102.本命の報酬
「やあ。来たね」
俺の周りにはさっきまでとは違う光景が広がっていた。
そして、目の前にいるのはどこか見覚えのある少年。
新しいレオだな。
教えてくれるのは最初に会ったレオじゃないのか。
「報酬は?」
俺は報酬を催促する。
「うん。あげるよ。あげるけど、先に報酬を上げる制度を伝えるね」
制度か。
魔法陣の性質に、制度。今日は覚えることが多いな。
「制度なんだけど、侵略者を5人殺すごとに報酬をあげようと思ってる。いや、思ってた」
思ってた?
なぜ過去形なんだ?
制度を変えるのか?
「思ってたよりリベンが優秀だったからさ。変えることにしたの。5人単位だと大量に報酬を上げなくちゃいけなくなっちゃうじゃん」
確かに。
俺が優秀かどうかは別として、今回は100人以上殺したから、毎回このペースだとおれにくれるモノが足りなくなる可能性があるよな。
「そこでね。リベンには技を教えることにしたの」
レオは人差し指を俺に向けていった。
技か。
異世界の技術って事だよな?
それは気になる。
「技って言っても、もちろん戦闘に関する技ね。もし戦闘以外の技術が知りたかったら、報酬をそういうのに変更しても良いよ」
戦闘以外の技術が今の俺に必要だろうか?
とりあえず、今は必要性を思いつかない。
今のところは戦闘技術に使用。
「戦闘技術で構わない」
「OK!じゃあ、今から教えられるね」
そう言って、レオは腰の剣を抜いた。
「これからリベンに教えるのは、天の極意というモノの1つ」
「天の極意?」
随分と厨二病心をくすぐるワードが出てきたな。