144.盗賊だぁ!
悪役令嬢になるはずだった闇の女王 ~悪役令嬢に転生したから、闇の組織を作っとく~
もよろしくお願いします。
「それじゃあ、いくぞぉぉ!!」」
「「「おおぉぉぉ!!!!」」」
朝。
俺たちは歩き出す。
目的地はもちろん聖域。
俺たちは、結局昨日野宿をした。
野宿中に何か問題が起きることもなく、俺たちは落ち着いて今日を迎えた。
昨日の野宿中は、子供たちと話す時間が多かった。
どうやら俺が飛んでいるのがうらやましいらしい。
まあ、子供の頃は、空を飛びたいという夢があるのも分かるし、子供たちに付き合ってやった。
それによってかわからないが、俺への警戒心はかなり薄まっていた。
昨日の出発したときには、俺のことを恐れるような目で見たりするモノも多かったが、今はかなりそういったモノが薄まっているように感じる。
おかげで、老人たちから有益そうな情報を手に入れることもできた。
「ん?あれは?」
子供たちに抱っこして欲しいやらの要望を言われ、仕方なく従ってやっている俺の目に、数人の魂が見えた。
「すまない。下ろすぞ」
「えぇ~」
俺が下ろすことに子供たちから不満そうな声が漏れるが、俺は無視して、まとめ役であるソンチョウに見えた魂のことを報告する。
「盗賊、でしょうね」
「そうだろうな。片付けとくか?」
俺も盗賊だと思う。
ここまで人数が居ると俺も守るのが難しいから、先に仕留めた方が楽なんだよな。
だが、ソンチョウは首を振った。
「儂らも一応戦えるんじゃよ」
そう言って、肩を回すソンチョウ。
大丈夫だろうか?
心配なんだが。
この大陸の戦いが向こうの戦いかと同じだとは限らないんだぞ。
とは思ったが、現実を知らせることも大事だと思ったので、俺は盗賊に襲われることにした。
「お前ら!有り金を置いて居けぇ!!」
小物感あふれる台詞とともに、盗賊が現れた。
「と、盗賊だぁ!!???」
「落ち着け!戦闘態勢をとれ!!」
村長が指示を出し、村人たちは構えをとった。