陳・海東 著 漫画歴史偉人《後漢編》【絡新婦】張勲 前編 後書きより抜粋
そもそも絡新婦と言うものは日本の妖怪として登場します、この妖怪は日本固有のもので中国には類似する妖怪は存在しますが絡新婦と言う名称ではないのです。
ですがかの怨将軍紀霊が親友である沮授に宛てた手紙の中で度々彼女の事をそう称しているんですね、これはなかなか気になる。
もちろん実在する生き物としてのジョロウグモのようだ、と言っていた可能性もありますがその前後の文と比較すると明らかに妖怪めいた揶揄と感じられます。
これらの事からなぜか現代では失伝してしまったけれど後漢時代には絡新婦と言う妖怪が口伝などで伝わっていた可能性が浮かび上がります。
ですが私としては彼が農徳新書を書いたことや現代では一般的となった商道徳の基礎、その他さまざまな功績と合わせて彼が実は未来を見る千里眼のようなものを仙人から教わった、あるいはそうとは知らず無意識に使ったいわば天然の仙人のようなものだというロマン溢れる説を押したいところです。
話は逸れてしまいましたが、彼女が絡新婦と称されたことからやはり張勲はただの内政手腕が優れただけの女傑では無かったと思われます。
私が思う彼女、および彼女の家の在り方は作中の通りですが、それを裏付ける証拠は一切ありません、ですがそれこそが彼女たちの諜報能力の高さを示していると言えるでしょう。
漫画歴史偉人《後漢編》【絡新婦】張勲 前編 後書きより抜粋