138.作戦会議
「すまんかったな。そうか。翼があったんじゃった」
ソンチョウが笑いながら謝る。
まあ、普通はそんなの気にしないだろうからな。
人間の感覚では翼の事とか頭にないだろう。
俺も前世の頃だったら。そこまで考えられなかったはずだ。
「まあ、それは良いだろう。それでは、本題に入ろう」
少し雰囲気が明るくなったところで、本題に入る。
まず、俺は俺の事情を説明した。
聖域に難民を送りたいって事とかだな。
それで、ある程度向こうは納得してくれた。
「そうですか。ふぅむ」
ソンチョウは腕を組んで悩んでいる。
さすがに即決はできないよな。
来て欲しいので海を超えて来て下さい。
とか言われて、即決できたら逆に怖いぞ。
ソンチョウが悩み、俺がそれを黙って見つめている。
そんなときだった、
「いいんじゃないですか」
見回りの男が突然言った。
「なっ!だが、」
ソンチョウも少し慌てたような顔をしている。
俺も少し驚きだぞ。
まさかコイツがこちらに付くとは思ってなかった。
何か裏があるのか?
「そろそろ頃合いでしょう」
俺が訝しげに見つめるなか、男と村長は何かを小声で話し合っている。
「、、計画が、、」
「、、やめるのだ!、、」
2人の言葉から、断片的に聞こえる言葉から察するに、何かを計画しているようだ。
その計画に、移住は都合が良いと言うことか。
もしかして、こいつらの国を作るとかしないだろうな。
一応釘を刺しておくか。
「その聖域では、犯罪を起こすと即座に戦地に送られるかな。ただ、犯罪さえ起こさなければそこそこ快適な生活が送れるはずだ」
「ほう?なるほど。了解した」
あまり反応を示さないな。
犯罪を起こすつもりではないのか。




