125.仕事内容
「私たちの仕事は、コレだよ」
そう言いながら、少女が両手に握ったモノを見せてくる。
その手には、結ばれた紐のわっかがあった。
前世で見たことのあるモノに似てるな。
ミサンガだったか?
はやったのはかなり前だった気がするが。
「それは何なんだ?」
俺はそれをじっくりと見る。
「コレはね。、、何だろう?」
少女も首をかしげた。
もう片方の少女に視線を移すが、そっちも首をかしげるだけ。
知らないのか。
コレは調べる必要がありそうだな。
「というか。俺の話を聞いている間にも作ってたのか」
俺は驚く。
注意してみてみると、俺の質問に答えながらその縄を編んでいたのだ。
かなり慣れているんだな。
全く視界に入れることなく編めるのか。
凄いな。
「いつからこの仕事をしてるんだ?」
コレも尋ねておく。
仕事を始めさせる時期は大切だぞ。
どれだけ小さい頃からか考えると、この場所の逼迫具合が分かる。
困窮具合を知っておけば、どれだけ被害を与えれば壊滅させられるか分かるんだ。
「あ、悪魔さん?怖い顔してるけど、大丈夫?」
不安そうな顔で一方の少女が尋ねてきた。
どういうことだ?
俺の顔は見えないはずなんだが。
「俺の顔が見えるのか?」
「え?見えないけど、、何となく、分かる」
勘か。
子供だからって、侮っちゃいけないな。
「そうか。さっきの男のことを考えてたんだ」
俺は嘘でも本当でもないことを言っておく。
「ああ。ソンチョウさんね」
ソンチョウ?
村長か?




