169.報告します
悪役令嬢になるはずだった闇の女王 ~悪役令嬢に転生したから、闇の組織を作っとく~
もお願いします。
「お帰りなさい。どうだったかしら?」
レーナがそう尋ねながら、俺にお茶を出してくる。
俺は簡単に見てきたことを報告する。
レーナは、真面目な話で俺の話を聞いていた。
そして、俺の話が一段落したところで、
「あの国、どうするつもりなのかしら」
そう呟いて、顎に手を当てる。
その格好で、しばらく何かをブツブツと呟く。
まあ、今後の国の動きとか、色々と考えてるから仕方ないよな。
仕方ないんだけど、
俺のことを無視するなよ!!
「・・だから、経済的に……あっ!リベン。ごめんなさい。無視しちゃってて」
俺のことに気づいたレーナが、申し訳なさそうに頭をかく。
「構わない。ただ、今後は気をつけてくれよ」
俺の言葉に、レーナは首をぐわんぐわんと縦に振った。
その後、少し話をして、
「はい。コレが報酬よ」
ドサッ!と重そうな音共に、幾つかの袋がテーブルに置かれる。
全て、報酬である金属らしい。
今回はなかなか収穫があったな。
侵略者も大量に殺せたし、金属もかなり手に入れたし、良いことずくめだ。
「ありがたく頂こう」
俺は翼を広げ、その中に袋を入れ込んでいく。
本当にこの能力、便利だな。
どんな思いモノでも持ち運びが簡単。
小説なんかで、アイテムボックスがチートとして扱われるのは、なんだか分かる気がする。
「それでなんだけど」
レーナがそう言って、少し困ったような顔をする。
ん?
言いにくそうな顔をしているな。
もしや、俺の仕事がもう無いから、帰って欲しいという話か?
「実は、もう難民がいそうなところが思いつかないのよ」
やはりな。
それじゃあ、俺もこの世界とはさよならを、
「でね、それ以外のことに協力して欲しいんだけど」
「ほう?それ以外のこと、なぁ」




