14.初めての部下
「降伏する。だから、命だけは助けてくれないか?」
闇から出てきた悪魔がそんなことを言い出した。
訳が分からない。
何が狙いなんだ?
まさか、降伏するといって隙を見せた瞬間殺すとか!
「な、何を言っているんだ?」
俺は、3体をしっかりと警戒しながらそう尋ねる。
俺だってこいつらを殺して力を得たいところだったが、ここまでボロボロになるとどちらが勝てるのかも怪しい状況だ。
数ではあちらの方が断然有利だし、戦闘経験でも向こうの方が上だからな。
「そのままだ。そうだな、もし殺さないでくれるというのなら、、、お前の部下になってやろう」
「俺がお前の部下になれば、俺の部下であるこの2人もお前の部下となる」
そう言う闇から出てきた悪魔。
部下、ねぇ?
こいつらはそういう関係性だったのかと思えば協力体制にも納得がいく。
悪魔に部下なんて必要なのか?とも思うがこいつらの連携は厄介だったしな。
必要ないということはないだろう。
「、、、構わない。ここまで命をすり減らした状況で戦うのも危険だしな。お前らが俺の部下になるというのならいいだろう」
俺はこう答えるしかない。
断ったとして、これ以上戦うのも危ないし、これ以外にこの3体にできそうなこともなさそうだしな。
「じゃあ、俺はお前の部下となる。手をこちらにかざしてくれ」
闇から出てきた悪魔がそう言うので、俺は何も言わずに悪魔たちに手をかざした。
手をかざしても真っ赤に流れる血潮なんて見えないな。
悪魔には血も涙もないのだろう。
肉体的にも、精神的にも。
ジュッ!
熱いものを手の甲に感じる。
俺は手の甲を見てみた。
すると、そこには刺青のようなものが。
触れてみる。
《契約》
《・シャバスの従属》
見たことのないものが見えた。
これがおそらく、闇から出てきた悪魔が部下になったことを表しているのだろう。
シャバスのジュ族と書いてあるから、この闇から出てきた悪魔はシャバスという名前なのだろうか?
聞いてみよう。
「シャバスとはお前の事か?」
俺はシャバス(かもしれない)にそう尋ねる。
「ああ。そうだ。俺の名前はシャバス。そして、こっちの赤いやつがギレで、青い方がギルだ」
名前はシャバスで確定した。
シャバスがほかの2体も紹介してくれた。
「さて、それでは俺たちは回復もかねてザコを狩りに行きたいんだが、何か質問はあるか?俺たちに用事があるときは、この辺をうろうろしていたらいつか会えるとは思うが、しばらくは無理だと思うぞ」
シャバスがそんなことを言い出した。
傷を早く治してもらいたい気持ちはあるけど、しばらく会えないって言ってるし、聞きたいことはさっさと聞いてしまった方がいいだろう。