと思ったんだ。でも、そこで俺を召喚した奴が見たこともない服装してて、それがめっちゃくちゃかっこよかったんだ。それ、俺もこういうことしてぇなと思って、このグループを作ったんだ」
「なるほど。やはり召喚されたのが原因なのか。でも、相手が殺してくる気でこっちが殴るだけとか甘いことしてたら殺されるぞ。お前は別として、さっき俺に献花吹っ掛けてきたやつとかは特にな」
「わかってるよ。だから、俺が死ねばこれもなくなるはずだったんだ。それに、最初はメンバーがもっと少なくて、下級悪魔だったら余裕で対応できる奴らばっかりだったんだけど、どうしても入らせてほしいっていう奴が不得手な。仕方なく入れたらだんだんとメンバーが増えてきて、そろそろ死ぬ奴が出てくるんじゃないかって危険視してた時にあんたが来たわけだよ」
俺は、ボス、名前はウユリに、この不良グループを作った理由を聞いていた。
『支離滅裂』なんていう日本の四字熟語を使ってるんだからそうじゃないかとは思っていたが、やはり日本から召喚されたらしい。
日本の文化の影響を受けたそうだ。
、、、何年前に召喚されたんだろうな。
「さっきまでお前の部下の言葉を理解できてなかったんだが、急に理解できるようになった。理由分かるか?」
俺は別の質問をする。
さっきまで、ギャアギャア言ってるようにしか聞こえなかった悪魔たちの言葉が、急に理解できるようになった。
俺にはわからなかったが、ウユリには分かるだろう。
「ああ。それは従属系統の補正がかかってるからだな」
「従属系統?何だそれ?」
知らない単語が出てきた。
「俺が今あんたに従属している状態だろ?それで、俺の部下たちは、俺か、俺に従属ぽくしている奴に従属しているんだよ。それで、どこかしらで従属関係のつながりがあるモノ同士はいろいろと補正が付くんだよ。言葉が分かるのはもちろん、知らないやつが自分に関係のある悪魔かが一目でわかるようになるぞ。あまりにも遠い関係だと補正もかなり薄まるらしいけどな。まあ、俺たちはあんまり群れるようにはできてないはずだからな。仕方ないだろ」
なるほど。
つまり、ウユリとシャバスがあっても、すぐに仲間だってわかるってことか。
それはいいな。
仲間が増えるたびに1体1体合わせていくのも面倒だし、ありがたい。
「それじゃあ、俺は大勢を統制するのとか無理だから、こいつらの管理は任せたぞ」
「ああ。あんたも倒せるくらい強いグループにしていくぜ!!」
そういって俺たちは別れた。
俺は地面の方に飛び、また死体を食していく。
そうして俺はしばらく、力をつけていった。