188.重なるモノ
悪役令嬢になるはずだった闇の女王 ~悪役令嬢に転生したから、闇の組織を作っとく~
もお願いします。
「それじゃあ、やろうか。まずは、僕が教えながら殺すから、付いてきて」
レオの言葉に、俺は黙って頷く。
そのまま、レオが走り出し、俺もレオを追って飛んだ。
レオは巨大なビルに入る。
そして、銃を乱射した。
「きゃあぁぁぁ!!???」
「うわああぁぁ!!???」
悲鳴が上がる。
ただ、数秒もするとその悲鳴はかき消えた。
その建物に残るのは、事情が分からず呆然としている女が1人だけ。
「あいつは殺さないのか?」
俺は、レオに尋ねる。
レオは首を振って、
「殺さなくて良いかな。あの人は、侵略のことを知らないみたいだし」
レオによると、ここは侵略者の武器などを作る会社らしい。
そして、大半の者は侵略を行っていることを知っているのだとか。
唯一知らなかったのが、殺されなかった女。
ん?
どこかこの光景、見覚えがあるな。
どこで見たんだったか?
……そうか。
思い出したぞ。
これは、俺が前世でいた会社と同じ状況じゃないか。
俺だけが生き残って、他の者は全員死ぬ。
この状況と、そっくりだ。
ということは、あのときも、殺したのは………。
「リベン?どうしたの?」
レオに話しかけられ、俺は我に返る。
一旦考えるのはおいておこう。
また後で考えれば良いことだ。
今は、目の前のことに集中する。
「いや、あいつ、殺して良いか?」
俺は呆然としている女を指さして確認をとる。
どうせ、このまま生き残っても俺のように苦しんで死ぬだけだろうしな。
それなら、楽に死なせてやりたい。
俺の熱意に押されたのか、レオは戸惑いながらも頷いた。
「俺みたいには、ならないでくれ」
願いを込め、俺は魔眼を発動する。
次話で最終回です。