2.悪魔への転生
「ん?ここは?」
俺は思わず声を出す。
死んだはずだった。
だけど、目が見える。
思考ができる。
何かがおかしい。
(これはっ!?)
おかしいと思いながら、俺は自分の体を見る。
すると、やはりおかしかった。
おれは、全身が真っ黒になっている。
それだけじゃない、爪というか指というかは1本1本俺の顔くらいの長さがあるし、背中には羽のようなモノが映えている。
「キャシャシャシャシャッ!」
どこからか笑い声が聞こえる。
直後、俺は吹き飛ばされた。
それから頬に痛みを感じる。
殴られたんだろう。
そんなことを考えてる間にも、俺を殴ったのであろう黒い羽の生えた人が襲いかかってきた。
俺は背中の羽を動かし、横に避ける。
あの黒い人は何なのだろうか?
まるで悪魔のような見た目をしているが、、、
「キャシャアァァァ!!」
黒い人がまた戻ってきた。
俺は落ち着かせようと手を前にだして、
「落ち着け!」
と、言うつもりだった。
だが、口は動かない。
俺はしゃべれなくなってるようだ。
「シャァァァ!!!」
悪魔はそのまま飛びかかってくる。
今回は距離がかなり詰まっていて、避けられそうにない。
そう判断した俺は、反撃をすることにした。
向こうが攻撃してくるんだ。
正当防衛で許されるだろう。
ガンッ!
敵の拳と俺の拳がぶつかり合う。
(くそっ!)
吹き飛ばされたのは俺の方だった。
筋力的な面では向こうの方が強いらしい。
さらに追撃しようとしてくる敵に、俺は回避を続ける。
向こうが飛んできて、こちらが回避する。
またやってきて、回避する。
そんなやりとりがとても長い時間続いた。
俺は疲れを感じることはなかったため、永遠にこのときが続きそうな気がした。
だが、その関係を崩す新たな敵が現れた。
「ギャァァァァ!!!」