101.悪魔の箱
平行執筆中作品。
悪役令嬢になるはずだった闇の女王 ~悪役令嬢に転生したから、闇の組織を作っとく~
「箱、持ってるでしょ?」
箱だと?
そんなモノ持ってたか?
「あれ?悪魔は召喚されたら箱を貰えるはずだけど」
レオにこう言われて思い出した。
そう言えば持っていたな。
俺が攻撃しても日々一つはいらない、あの硬い箱の事か。
俺はいつの間にか増えていた箱の1つをレオに渡す。
「こんなモノ、何に使うんだ?」
俺は箱を渡しながら訊いた。
「この箱、所持者が死んだときに効果を発揮するんだよ」
俺から受け取った箱を人間に渡してそういった。
所持者が死んだときに効果を発揮する?
一体どんな効果だろうか?
俺が不思議そうにしていると、レオが解説しだした。
「効果は、死亡した所持者を悪魔に変える。使い方としては、あまりにも強い敵がいて、2回目来たらマズいと思った相手に渡す。って感じかな」
「「相手に渡す?」」
俺と人間は首をかしげた。
「そう。悪魔の状態は、精神体の状態。だから、その状態で相手を殺せば、魂ごと殺せる」
そう言って、レオは嫌らしい笑みを浮かべた。
「しかも悪魔になると、それまでの記憶の大半が消失するみたいだから、殺せなくても大丈夫」
記憶の消去もできるのか。
それはいいな。
「この箱にそんな効果があったのか。知らなかった」
俺は持っている他の箱をいじりながら感心する。
「さて、じゃあ、リベン。僕からも報酬を上げるからちょっと付いてきて」
レオはそう言ってどこかへ歩いて行く。
俺はその背中を追いかけた。
報酬か。
何をくれるんだろうな?
しばらく歩いて、レオは止まった。
そして、こちらへ振り向く。
「さて、それじゃあ、別の世界の僕が召喚するから、その僕に報酬は貰って」
レオはそう言って手を振った。
すると、俺の体が光る。
召喚されるところを人人間たちに見せたくなかったのだろうか?