168.荒れた大陸
悪役令嬢になるはずだった闇の女王 ~悪役令嬢に転生したから、闇の組織を作っとく~
もお願いします。
「ほっ!」
俺は最後の船に拳を突き出す。
そう。
最後の船だ。
もう、向こうの方の船の予備がなくなったらしい。
かなり減らしたのに補充は来ない。
俺は最後の船を壊し、魂を食べまわってから、地下の奴らがいる大陸に向かう。
水面から見る大陸は、
「………ダメだったか」
完全な更地となっている。
生き残りの影は見えない。
ほとんど死んだみたいだな。
数個の魂は見えているが、死体や瓦礫に埋もれているから、助かることはないだろう。
「やり返す、べきだろうか?」
俺は悩んだ。
もし、生き残りがいるのなら、そいつらと共に向こうの大陸まで殴り込むつもりだったんだが。
この様子だと、それもできなさそうだ。
俺だけで攻撃をするかどうかは悩むところだな。
俺だけで攻撃しても、それは復讐にはならない。
別に、俺は被害を受けていないからな。
それに、ここで俺が攻め込めば、新たな復讐を作りかねない。
なら、ここは、俺は何もしない方が良いんじゃないだろうか?
……よし。そうしよう。
俺は何もしない。
部外者らしく、これ以上は関わらないでおこう。
まあ、宝あさりぐらいはするがな。
良いお宝があることに期待しよう。
そうと決まれば、俺が向かうのは城があった場所だ。
宝物庫はあさったが、金属類の宝ではなく、書物なんかもあるはずだ。
もしかしたら、重要は書物がアルかも知れないし、見てみることにしよう。
とは、思ったモノの。
「うわぁ。何も残ってないな」
俺がいるのは、城があるはずだった、ただの更地。
その辺に灰が舞ってるから、全部焼けてしまったんだろうな。
残念だ。良い物があると思ったんだが。
まあ、無いなら仕方が無い。
気持ちを切り替えて、聖域に帰るとしよう。
この事を伝えたりとかもした方が良いだろうしな。