幕間・かたりて
劇場主(語り手)視点の場面は基本的に一章ごとに最初と最後に一話挟みます。
メタ的な存在意義としてはオープニングと次章予告です。
エエー、ここまでご清聴下さった読者の方々、先ずはお詫び申し上げます。
実はこの物語は何者かにより逐一改編されて所々がワタクシの事前に用意した物語と相反しております。
ワタクシ自体このような事態に陥ることを想定しておりませんでした。
物語を『騙る』者、いわば『騙り手』としましょう、「騙り手」が「語り手」を騙る……と、一本取られてしまいましたね。
しかしワタクシもまたプロの語り手、ここからの物語はその矛盾も対処しつつ、続けさせて戴きます。
途中で物語を切り上げるのは重大な違反行為ですから。
読者の皆さま方も、ご心配なさらず。
矛盾の具合は物語と深く関係しているとはいえ、世界線には何も影響はございません。
つまりは物語の進行や登場人物に差はあれど、『大正時代から別の歴史をたどった日本、環平23年の帝都』と言う部分に嘘偽りは無いと言うことです。
お詫びとして、今日のお代は結構で御座います。
小休憩の時間を挟んでから、物語は再開させていただきます。
ああ、今の間にお答えできる改編箇所ですが、本来の主人公の代わりに三門貞香が代役を勤めているようですよ、今のところは、ですが。
本来の主人公は今頃、帝都に向かって東進しております___
補足
語り手について
語り手
自らを『語り手』と名乗る劇場の主。
物語を語ることが使命。
複数存在する。
騙り手
語り手の物語内に入って今なお物語を改編している存在。
物語を変えることが使命。