130.賑わいのある町
悪役令嬢になるはずだった闇の女王 ~悪役令嬢に転生したから、闇の組織を作っとく~
もお願いします。
兵士からある程度必要そうな情報を集め終わった俺は、バレないように、他の場所へと移動する。
近くに魂が居ないので、俺は軽く頭を出して、どうなってるのか確かめてみる。
スッ!
急に目の前が明るくなった。
顔が出たようだ。
俺の周りにあるのは、石造りの廊下。
廊下は一直線で、遠くには先ほどまで話を聞いていた兵士の姿が見える。
そして、兵士たちの反対側には、
「階段、か」
1段1段がかなり高い、上りにくそうな階段があった。
上りにくいだけでなく、かなり上の方まであるようなので、上るだけで1時間くらい掛かりそうだ。
もちろんそれは、通常の人間だったらの話、だが。
俺は悪魔なので、階段など関係なく通り抜けることができる。
俺はあっという間に上まで到着する。
上には、かなり大きな扉があった。
見た感じ、かなり厚くて、金属でできていそうなので、壊すのは骨が折れそうだ。
魂が向こう側に2つ見えるので、向こう側に見張りがいるのだろう。
気づかれないように俺は地面に潜って進んでいく。
仮面の効果で見た限り、俺は今、扉の見張りの真下にいるようだな。
「訊いたか?明日国王様がここを訪問するらしいぞ」
「え?本当か!?面倒だなぁ」
見張り2人の話し声が聞こえる。
明日国王が訪問か。
面白いことを訊けたな。
もう少しこいつらの下で情報収集していよう。
とは思ったのだが。
「聞いたか?この間の占い師、処刑されたらしいぞ」
「あぁ。天気を1回外しただけで殺されるのかぁ。嫌な職業だよなぁ」
たわいのない会話ばかりになってしまったので、さっさと別の所に行く。
個人的には気になる話だったが、今回の仕事には必要の無い情報だからな。
俺は人の集まっている場所の下などに潜って、聞き耳を立てていく。
「訊いたぁ?あそこの市場、今日安売りしているらしいわよぉ」
「このカード凄くねぇ?魔法をためられるんだぜ!」
こんなたわいのない会話がほとんどだったが、
「暗殺計画を詰めるぞ。あの国王は、必ず明日仕留める」
こんな面白いお話を聞くことができた。




