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異世界でニートは英雄になる  作者: 相原つばさ
第一章 異世界転移
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第二話 変わる世界と『戻る』

「おいおい……あれはまずいだろ」


 タイガは偶然、少女が裏路地に連れていかれる現場を目撃した。周りの人は気付いておらず、見向きもしない。


「俺が行くしかないのか……」


 人混みの中、タイガは先程連れていかれた裏路地に向かう。そして右に曲がって行くのを見た。

 タイガも後を追うように右に曲がる。だが、そこは行き止まりで二人の姿はなかった。


「どこ行ったんだ」


 タイガはもと来た道を戻る。その時、タイガは目を疑った。


「……は?」


 記憶では、大通りに出るはず。だが、目の前は更地(さらち)だった。


 ――おかしい。建物どころか、人一人いない。さっきまであんなに賑やかだったのに……


 タイガはまた、もと来た道に戻ろうとした。だが、ここは更地。振り返ると――


「勘弁してくれよ……」


 道など無く、更地だった。三六〇度見回す。だが視界には更地と少し奥に森が映る。

 つまり、タイガは更地のど真ん中に立っていた。


 タイガは更地の奥にあった森を歩きながら考えていた。


 ――俺は玄関を出たら王国らしき所に出た。振り返ると家があった場所は何もなかった。次は裏路地だ。青髪の少女を追ったら行き止まり。来た道を戻るとここの更地に。一体どうなってる……


 すると、目の前に明かりが見えた。森を抜けると先程の王国と違い、貧相な場所に出た。

 家はボロボロ。家がないのか、外で寝ている人が何人かいる。服も破れており、どれ程生活に悩んでいるか目に見えている。


「すごい所に出たな。戻るか……」


 だが、ここでも変わらなかった。もう既に、森など存在しない。


 ――またかよ……! いつも戻ろうとすると何も無くなりやがって! ……ん? 戻る?


 タイガはあることに気付いた。足を止め、誰も居なさそうな家に入り、ドアを閉める。

 案の定、家には誰も居なかった。


 ――俺の予想が正しければ、ここを開けると……


 タイガは恐る恐る先程入ったドアノブを握り、ゆっくりと開ける。本来なら、貧相な風景が見えるはず。だがそこは――


「戻った……」


 裏路地に入る前の大通りだった。そして後ろには先程の家ではなく、立派な建物に変わっていた。

 タイガは先程の仮説から確信に変わった瞬間だった。


「空間移動かどうか分からないが、トリガーは『戻る』だ。俺が戻ろうとすると全て景色が変わる」


 近くのベンチに座り、解決策を考えていた。

 だが、どう考えても無理な話。道を間違え、戻ろうとすれば場所が変わってしまうのだから。


「なんかねぇかな~。未来が分かれば良いんだがな」


 そう呟いた瞬間、タイガに異変が起きた。

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