166.船破壊の拳
悪役令嬢になるはずだった闇の女王 ~悪役令嬢に転生したから、闇の組織を作っとく~
もお願いします。
「はっ!」
俺は気合いと共に拳をつき出す。
グシャッ!
と言う何かが潰れる感触がした。
直後、
バキバキバキバキッ!
俺の殴った船に、亀裂が入っていく。
そして、だんだんと沈んでいった。
俺は練習の末、パンチと同時に魔力を出す。と言う技術を身につけた。
まさか、ここまで難しいモノだとは思ってなかったぞ。
何百回と失敗した。
まあ、その失敗のおかげで、
「はっ!」
今度は蹴りを繰り出す。
バリバリバリバリッ!
殴ったときより、速く大きく亀裂ができる。
パンチだけでなく、キックにも魔力を宝珠映させることに成功した。
それだけではない。
バックアタックの時に背中からも、頭突きの時に頭からも、出せるようになったぞ!
全身からの魔力放出攻撃が可能だ!
まあ、使う機会はほとんど無いだろうな。
手加減しないといけない相手にしか、使わないだろう。
それ以外の場合は、下手に近づかずに魔眼使えばいいわけだし。
バキバキ!ドカンッ!
さて、色々考えている間もどんどん船の数が減っていく。
ついでに、死者も増加中だ。
破壊と食事を両立させるのは難しいな。
まあ、食事は少し後回しでも良いかも知れないが。
……おっと、また船が補充されるようだな。
因みに、補充しているのは、地下の奴らがいた大陸の、隣の大陸。
聖域のある大陸からだ。
たしか、こちらの国は地下の奴らがいた大陸と交易を行っていたはずだが?
友好国ではないのか?
……もしや、革命の心が自国に移るのを恐れた?
あり得るな。
革命はやり過ぎるから、俺も好ましくはないんだが。
まあ、だが、今は船を破壊させて貰うとしよう。
船からの砲撃を受けている方は、反撃ができていないわけだからな。
ほとんど全滅だろう。