21.悪魔という名の不良たち
《リベン視点》
「ああ。相変わらず頭が痛いな」
俺はそう呟きながら死体を食べていた。
死体を食べれば激しい頭痛に襲われる。
シャバスたちと戦う前には慣れていたが、しばらく期間を開けてしまったので感覚が元に戻ってしまったらしい。
もっと体にしみつけさせないとな。
あっ。あと、原因としては人の魂なんて美味なものを食してしまったこともあるかもしれないな。
知らなくていいものを知ってしまったという事か。
「で、どうしようかなコレ」
俺は手の中に握られているものを見て困った顔をする。
握っているのは箱。
正方形で、(人間の)手のひらサイズだな。
いつの間にか腰についていたのだ。
出し消しが可能で、俺が手を閉じると、箱は消えた。
見た目は木材で作られているように見えるが、俺が全力で握っても、傷一つつかないから相当硬いモノだと思われる。
つかいみちはふめいだけどな。
「キャキャキャキャキャ!」
悪魔の声が聞こえる。
俺はお声がする方向を向いた。
バシュッ!と消滅する。ことはない。
シャバスに教えてもらった方法でマガンを使わないようにしているからな。
悪魔は俺の方を見ると、にらみながらゆっくり近づいてきた。
腰に手を当て、猫背な感じである。
これは、、、
不良!?
不良。
しかも、俺のイメージの不良だからかなり古いモノだろう。
そのイメージ通りな動きを目の前の悪魔はしているのだ。
かっこ、よくはないが、何か感じるものがあるな。
俺は攻撃をせず、にらみ返すことにした。
相手の悪魔がだんだんと近づいてくる。
俺とその悪魔の顔がガチ恋距離まで近づいた。
しばらくにらみ合いが続いた後、相手が先に動いた。
俺の顔面に殴りかかってきたのである。
しかも、爪を立てずにグーで!
こいつ、分かってるな。
ガンッ!
俺も殴り返した。
ちゃんと、殺さない程度に威力は抑えてある。
だが、それでも相手側には強い衝撃だったようで、吹き飛ばされた後、しばらくふらふらしていた。
だが、俺が少しずつ近づいていき、胸ぐらをつかむと、俺の方を指さしながら逃げて行った。
、、、あいつとは、分かり合えそうな気がする。