13.すり減らし合う戦い
「はぁ!」
俺が気合いを込めて拳を放つ。
「ふっ」
それを鼻で笑いながら、あっさりと避けて反撃してくる闇から出てきた敵、いや、あえて敵と言わずに悪魔といおうか。
俺もその反撃を避け、反撃を放つ。
今回も殴るように見せて、当たる瞬間に手を開く。
ズバッと相手の胴体が切れた。
そのまま隙だらけな敵に追撃を放つが、これは寄っていた青い悪魔に止められてしまう。
赤いヤツが俺に黒いレーザーみたいなモノを放とうとしているので、青い悪魔を壁のように使って射線を遮る。
まるで、俺が圧倒しているように聞こえるかもしれないが、相手も俺もかなり停滞攻撃を食らって、体中ボロボロだった。
赤い悪魔は左足と左腕が消えてるし、青い悪魔は下半身が完全になくなってるし、闇から出てきた悪魔は羽が片方もげている。
俺は俺で、右足はなくなってるし、角は何本か折れてるし。
どちらもひどい状況だな。
「ふんっ!」
俺の荒い鼻息とともに背中からのとげが発射される。
簡単に避けられるが、距離をとる手段としては悪くない。
俺はとげでほかの2体をけん制しつつ、青い悪魔まで一気に距離を詰める。
こいつが上半身しかなくて1番瀕死だからな。
殺しても強化されるみたいだし、こいつを殺せば確実に勝ちにつなげられるはずだ。
「させるか!」
闇から出た悪魔が守るために飛んできた。
速いんだが、少しヨロヨロとしているな。
羽が1枚取れているから安定して飛べないらしい。
ならば、
「バカめ!動いたな!」
俺はそう言って闇から出てきた悪魔とすれ違いになるように飛ぶ。
その先にいるのは、
「くぅ!こっちが狙いか!」
赤い悪魔。
そっちが俺の本命だった。
青い方を狙えば、確実に守りに来ると思ったからな。
こっちの守りがなくなる。
赤い悪魔も黒いレーザーを放ちたいようだが、俺が交わすとその先にいる仲間にあたるため打てないようだ。
まあ、わざと俺がそういう場所をとって飛んでいるんだけどな。
「くそ!俺たちにかまうな!撃て!」
闇から出てきた悪魔がそんなことを言う。
すると、赤い悪魔は一瞬迷ったようだが、黒いレーザーを放った。
もちろん俺はかわすが、、、
「甘い!」
赤い悪魔がそう言って、もう片方の手からも黒いものを撃ち出した。
俺もさすがに予想できておらず、避けるので精いっぱい。
その間に闇から出てきた悪魔に追いつかれてしまった。
だが、今なら青い方は隙だらけ、と思ったが、そうでもないようだった。
闇から出てきた悪魔と一緒についてきたみたいだ。
3体は1か所に固まっている。
それならそれで、別の攻撃を、
「降伏する」
、、、へ?