15.召喚と尻尾
「いくつか聞きたいことがある。その尻尾は何なんだ?今まで見てきた悪魔にはついてなかったんだが」
俺はそう尋ねる。
死体の中には尻尾のあるやつもいたけど、それを食べても尻尾は生えてこなかった。
俺は尻尾がどうやったら生えるのかを疑問に思っていたのだ。
「尻尾は、召喚されるときに生えるものだ。召喚されないと、ずっと生えないままだな」
シャバスはそういった。
なるほど。召喚か。
悪魔は召喚されるというのをこの発言で理解した。
(まあ、しばらくは強くなる方向に力を入れたいから、召喚されても困るんだけどな)
と俺は思った。
ちなみに、俺はかなりシャバスたちの尻尾に苦戦させられた。
腕と足まではどうにか対応できたんだが、尻尾までには対応しきれなかった。
あいつらは腕と足合わせて4本で、そっから尻尾を足すと、攻撃できるものが5本ということになる。
俺は腕が6本で足が2本だから、合計8本。
2人がかりで攻撃されると2本分相手が多いのだ。
その後も少しだけ質問をした。
俺が敵を視界に入れただけで死ぬのを回避する方法とか。
必要になりそうなものを色々。
「それじゃあ、またいつか」
そういってシャバスが俺に手尾を振って飛んでいく。
そのあとに続いてギレもギルも飛んで行った。
俺も、死体を食べて回復しようと下を見る。
その直後、
バシュッ!
たまたま俺の下を飛んでいた悪魔が視界に入り、その悪魔が消滅した。
俺はまた少し強くなったのを感じ、体が全回復した。
ギルに譲ればよかったなぁ。
あと、せっかく教わった視界にとらえても殺さない方法。
魔眼を使わない方法をやってなかった。
今のうちにやっとこう。
なんてことを思いながら下を目指す。
そして、死体に降り立ったところで、
パァァ!!
光が俺の体を包んだ。
この世界に来てから始めてみる光。
俺は思わずよろける。
だが、光はよろける俺の体にしっかりとついてきた。
そして、だんだんと光は強くなっていき、俺の視界は光に奪われ、、、。
「召喚、成功だ!」
喜ぶような男の声。
俺はいつの間にか閉じていた目を開いた。
「なんか、下級悪魔にしては見た目が強そうだけど、。まあ、いいや。悪魔、契約してくれない?」
俺に女が契約してくれないかと問う。
俺はまず、自分を観察してみることにした。
1か所以外は特に変化がない。
具合が悪いわけでも、精神的にくるっているわけでも、、、、おそらくないだろう。
だが、1か所にだけ片があった。
それは、尻尾。
俺の腰から尻尾が生えているのだ。
「ふむ。契約しろと言われても、内容が分からなければできないぞ」
俺はそう返した。
条件など何も伝えずにいきなり契約しろだなんて無理な話だ。
魔法少女にならないかって問いかけてくる白い悪魔の方がまだ親切だな。