147.無人の町
「よし!中継地点に到着だ!」
俺がそう言うと、
「やったぁぁ!!!」
「休めるうぅぅ!!」
「酒飲みたいぞぉぉ!!!」
避難者たちから歓声が上がる。
中継地点というのは、町のことだ。
町だから、宿屋もアルし、料理を提供してくれるところもある。
まあ、金があまりないから、大して良い生活はできないだろうが。
金は、盗賊たちから奪ってきた。
賞金首の可能性もあったから、一応ソンチョウに一番偉そうにしていたヤツの首は持たせてある。
「さて、俺は先行して安全を確認しておくか」
俺は町に入らず、行く予定の経路を確認することに。
俺は空に浮き上がり、上空から地面を俯瞰する。
途中で森を抜けなければならないが、それ以外に危険そうな場所はない。
基本的には大丈夫そうだな。
「あぁ。そう言えば、」
俺はそこで、とある事を思い出した。
本来、計画では森を抜ける予定はなかった。
では、なぜそうなったのかと言えば、
中継地点になる予定だった村が燃えていたからだ。
「確か、あの辺だったよな」
俺は記憶を頼りに、燃えていた町を探す。
その町は簡単に見つけることができた。
やはり、村は燃えており、木造の建物だったであろう場所に黒い異物が残っている。
少し時間も合ったので、俺はそこに降りてみることにした。
「あまり貴重品はなさそう。持って行ったのか、それとも、盗まれたのか」
おれは村を飛び回りながら呟く。
貴重品が全くといって良いほど見当たらない。
金になりそうなモノがあったら、村長に渡して資金にして貰おうと思ったんだがな。
残念だ。
そう思いながらも、1軒1軒調べていると、
「ん?ここは?」
見た目は他のと変わらないが、明らかに他とは違う建物を見つけた。
内装がとてもきれいで、貴重品らしきモノが山積みされている。
なんだ?
生きているヤツがいたのか?




