100.報酬
「報酬は何が良いですか?」
しばらく話をした後、報酬の話になった。
「俺に必要なモノをお前は出せるのか?」
問題はここなんだよな。
俺が欲しいモノをコイツは持っているか分からないんだ。
というか、俺の欲しいものって何だろう?
そこがまず問題だな。
「うぅ~ん。そう言われると難しいですね。悪魔さんは欲しいものないんですか?」
俺の欲しいモノ。
俺の目的は社会を変えることだから、そのための力は必要だよな。
「あぁ。そういえば、お前。悪魔の状態で魔法を使えていたよな。どうやったんだ?」
俺は魔法について尋ねた。
コイツの魔法で大勢の敵を殺せていたからな。
使い方は知っておきたい。
「魔法は、魔法陣を改良したんです。悪魔の状態。私は悪魔化って読んでますけど、ああなったら私の魔力が恐ろしいほど増えるんです。で、一般的な魔法陣だとその膨大な魔力に耐えられないんですね。だから、強い魔法陣を作ったんです!」
強い魔法陣を作った、か。
俺にはその辺の知識がないからできそうにないな。
それを報酬として習ってみるか?
「よし!じゃあ、魔法陣について教えてくれ!それを報酬とさせて貰う」
報酬が決まった。
「はい!分かりました。わかりやすく伝えられるように頑張ります!」
人間はそう言って、しばらく魔法陣について説明をしてくれた。
全てを完璧に理解することはできなかったが、俺でも簡単な魔法なら使えるようになった。
まだ、複雑な魔法陣を改良することはできないが、悪魔の世界に帰ったら研究してみようと思う。
「、、といった感じですね。これで、いいですか?」
人間の説明が終わった。
「ああ。大丈夫だ。これを報酬とさせて貰う。それでは、俺は帰る。またな」
俺はそう言って、帰ろうとした。
だが、引き留められた。
「リベン。ちょっと待って」
レオに引き留められたのだ。
何だろうか?
コイツの報酬をここでくれるのだろうか?
人間とは別に、侵略者を殺せば報酬をくれると言っていたが。
「箱をあげてくれない?」
「「箱?」」
レオの言葉に、俺も人間も首をかしげた。