114.具体的なお仕事
悪役令嬢になるはずだった闇の女王 ~悪役令嬢に転生したから、闇の組織を作っとく~
もお願いします。
「まあ、敵対国のことは置いておいて。問題は少し離れた国のことなのよ」
そう言って、俺に地図を渡してきた。
とても細かく書いてあり、本当にこの世界で書かれたのかと疑いたくなる。
この世界の文明レベルとは違いすぎる気が。
もしや、これもこの女の能力で作ったのか?
「実はこの国と、この国で、難民を受け渡さない条約が決まっちゃったの」
そう言って、少し聖域からは離れたところにある、2つの国を指さした。
1つの国は、聖域のある大陸にある。
だが、もう1つの国は海を越えた先にあった。
ここの2つの国で難民が海を渡ることを禁止したのか。
「で、私たちが主に受け入れてる難民は、この国の難民なの」
そういって、女は先ほどの海を越えた先にある国から、さらに内陸側の国を指さす。
「それで、向こうの大陸とこの大陸で渡航をしているのは、この2つの国だけなのよ。だから、この2つの国で止められちゃうと、こっちに全く難民が入ってこなくて」
そこまで言って、女は視線を落とした。
かなり難しい状況だな。
俺に外交関係の話はあまり分からないが、難し事だというのだけは理解できる。
「向こうに使者でも送って、その転移の魔法陣とヤラを作っとけば良いんじゃないか?」
俺は今までに聞いた情報から、方法を提案する。
「そうなんだけど、難民を全員信用できるわけじゃないから、場所がバレる可能性があるのよね。しかもバレたら、うちの聖域の評判がかなり落ちるし、そうなったら次の使者は送れないし」
女は頭を抱えた。
苦労しているんだな。
同情するぞ。
「それじゃあ、方法もお前たちに迷惑を掛けないような方法にしなきゃ行けないわけだな」
「ああ。そうね。できるならそれでお願いしたいわ」
そういう女の顔は、よく見てみると疲れ切っていた。
それから俺たちは難民をここまで連れてくる作戦会議を行う。
途中から女の仲間だというモンスターや人間が参加してきて、会議は長時間続いた。
因みに話は変わるが、この女の名前はレーナと言うらしい。
「、、こんなところかしら?」
レーナはそう言って、座っていた椅子にもたれかかる。
他のメンバーも同じように、疲れたような格好をした。
俺は飛んでいるから姿勢が変わることはないがな。
飛べると言うことはやはり良いことだ。




