127.ソンチョウ
悪役令嬢になるはずだった闇の女王 ~悪役令嬢に転生したから、闇の組織を作っとく~
もお願いします。
「儂が休むわけにはいかん。おぬしこそ休んだ方が良いのではないか?」
しわがれた声なのに、強い力を感じた。
威厳というのだろうか?
名前から考えてまとめ役なんだろうが、役に相応しい人と言うことだな。
コイツには気をつけて行動しよう。
「俺は休まない」
そういう男の声には強い意志を感じた。
この男もかなり強い何かを抱えてるな。
コレはかなり裏がありそうだ。
どちらかとは接触を図るべきだろうか?
「時には休むことも大事じゃぞ。儂とは違って未来があるんじゃから」
そう言って、村長が離れていく。
男も踵を返した。
また見回りをするんだろうな。
俺は村長の方について行ってみるか。
「はぁ。嫌じゃのぉ。子供にも働かせることになるとは」
ため息とともに、村長の愚痴が聞こえた。
村長としても子供を働かせるのは不本意なようだ。
では、なぜこんな状況になっているのだろうか?
もっと後ろに大きな存在が居るのか?
「子供たちに奴隷のミサンガを作らせるなど、なんと非人道的なことか」
そういう村長の声は、か弱く、震えていた。
奴隷のミサンガ?
あれか?
はめたモノを奴隷にできるみたいな。
「コレを王に献上して、王を操る、か」
話が飛躍した。
どういう事だ!?
王を操る!?
こいつら、そんな計画を企てていたのか。
かなり悪どいな。
このソンチョウというヤツ、今のうちに消しておくべきか?
「コレを作るのをやめれば皆殺し。できるのなら儂が同士討ちで仕留めたいのぁ」
同士討ちで仕留めたい。
まあ、独り言から推測するに、ソンチョウを操る存在が居るようだな。
そして、そいつが王を操ろうとしているのか。
敵は一体、何者だ?




